はじめに
現地日付2026年11月3日(火)に米中間選挙が行われ民主党が大勝し、その選挙結果を受けて翌日11月4日(水)の米市場は
民主党大勝の米中間選挙を受けての米市場の動き(2026/11)
でまとめた様に米主要3株式指数は

いすれも1%台半ばから3%の上昇となっていた。
しかし選挙結果を受けて2日目の11月5日(木)には

3%台半ばから5%台半ばの急落となり、中間選挙直後の上昇分を吹き飛ばしてしまっている。
以下、何故米中間選挙結果を受けて1日目は米株式市場が上昇し、2日目は下落したのかについて考えてみることにする。
米中間選挙後1日目(11月4日(水))の自分のまとめ振り返り
以下は
民主党大勝の米中間選挙を受けての米市場の動き(2026/11)
で自分が整理した内容から引用・抜粋。
「開票結果が少しずつ明らかになるにつれ、民主党は共和党よりも企業寄りではないという見方や、民主党が下院と上院の両方を支配することで政権運営が困難になるとの見方から時間外取引での株価は下落傾向。」
「ここ数週間市場にあった中間選挙結果への不透明感が払拭されたこと、またトランプ大統領が基本的には選挙結果を受け入れる姿勢を示したことが、上昇に寄与したものと思われる。」
「ただ主要3株式指数が上昇したとは言え、その中身はまちまち。大きいところでは以下の様な傾向が見られた。
- 一部の大型ハイテク株はAIインフラの拡大鈍化が競争上有利になるとの見方から上昇
- マイクロソフト(MSFT)が6.7%、アマゾン・ドット・コム(AMZN)が6.1%、アルファベット(GOOGL.O)が3.2%上昇
- テキサスやジョージアなど主要なデータセンター立地州で民主党が勝利したことで、半導体メーカーやデータセンター運営会社は下落
- フィラデルフィア半導体指数は3.1%下落
- 米・イスラエルとイランの戦争終結が早まるとの期待から原油先物価格が下落し、関連企業が下落
- エクソン・モービル(XOM)が4.6%下落、シェブロン(CVX)が3.7%下落
- トランプ政権で削減対象になっていた医療関連予算が民主党多数になり、見直されるのではという期待から製薬関連株が上昇
- メルク(MRK)が3.9%上昇、ファイザー(PFE)が2.6%上昇、アストラゼネカ(AZN)が2.8%上昇、ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMY)が4.0%上昇
- 共和党に多額の出資をしていたイーロン・マスク氏が率いる企業が下落
- SpaceX(SPCX)が3.8%下落、テスラ(TSLA)が3.3%下落
」
「色々とあるとは思うが、何とか自分の資産が悪い方向に向かわないといいのだが・・・。選挙結果を受けて上昇した株式市場が、翌日以降も反落せずに上昇傾向を続けてくれることを願いたい。」
上記を踏まえて米中間選挙後2日目(11月5日(木))の米株式市場急落に関する考察
まず11月4日(水)と5日(木)のS&P主要11セクターの騰落率を見ると以下の様になる。
| セクター | 英名 | 11月5日 | 11月6日 |
| 通信サービス | Communication Services | 3.47% | -1.80% |
| 一般消費財 | Consumer Discretionary | 4.26% | -3.74% |
| 主要消費財 | Consumer Staples | 3.36% | -0.61% |
| エネルギー | Energy | -4.74% | -2.82% |
| 金融 | Financials | 3.51% | -2.73% |
| ヘルスケア | Healthcare | 1.20% | -2.50% |
| 工業 | Industrials | -1.09% | -4.12% |
| 情報技術 | Information Technology | -0.01% | -7.30% |
| 素材 | Materials | 2.49% | -2.61% |
| 不動産 | Real Estate | 3.32% | -1.82% |
| 公益事業 | Utilities | 0.44% | -0.71% |
目に付いたのは以下の様な点。
- 2日目はS&P主要11セクターが全て下落
- エネルギーセクターは2日続落
- 1日目は原油先物価格下落を受けて、2日目は原油先物価格は上昇傾向にあったが、市場全体の流れには抗えなかったと思われる
- 情報技術セクターは2日目の下落率がセクター中最大
- 1日目はAI関連銘柄が下落する中で一部大型ハイテク銘柄がプラスとなり下落率が抑えられたが、2日目は民主党勝利によるAI関連の規制(データセンター建設など)の懸念が続き、1日目は持ちこたえた大型ハイテク銘柄も下落したため、下げ幅が拡大したと思われる
- 通信サービス、主要消費財、公益事業といったディフェンシブセクターは下落幅小
- 景気動向やAI関連の影響を受けにくいこれらのセクターは、2日目の市場急落の影響が他セクターと比べて軽微だった
その他全体としては以下の点が目についた。
- 中間選挙2日目の米主要3株式指数の下落は、(選挙結果以外に)特段株式市場に影響を与える大きなイベントや報道があった訳では無い
- NASDAQ総合はこの日の下落でいわゆる「調整局面」(直近の最高値から10%以上下落した状態)となっている
- 米10年債の利回りは前日比1.16%低下(債券買い)。米株式市場の下落に伴い、株式への投資資金が比較的安全とされる債券市場へと流入したことが原因だろう
- フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は4日が3.13%の下落、5日が12.25%の下落となっており、これまで市場をけん引してきた半導体銘柄が急落している
振り返ってみると、1日目は民主党大勝という結果がもたらす影響よりは、とにかく選挙結果が出たという点のみの安堵感から全体的に上昇したように思われる。ただ今にして思えば1日目もAI関連銘柄、特に半導体銘柄が大きく下落していたことを考えると、2日目の急落の兆しはあったということなのだろう。
そして2日目は民主党大勝によるAI関連の先行き懸念が更に高まり、それが経済全体に及ぼす影響も加味して株式市場全体が大きく下落することになったと思われる。
自分の米株ポートフォリオ資産
自分の米株ポートフォリオ資産は選挙結果が出た1日目(11月4日)は

