AT&TのCFOによる最新情報アップデート(2023/12)

はじめに

昨日2023年12月11日(月)は掲題の通りAT&Tの最高財務責任者(CFO)Pascal Desroches氏が講演でアップデートを行った。わずか1週間ほど前に最近最高経営責任者(CEO)John Stankey氏がやはり講演でアップデートをしたばかりで内容に大きな変化はないと思われたが、いくつか新たな情報もあったので以下に前回との違いを確認して整理しておく。


2023 Oppenheimer 4th Annual 5G SummitにおけるAT&T最高財務責任者Pascal Desroches氏のアップデート

以下はAT&Tの企業ページより主な点を1週間前のJohn Stankey氏の講演からのアップデート分を引用・抜粋。

  • 通年調整後EPSはこれまで共有されていた2.35~2.45ドルの範囲の上限または2.40ドル前半を達成する軌道に乗っている(前回は調整後EPSには言及無し)
  • 2023年第4四半期の後払い携帯電話の純増は約50万件と想定(前回は純増が引き続き増加するとし具体的な数値は無し)
  • 2023年第4四半期のファイバーの純増は約25万件と想定(前回は追加が引き続き継続するとし具体的な数値は無し)
  • 収益性の高いワイヤレスおよびファイバー顧客の継続的な追加、調整後EBITDAの伸び、および210~220億ドルの資本投資の低下により、フリーキャッシュフローは2024年に改善すると予想している
    • これらのメリットは2024年にDIRECTV 拠出金の減少と現金税の増加によって部分的に相殺されると想定(この相殺部分については前回言及無し)
  • 最近発表したエリクソンと協力してORAN(Open Radio Access Network)を展開する計画に起因する加速減価償却(accelerated depreciation)の影響が2024年の調整後EPSに反映されると想定(前回は加速減価償却についての言及無し)
  • 同社の固定無線アクセス (FWA:Fixed Wireless Access) 製品である AT&T Internet Airをどこでどのように提供するかについて引き続き評価を行っているため、FWA加入者の増加は四半期ごとに異なると想定(前回はFWA加入者の評価/増加に対しての言及無し)

まとめ

上記の様なアップデートを受けてAT&Tの株価は

前日比1.77%の下落。同日の米国株式市場が

明日、明後日の米消費者物価指数(CPI)及びFOMCを控えての様子見からか小幅な動きながらいずれも前日比上昇で取引を終えているのと比べるとかなり見劣りのするパフォーマンス。

今回のアップデート内容が株価下落に影響したのかと思ったのだが、日中のAT&T株の推移はとなっており開場直後の下落が大きいのだが、Pascal Desroches氏の講演は午前11時から行われ、その頃に株価がやや持ち直したのでアップデート内容はそれ程悪くはなかったのだろう。

ちなみにAT&T株が開場直後に下落し、市場がわずかながら上昇傾向だった中AT&T株が伸び悩んだ理由については今一つ不明。ここ1ヶ月の株価推移を見てみると

11月末から12月5日のJohn Stankey氏の講演及びエリクソンとのOPRAN発表までは市場(S&P 500)に比べて良いパフォーマンスだったものの、その後は特段のニュースやアナリストのアップデートが無いにもかかわらず市場に見劣りする状況が続いてしまっている。

僅か1週間前には

「しばらく低迷し今後に不安を感じていたAT&T株だが、ここ最近は回復の兆しを見せつつあるのでこのまま堅調な株価推移を続けて欲しいものだ。」

と書いていたのだが、ここ数日の下落が単なる一時的な調整であってこのまま下落傾向とならないことを願いたい。

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