ボーイング(BA)2019年第2四半期決算発表(2019/7)

はじめに

昨日2019724日は自分の所有しているボーイング(BA)の2019年第2四半期決算発表があった。

ある程度予想していた通り低調な業績だったので、以下の様に3%強の株価下落。

ただ、個人的にはもっと下がるのでは?と思っていたので、よくこの範囲で収まってくれたと思う。以下で情報を整理する中で、下げ幅が自分の予想より少なかった理由がもしかすると判明するかもしれない。


2019年第2四半期決算発表

以下の内容はボーイングの企業サイトより引用・抜粋。

  • 売上高(Revenues)は1575000万ドルで、前年同期比35%減少
  • 純損失(Net (Loss)/Earnings)はマイナス294000万ドル、前年同期は純利益219000万ドル
  • 一株当たり損失((Loss)/Earnings Per Share))はマイナス5.21ドル、前年同期の一株当たり利益は3.73ドル
  • フリーキャッシュフローはマイナス101000万ドルに減少、前年同期はプラス43億ドル
  • 商用機の引き渡しは90件、前年同期は194件で54%のマイナス


まとめ

ボーイングの2019年第2四半期の主要な数字についてまとめてみたが、冒頭に書いたような明るい兆しはなかった。ある程度さえない四半期となるであろうことは、株価に織り込まれていたのかもしれない。

あえて挙げれば市場予測では、フリーキャッシュフローがマイナス209000万ドルとされていたのよりもマシだった点が、それ程昨日株価が下がらなかった要因の一つであったのかもしれない。

また、昨日の四半期決算は米国市場開場前にされていて、開場と同時にボーイングの株価は下がったのだが、現地時間11時前ぐらいにさらに一段と下がっている。

これは、発表後のアナリストとのカンファレンスコールで最高経営責任者(CEO)のミューレンバーグ氏が、737型機の月間生産ペースを現在の42機からさらに落とすか、正当な理由があれば生産を停止する可能性を検討すると言及したためだろう。正確なコメントとしては“If that estimate of (an October) return to service substantially changes, then we’ll have to consider alternatives,” “Those alternatives could include different production rates, they could include a temporary shutdown of the line.”と述べていた。

また同じカンファレンスコールの中で、今後航空各社に対する737MAXの補償問題が今年以降、キャッシュフローに影響する恐れがあると最高財務責任者(CFO)のスミス氏がアナリストに語っているのも、一段と下がった原因の一つかもしれない。

そして通年の見通しについては、最近の諸費用が反映されていないとのことで先送りとなってしまった。

これを踏まえて今後ボーイング株をどうするかなのだが、結局通年の見通しなどが明らかになっていないので、判断しようがないというのが正直なところ。以下は過去6ヶ月のボーイングの株価チャートなのだが、墜落事故が発生してからの株価もなんだかんだで落ち着いているようには見える。

ただ結局のところ墜落事故を起こした737MAX機の運航再開がいつになるのかはまだはっきりしていない限りは、どうしようもないのではないかと個人的には思う。結局のところ、逐次明らかになる737MAX型機の運航再開に関する情報を着実に把握して、都度その影響を判断するしかないのだろう。そういった情報が明らかになるまでは、自分の追加購入検討に加えるのは危険ではないかというのが現時点での自分の判断ということになる。

また情報が明らかになるのを待つという事は、情報が明らかになるのが遅れれば遅れるほど、737MAX機引き渡しまでの在庫維持に関する費用がフリーキャッシュフローの減少に拍車をかけることになる、つまり情報が明らかになるのを待つということもそれだけで株価が更に下がる可能性がある点にも注意が必要だろう。こう考えると、現在のボーイング株は扱いが非常に難しいなあ。


追記

ボーイングの2019年第2四半期決算発表の翌日である2019年7月25日には、ボーイングに関する大きなニュースが2つあったので、追記しておく。

一つ目は、米連邦航空局(FAA)のダン・エルウェル長官代理が「737MAX」が運航を再開するタイミングは明確ではなく、「安全性」が再開時期を決める唯一の基準だという考えを示したこと。

前日の第2四半期決算発表後のカンファレンスコールでは、ミューレンバーグ最高経営責任者(CEO)は、当局との認証飛行を9月に実施した後早ければ10月にも737MAXの運航が再開されると確信していると述べていたのだが。

二つ目は、航空会社2社がボーイング737MAX機の長引く運航停止について言及したこと。

サウスウエスト航空は737MAX機の運航停止期間を再延長して来年1月5日まで運航を停止する方針を示し、アメリカン航空11月初旬までとする従来の期限を据え置いている。

昨日まとめた内容と重なるが、やはり737MAX型機の運航再開がはっきりしないと落ち着かない状況は続きそうだ。ちなみにこの報道を受けて昨日のボーイング株は結構大きく続落している。

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