ウォルトディズニー(DIS)2026年3Q決算(2026/8)

はじめに

2026年8月5日(水)には自分の所有銘柄であるウォルト・ディズニー(DIS)の2026年第3四半期決算発表があった。ディズニーの今回決算は自分の所有銘柄の多くが2026年第2四半期であるのとは異なり、2026年第3四半期。ただし期間は概ね同じで2026年4月~6月の3ヶ月。

前回2026年5月の決算時は市場予想を上回る売上、EPSに加え、次四半期を含めた下半期の見通しが堅調とされたこと前日比7.54%の大幅上昇。その際には

「今後のディズニー株だが、決算後は今一つの動きとなっているが、決算内容や次四半期の見通しなどからするとある程度堅調な株価推移が期待出来そうな気はする。とはいえ決算での上昇時でも年初来は5%のマイナスとなっているので、まずは年初と同水準の株価まで上がってくれれば御の字だろう。経営陣の見通しが正しいことを願いたい。」

と書いていた。

しかしその後は期待とは裏腹に下落傾向が続いていた様な印象がある。

今回のディズニーの決算結果、そしてそれを受けた株価はどうなったのか。以下内容を確認し整理しておく。


ウォルト・ディズニー2026年第3四半期決算概要

以下は、ウォルト・ディズニーの企業サイトより引用・抜粋。

  • 2026年第3四半期の売上高(Revenues)は252億4800万ドル、前年同期は236億5000万ドルで前年同期比7%の増加
  • 2026年第3四半期の特定項目を除く一株当たり利益(Diluted EPS excluding certain items)は2.06ドル、前年同期は1.61ドルで前年同期比28%の増加

事業部別業績

【Entertainment部門】

  • 売上(Total Revenues):113億4500万ドル、前年同期比6%増
  • 営業利益(Operating income):16億8000万ドル、前年同期比64%増

Entertainment部門のほぼ半分を占めるSVOD(Subscription Video On Demand)詳細

  • 売上(Total revenues):55億3200万ドル、前年同期比11%増
  • 営業利益(Entertainment SVOD operating income):7億1200万ドル、前年同期は3億2900万ドル

【Sports部門】

  • 売上(Total Revenues):45億ドル、前年同期比4%増
  • 営業利益(Operating income):8億5800万ドル、前年同期比17%減

【Experiences部門】

  • 売上(Total Revenues):99億6800万ドル、前年同期比10%増
  • 営業利益(Operating income(loss)):30億1700万ドル、前年同期比20%増

2026年通期及び第4四半期見通し、2027年見通し

2026年通期及び第4四半期見通しは以下の通り。

  • 調整後一株当たり利益(Adjusted EPS)成長率:53週目の影響を除いて約12%、53週目の影響を含めると約16%(前回と変わらず)
  • 第4四半期のセグメント営業利益は53週目の影響を含め約53億ドル見込み
  • 2026年度の自社株買い目標額は少なくとも90億ドル以上(前回は少なくとも80億ドル以上)

  • 2027年度においても、第53週の影響を除き、調整後EPSの2桁成長を見込む
  • なお、2027年度第4四半期には、2026年度第4四半期における第53週の影響が一巡することになる

ウォルト・ディズニーは9月30日に最も近い土曜日に終了する会計年度を採用しているため、約6年に1度の周期で、1年間が53週間(通常より1週間多い)になる特殊な会計年度が発生し、今回2026年がそれに該当しているため53週目への言及がある。

