はじめに
昨日2021年1月28日には自分の所有銘柄の一つであるアルトリア・グループ(MO)の決算発表があった。アルトリア株は現在の完全リタイア・配当金生活において重要な銘柄の一つなのだが、なかなか四半期決算以外での情報アップデートが少ない銘柄でもある。
以下に決算内容を整理し、今後の見通しについて確認しておきたい。
アルトリア・グループ2020年第4四半期決算概要
以下の内容はアルトリア・グループの企業サイトより引用・抜粋。
- 2020年第4四半期の売上高(Net Revenues)は63億400万ドル、前年同期比4.9%増加
- 2020年第4四半期の物品税控除後の売上高(Revenues net of excise taxes)は50億5500万ドル、前年同期比5.3%増加
- 2020年第4四半期の1株当たりの調整後利益(Adjusted diluted EPS)は0.99ドル、前年同期比2.0%減少
- 2020年第4四半期の純損失(Net earnings(losses))は19億2200万ドルの利益
前四半期は「Impairment of JUUL equity securities」(JUULの減損費用)で26億ドルの減損費用を計上したことで9億5600万ドルの損失だったが、今四半期はプラスに転じている。
- 2020年第4四半期のタバコ製品の出荷量は前年同期比3.1%の増加
2020年第4四半期は珍しくタバコ製品の出荷量が前年同期比プラスとなったが、2020年通年で見ると0.4%減。
2021年の見通しに関しては、
- 2021年通年の調整後希薄化後EPSは4.49ドル~4.62ドル。これは2020年の4.36ドルから3%~6%の成長率。
- Altria expects 2021 capital expenditures to be between $200 million and $250 million and depreciation and amortization expenses of approximately $250 million.
2021年の設備投資は2億ドル~2億5000万ドル。減価償却費が約2億5000万ドル
そしてタバコ業界の見通しについては、成人喫煙者の外出禁止令、失業率、財政刺激策、COVIDワクチン、COVIDワクチン後の成人喫煙者の行動、などの動向が不明であるとしており、
- Altria is not providing a cigarette industry outlook.
タバコ業界の見通しは提供しない
としている。
その他気になった点としては、
- いつもの様に配当を株主への利益還元の第1手段としており、配当性向(payout ratio)を調整後希薄化後EPSの約80%としている
- 新規に20億ドルの自社株購入が取締役に承認され、2022年上半期までに完了する予定
という点。
市場予測との比較
今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、
- 2020年第4四半期の物品税控除後の売上高(Revenues net of excise taxes)は50億5500万ドル、市場予想の49億3300万ドルを上回っている
- 2020年第4四半期の1株当たりの調整後利益(Adjusted diluted EPS)は0.99ドル、市場予想の1.01ドルを下回っている
となっている。
まとめ
上記の様な決算内容を受けてアルトリア・グループの株価は、
1.98%の上昇。同日のダウ工業平均が0.99%、S&P 500が0.98%、NASDAQが0.50%上昇した事を割り引いても、決算内容はそれなりに評価されたようだ。
過去3ヶ月の株価の動きを見ると、
多少の凸凹はあるがダウ工業平均とほぼ変わらずのパフォーマンス。そう考えると悪くは無いだろう。
気になる点としては、決算でも述べていたタバコ業界の見通しが不透明な事と、IQOSの展開が進んでいないこと(現在Atlanta、Charlotte、Richmond)。一応2021年に4地域追加するとしているが、あまり米国でのIQOS展開については期待しない方がいいのかもしれない。