と市場に及ばないながら上昇していたものの、2日目(11月5日)は

約6.6万ドル(3.45%)減少とやはり酷い結果。その原因は以下が大きい。
- 自分のポートフォリオに占める割合が一番大きいシティグループ(C)が2日目は約5%(約4万ドル)の大幅下落。1日目は最終的にプラスで終えたが日中マイナスになる局面もあり不安を感じていたのだが、悪い予感が現実となってしまった
- 1日目に下落(4.6%、9000ドル超減少))したエクソン・モービル(XOM)が、2日目も2.4%(約4500ドル)の下落
- 自分のポートフォリオでは数少ないAI関連銘柄(データセンターへの電力供給関連)のGEベルノバ(GEV)株が1日目の大幅下落(9.3%、約1万ドル)に続き、2日目も7.5%、約6500ドル下落
自分の米株ポートフォリオには、いわゆる大型ハイテク銘柄やAI関連銘柄は上述のGEベルノバを除くとほとんど入っていない(シスコ・システムズもかろうじて入るだろうか)のだが、そのGEベルノバが大きく下落したこと、そして何よりポートフォリオに占める割合が30%を超えるシティが大きく下落しているのが響いている。シティは直近の決算でも5%を超える下落で、9月半ばからの下落傾向に歯止めがかからない状況で、何とか落ち着いて欲しいのだが。
ちなみに今回の下落幅は直近では2025年4月3日の相互関税直後の

約7.8万ドル(約5.5%)下落、その翌日2025年4月4日の

約9.3万ドル(約6.9%)の下落に次ぐ大きさとなっている。それよりはまだマシと思って自分を慰めるしかないか・・・。
まとめ
以上、米中間選挙結果を受けて2日目までの米株式市場/自分のポートフォリオ資産の動向について整理してみた。
選挙結果を受けて1日目が上昇、2日目が急落となり、今後の先行きには不透明感が漂う。まずは急落の要因となっているAI関連銘柄の下落基調にいつ、どの水準で歯止めがかかるのか。そしてAI関連銘柄の下落が、2日目の様に市場全体に波及し続けるのか、それともAI関連銘柄のみに限定されていくのか、もしくは2日目の急落で市場に懸念材料が吸収されたのかに注目したい。
しばらくはAI関連銘柄を中心に神経質な動きが続くのだろうが、今回の様な市場全体の大幅下落とはならないことを切に願いたい。また自分は所有していないが、11月17日(火)の米国市場閉場後のエヌビディア(NVDA)の四半期決算発表でAIに関する市場の懸念がある程度やわらぐのか、それとも懸念により拍車がかかるのかが注目される。
また1日目時点のまとめでも触れた、2026年12月11日に切れる2027会計年度つなぎ予算以降の予算審議がどうなるかにも注目(実際に選挙結果が反映され、民主党が上下両院で多数派となるのは2027年1月から)。これが株式市場への更なる不確定要素とならないでくれるといいのだが。