電子タバコに対する最近の米FDA対応及びMO株価(2019/6)

はじめに

昨日は自分の所有銘柄の一つであるアルトリア・グループ(MO)株が大きく下落していた。

以下、大きく下落した理由の確認と直近のアルトリア・グループ関連の状況をまとめておく。


前FDA長官のCNBCでのコメント

株価下落の理由は前FDA長官のスコット・ゴットリーブ氏(Scott Gottlieb)が米CNBCのテレビインタビューで、「ジュールは自社製品の承認を得るのに困難な位置にあるだろう」(“Juul is going to be in a hard spot to ever get their product approved,”と述べたこと。

ジュールはアメリカの電子タバコ大手であり、アルトリア・グループ(MO)が昨年12月に株式の35%を128億ドル(約1兆4200億円)相当で取得している。

スコット・ゴットリーブ氏は今年の初めに2年間務めたFDA長官の職を辞しているので、あくまで「前」FDA長官が「だろう(is going to be )」と発言しただけと捉えることもできるが、株価が大きく下落したのもまた事実。これは先週にあったFDAの動きとも関連しているのだろう。


6月12日の米FDAの電子タバコに関する動き

6月12日に米食品医薬品局(FDA)はジュールなど電子タバコメーカーに求める販売継続申請の提出期限を10カ月以内とすることを米メリーランド州のポール・グリム米連邦地裁判事に提案。

FDAはオバマ政権時代の2016年に電子タバコ業界の監督を開始したが、翌年のトランプ政権発足後には販売継続申請の提出義務付けを2022年まで先送りする方針を示していた。しかし、反タバコ団体が提起した訴訟でポール・グリム判事は先月、FDAは安全性や公衆衛生面を審査することなく電子たばこの販売継続を違法に容認したとの判断を下しており、今回の提案はそれを受けてのことだろう。

12日提出資料の中でFDAは「若者の電子タバコ吸引が最近、伝染病並みに広がっていることは公衆衛生危機の高まりだ(“The recent epidemic-level rise in youth e-cigarette use is a mounting public health crisis” )」としている。

またFDAは大半のフレーバー付き電子タバコの小売店での販売を禁じる規則案を4ヶ月以内にまとめる考えも示している。


まとめ

以下は直近1ヶ月のアルトリア・グループの株価チャート。

5月28日は、クラフト・ハインツ(KHC)の理由のはっきりしない下落に関する記事の中での対比として述べた5月18日までの4週間のタバコ販売数量が11.2%減となったニュースから大きく下落している。

上記6月12日のFDAの動きから段々と下がり、昨日の前FDA長官のスコット・ゴットリーブ氏の発言でまた大きく株価が下がっている。

これらの動きを踏まえてどうするか、が悩ましい問題。2019年第1四半期決算発表の後にも、決算内容とタバコ産業を取り巻く環境から下がっているし、あまり明るい話題はない。ただ、それらの要素が現在の株価に組み込まれているとすれば、株価の大幅上昇は望めないだろうが、長期投資/バイアンドホールドの点では悪くない気もする。株価が下がっていることにより、現時点では保有銘柄の中で一番配当率が良くなってしまっているしなあ。

昨今の米中の状況や中東情勢なども踏まえて、来週の自分の定期的米国株購入を何にするか、この週末に色々と考えることにするか。

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