その他

その他決算発表及びアナリストとのカンファレンスコールで気になった点は以下の通り。

  • 第3四半期業績概要
    • 今四半期は当社にとって素晴らしい四半期だった
    • 会社全体の売上高は7%増加
    • Disney Experiencesは、会計年度第3四半期の売上高とセグメント営業利益で過去最高を記録
    • 当社のコアプラットフォームであるDisney Experiences、Disney+、ESPNは、前年同期比でゲスト、ユーザー、視聴者がそれぞれ増加
    • マクロ経済の不確実性が続いているにもかかわらず、当社は年末に向けて順調に進んでいる
  • 第3四半期業績は3つの戦略的優先事項を継続的に実行してきた結果
    • 第一に、創造性の卓越性と世界クラスの知的財産への投資
    • 第二に、テクノロジーを活用して成長を加速させ、収益を向上させること
    • 第三に、よりつながりのあるディズニー体験を創造することで、ファンとの直接的な関係を深めること
      • ウォルト・ディズニー・ワールドを中心に、全世界のゲスト数が前年比4%増加し、ディズニー・クルーズ・ラインのキャパシティもプラスとなり、予約状況は引き続き好調
      • 全世界の興行収入が10億ドルを突破した「Toy Story 5」
      • ESPNとABCにおけるNBAファイナルとNHLポストシーズンの視聴者数は前シーズン比で100%以上増加
      • SVODの営業利益率が13%となり、53週目の影響を除けば、2026年度も2桁の利益率を達成する見込み
  • 質疑応答
    • パークのキャパシティ及びクルーズ船隊の拡大による将来の売上/利益向上について
      • 成長を推進する当社の能力を明確に示す第3四半期業績から始めるのが適切だろう
        • 売上は100億ドルで、昨年の第3四半期より10%増加
        • ディズニーランド・パリでは、「ワールド・オブ・フローズン」のオープンを行い、ゲストの皆様から大変好評をいただいている
        • 世界全体のゲスト数は4%増加し、国内パークの入場者数も3%増加
        • 国内パークの1人当たりの支出は4%増加
      • マクロ経済の不確実性がかなり高い時期にもかかわらず、このような成果を上げており、長年にわたって継続的に行ってきた投資と、ディズニーがファンに提供する体験が真に差別化され、高く評価されているという事実が相まって、皆様やより広範な投資家コミュニティは、今後数年間、特にグローバルな事業展開への投資を継続していく中で、我々が成長を続けるという確信を持つことができるだろう
      • 我々の設備投資はすべて非常に厳格な評価を経ており、明確かつ十分に定義された収益期待値によって裏付けられている
      • 長期的な売上や利益率の見通しは示していないが、2026会計年度の営業利益成長率は以前の1桁台後半の上限に近い見通し
    • パークの設備投資に対する投資資本利益率(ROIC)を考えるとき、初期の設備投資のROICは後の年よりも高いのか(ディズニーが支出を増やすにつれて収益は減少していくのか)
      • 我々は2つの要素に基づいてプロジェクトにゴーサインを出している
        • 1つ目は、プロジェクトに対する魅力的なリターン
        • 2つ目は、ゲスト体験に価値をもたらすこと
      • 投資資本に対するリターンは時間の経過とともに大幅に増加しており、今後も力強いリターンが見込まれ、プロジェクトのリターンが時間の経過とともに悪化するとは考えられない
    • 最近米国のパークでいくつかの新しい割引プログラムを導入したことについて
      • 当社は定期的にプロモーションを展開しているが、その真の目的は、特定の市場セグメントをターゲットにして付加価値を生み出し、最終的には当社の資産と利用可能なすべての能力を最大限に活用すること
      • 先ほど、第3四半期の世界のゲストが2025年第3四半期より4%増加し、国内のパークの入場者数が第3四半期に3%増加したと述べたが、この好調は主に当社の高度な商業ツールによって支えられており、これらのツールの中にはターゲットを絞った割引が含まれている
    • 燃料費の変動と中東紛争の不安定さは、ディズニーにどのような影響を与えているか
      • マクロ経済の影響を受けないわけではなく、特に燃料は明らかに経済全体に影響を与えている
        • 第3四半期には上海と香港のテーマパークでアジアの消費者の需要が低迷し、第4四半期もその傾向が続いている
      • だが当社はグローバルなポートフォリオを有しており、エクスペリエンス部門は、以前に提示した一桁台後半の成長ガイダンスの上限で営業利益の成長を達成すると予想している
      • アブダビの新しいパークは長期的な視点で計画され、当社は引き続きこのプロジェクトの背後にある戦略的根拠を信じており、このプロジェクトを最後までやり遂げることに全力を尽くす
