はじめに
本日2019年10月28日は、自分が多く所有しているAT&T(T)の2019年第3四半期決算発表があった。これを書いている現在はまだ米国市場開場前なのだが、Pre-Marketでの取引では上昇している模様。
AT&Tが自分のポートフォリオの中に占める割合が大きい、つまりその株価の上下が全体の資産に与える影響は大きいので、とりあえずは一安心(開場後に下落する可能性が全くないとは言えないが)。
四半期決算の内容を確認して、何故開場前に株価が上昇傾向になったのかを整理しておく。
AT&T2019年第3四半期決算発表
以下の内容はAT&Tの企業サイトより引用・抜粋。
- 2019年第3四半期の総売上高(Total Operating Revenues)は445億8800万ドルで、前年同期の457億3900万ドルから2.5%減少
- 2019年第3四半期のAT&T帰属の純利益(Net Income Attributable to AT&T)は37億ドルで、前年同期の47億1800万ドルから21.6%減少
- 2019年第3四半期の調整後一株当たり利益(Adjusted EPS)は0.94ドルで、前年同期の0.90ドルから4.4%増加
- 純有利子負債(Net Debt)は順調に減少
また加入者に関する主なデータは、
- 携帯電話を含むワイヤレス契約数の純増分は10万1000件
- テレビサービス加入者は116万8000件の純減。前期の77万8000件から減少幅が拡大
まとめ
以上の様に主要な数値はまちまち。市場予想との比較では、
総売上高:市場予想は約451億ドルだったが、実際は445億900万ドルと市場予想を下回る
調整後一株当たり利益:市場予想は0.93ドルだったが、実際は0.94ドルと市場予想を上回る
通信収益(Communications revenue):市場予想は357.5億ドルだったが、実施は354億ドルと市場予想を下回る
とこれもまちまち。その割には株価が上昇しそうなのだが、これは四半期決算と同じタイミングで発表された3年計画が寄与しているのかもしれない。
この計画は、2019年9月に32億ドルのAT&Tを保有していることを明らかにしたアクティビストのエリオット・マネジメントと協調したもののようだ。発表資料の中で以下の様に述べている。
“The objectives we have outlined today have been central to our plans for many
months, even before we closed our acquisition of Time Warner. But, as you would
expect, our thinking has also benefited from our engagement with our owners, including Elliott Management,” said Stephenson. “I’ve found our engagement with Elliott to be constructive and helpful, and I look forward to continuing those conservations. These are smart people who very much appreciate the opportunity we have to create tremendous shareholder value.”
また、エリオット・マネジメントも
“We commend AT&T for the positive steps announced today, which will create substantial and enduring shareholder value at one of America’s greatest companies,”
と述べている。
個人的にはAT&Tとエリオット・マネジメントとの企業戦略の方向性が必ずしも一致していないように感じていたのだが、今回の発表で(少なくとも表面上は)協調していくことを明らかにした上で、3年計画を発表したのは一株主として一安心。
実際にはTVサービス、通信収益、買収したワーナーメディア(予定されているストリーミングサービス含む)など懸念点はまだまだあるのだが、この計画を着実に実行して、企業改革に取り組んでもらいたいところ。
と情報を整理している内に時間がたったので、再度時間前取引を確認してみたところ、
冒頭の時点よりも上昇。このまま今日の開場後から取引終了まで堅調に推移してくれればいいのだが。