はじめに
2020年11月12日の米国市場閉場後には自分の所有銘柄の一つであるシスコ・システムズ(CSCO)の決算発表があった。
2020年8月にあった前四半期2020年第4四半期の決算発表後の株価は、
と散々だった訳だが、今四半期はどのような結果になったのか以下に整理しておく。
2021年第1四半期決算概要
以下はシスコ・システムズの企業サイトより引用・抜粋。
- 2021年第1四半期の売上高(Revenues)は119億2900万ドル、前年同期は131億5900万ドルで前年同期比9%の減少
- 2021年第1四半期の純利益(Net Income)は21億7400万ドル、前年同期は29億2600万ドルで前年同期比26%の減少
- 2021年第1四半期の一株あたり利益(EPS)は0.51ドル、前年同期は0.68ドルで前年同期比25%の減少
- 2021年第1四半期のNon-GAAPベースの一時項目を除く一株あたり利益(EPS diluted)は0.76ドル、前年同期は0.84ドルで前年同期比10%の減少
製品カテゴリごとの売上は以下の通り。売上全体に占める割合は製品72%、サービス28%となっている。
Infrastructure Platforms部門:
製品売上全体の約74%を占めたこの部門の売上は前年比16%減の63億4100万ドル。
前四半期と同様にコロナウイルスによって引き起こされた市場の軟化によって深刻な影響を受け、ルーティング、スイッチング、データセンター、ワイヤレス分野で振るわなかったとしている。ポジティブな要素としてはCatalyst9000スイッチとWiFi6製品に対する需要が見られたとしている。
Applications部門:
製品売上全体の約16%を占めたこの部門の売上は前年比8%減の13億8000万ドル。
前四半期と同様にユニファイドコミュニケーションとTelePresence Endpointsの売上は減少し、Webexは在宅勤務需要で堅調。
Security部門:
製品売上全体の約10%を占めたこの部門の売上は前年比6%増の8億6100万ドル。
最新のSecureX製品(包括的なクラウドベースのセキュリティプラットフォーム)が売上に寄与したとしている。
Other Products部門:
製品売上全体の約0.1%を占めたこの部門の売上は前年比56%減の500万ドル。
Services部門:
前年比2%増の33億4200万ドル。
ソフトウェアサブスクリプションが、ソフトウェア売上の78%を占め前年比で7%増加。
2021年度第2四半期の見通しについては以下の通り。
市場予測との比較
今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、
- 2021年第1四半期の売上高(Revenues)は119億2900万ドル、市場予想の118億5000万ドルを上回っている
- 2021年第1四半期のNon-GAAPベースの一時項目を除く一株あたり利益(EPS diluted)は0.76ドル、市場予想の0.70ドルを上回っている
- 2021年第2四半期のNon-GAAPベース調整後1株利益見通しは0.74~0.76ドル、市場予想の0.72ドルを上回っている
となっている。
まとめ
上記の様な決算内容を受けてシスコの株価がどうなったかというと
7.06%の大幅上昇。同日のダウ工業平均が1.37%、S&P 500が1.36%、NASDAQが1.02%それぞれ上昇しているが、それに比べてもシスコの株価上昇の大きさが目立つ。
これは次四半期2021年第2四半期のNon-GAAP EPSの見通しが市場予想を上回ったことが大きいのだろう。前四半期も四半期結果は市場予想を上回っていたのだが、その時点の次四半期(つまり今四半期)のNon-GAAP EPSの見通し上限値が市場予想を下回っていたので冒頭の様に10%超の下落。今回は次四半期のNon-GAAP EPS見通し下限値が市場予想を上回るというポジティブサプライズとなっていることが市場に好感されたようだ。
とはいえ年初来の株価パフォーマンスを見てみると、
前四半期の決算発表で急落してから10月末までは右肩下がり。11月に入って市場全体が上向きな事、そして今回の決算を受けて上昇しているが市場に比べて低調なパフォーマンス。今回の見通し通り次四半期が堅調な結果になってくれればいいのだが。