2021年10月のOPECプラス会合結果(2021/10/7)

はじめに

2021年10月に入ってからも9月からの様々な要因で不安定な米国市場が続いているため日々の上下動に目が行きがちで忘れていたが、2021年10月のOPECプラス会合が10月4日(月)に開催されていた。

原油価格に連動することが多い自分が所有しているエクソン・モービル(XOM)株についての大幅な上下動は無かったと思う(日々の市場の動きに紛れてしまった可能性はある)ので、大きな方針転換などは無かったと思うが確認してまとめておくことにする。


2021年10月4日のOPECプラス合意内容

以下は主にロイターの報道より引用・抜粋。

  • 会合前には11月に供給拡大ペースを加速させるのではないかとの臆測が流れた一方で、関係筋の話として「増産幅拡大を求める声が出ているが、新型コロナウイルス感染拡大第4波が警戒される中、大きな措置を取ることに誰もが消極的になっている」という報道もあった
  • 実際にはOPECプラスは10月の会合で増産幅拡大には動かず、日量40万バレルのペースで増産する現行の合意を11月も維持すると決定

この整理をするのがOPECプラス10月会合の10月4日(月)から時間が経っているので、その後のOPECプラス関係の報道についてもまとめておく。いずれも関係筋の話として報道されている。

  • OPECプラスが4日の会合で原油価格の高騰にもかかわらず現行の控えめな増産ペースの維持を決定した理由の1つは、原油の需要および価格が今後弱まるとの懸念があるため
  • もう1つの大きな理由は、価格高による石油収入の増加。現在の価格水準について「皆が喜んでいる」と匿名を条件にOPECプラスの代表者がコメント
  • 米国やインドなどの消費国から増産幅拡大を求める声が上がっていたこともあり、OPECプラスは4日の閣僚級会合の前に日量80万バレルの増産も検討したが、実際には日量40万バレルのペースで増産する現行の合意を11月も維持すると決定
  • OPECプラスは過去の教訓を踏まえて従来より慎重になっている。拙速な決定は石油価格の急落を招く可能性がある

まとめ

ニューヨーク原油先物価格は上記合意決定を受けて以下の様に10月4日に急上昇。

ただ、昨日10月6日から原油価格は下落傾向に転じている。

これは同日米エネルギー情報局(EIA)が発表した週報で、原油在庫が230万バレル増、ガソリン在庫が330万バレル増とそろって市場予想に反して積み増しだったことや、高騰が続く天然ガスに関して欧州向けに供給を増やす用意があるとのロシアのプーチン大統領の発言が報道されたことなどが原因だろう。欧州の天然ガスに関しては色々と問題がありそうだが、ここでは割愛。

上記の様な状況を受けての過去5日間のエクソン株と市場の動きを見てみると

エクソン株が10月4日開場前のOPECプラスの決定を受けて開場直後から上昇したのに対して、S&P 500は冒頭にも触れたここ最近の不安定さから下落と相反する動き。そして6日には上述の通りニューヨーク原油先物価格の下落に伴いエクソン株も急降下となっている。短期的には原油先物価格・エクソン株は神経質な動きが続きそうだ。

一方でとりあえずOPECプラスは無難に乗り切った感じがするし、中長期的には

エクソン(XOM)の2021年第3四半期利益が増加の見込み

で書いた様に原油先物価格とそれに伴うエクソン株の上昇は見込めそうな気がする。ただここ最近の原油価格上昇はエクソン以外の所有米国銘柄にとってはコスト高につながる訳で、手放しで価格上昇を期待するわけにもいかない。実際一部の銘柄が市場より落ち込んでいるのは原油価格の高騰が原因の気がする(例を挙げるとダウ・インク(DOW)などの化学製品)。OPECプラス、各国が適切に需要と供給のバランスをコントロールしてくれるといいのだが。

最後に11月のOPECプラス会合は11月4日予定とのこと。

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