      • クルーズラインでは、実施しているヘッジングプログラムと燃費向上イニシアチブを通じて、今年の原油価格の変動による影響はほとんど見られない
    • M&Aの戦略的優先事項と資本配分について
      • 当社は多額のフリーキャッシュフローを生み出しており、非常に健全なバランスシートを誇っている
      • 現金を積み増すことも、バランスシートの負債を大幅に削減することも、今のところ考えておらず、現在のレバレッジ水準には満足している
      • 当社の目標は、成長を促進すると同時に株主への資本還元を促進すること
      • 資本配分の優先順位を考える際、常に最優先事項は事業への再投資による成長促進であり、実際にそれを行っている
        • 2026年度の90億ドルの設備投資でExperiencesの成長を加速させており、その結果として第3四半期業績の様に成長が加速していることがお分かりいただけるだろう
      • 資本配分の側面における株主還元について考えると、2つの点を強調したい
        • 増配している半期配当
        • 当初は2026年度に約70億ドルを目標としていたが、現在は少なくとも90億ドルにまで引き上げた自社株買いプログラム
    • FoxによるRoku買収やComcastによるNBCUのスピンオフなど業界の変化について
      • それぞれの状況は関係する企業によって異なる
      • ディズニーとしては、独自の戦略で事業を展開しており、それがうまくいっていることに満足している
      • 変化の激しいメディア業界で競争に勝ち抜くためには、何をすべきかが明確であり、それは中核となる競争優位性に投資すること
      • コムキャストの再編やフォックスによるRokuの買収が、我々の戦略の方向性を変えるとは考えていない
      • ただ業界の統合が進むことは、より良い投資環境であり、当社には長年にわたるパートナーシップとストリーミングの実績があり、それをさらに発展させていくことができると確信している
      • もちろん、あらゆる機会を個別に検討し、顧客との関係構築という当社の戦略に合致するかどうかを常に評価する
    • Disney+とHuluの統合の技術的状況について
      • この四半期にHuluの加入者は、Disney+でプロフィールと視聴履歴をリンクできるようになり、よりパーソナライズされた統一されたエクスペリエンスも得られるようになった
      • 従来のスタンドアロンサービス間の技術スタックの統一や、これまで別々だったデータセットの統合についてはまだ作業が必要だが、今年の年末までに加入者はライブTVやアドオンに加え、新しい機能も利用できるようになるだろう
    • ストリーミング事業戦略について
      • ストリーミングが、かなり継続的で予測可能な成長と、我々が求めている高い増分マージンを備えた非常に魅力的なビジネスになり得るかどうかについてはあまり議論の余地はないはず。Netflixはそれが可能であることを示している
      • 質問の意図はストリーミング事業そのものというより、ディズニーが今後も規模を拡大し続けられるかどうかという点だろうが、私は間違いなくイエスだと確信している
      • 財務モデルに対する自信に加え、特にAIのような新たなテクノロジーサイクルが出現する中で、長期的な成長を確実にするためには(ディズニーが持つ)大規模なグローバルユーザー基盤が戦略的に不可欠であると強く信じている
    •  映画製作におけるAI活用について
      • ディズニー社内の創造性を解き放つため映画製作だけでなく、企業全体で戦略的にAIを活用しており、効率性を高め、スピードアップを図っている
      • 我々はコンテンツ制作におけるテクノロジーリーダーであり、これは100年以上前のウォルトの時代から続いている
      • 基本的に、私たちは長年の機械学習を基盤として、AIツールでイノベーションを起こしている
      • 我々は1世紀にわたる映画製作の歴史の中で、世界で最も豊富な知的財産と制作経験を培ってきており、これは競合他社に対して大きな優位性をもたらし、他社がすぐに模倣できるとは思えない
    • 今朝のニュースで報じられたTikTokに関する発表について
      • TikTokは、何百万ものクリエイターが新しいIPを発見し、新しいコンテンツを作成するために集まるプラットフォーム
      • ディズニーの熱狂的なファンの中には、独自のストーリーを創作し、新しいコンテンツを発見し、ブランドへの愛を共有している人もおり、ディズニー社として、ファンと共に活動し、ファンが私たちを見て、私たちと交流できるようにすることは重要と考えている
      • 同時にTikTokのコンテンツの一部をDisney+に移植できるようになる
      • Disney+の熱心なファンの方々は、今後より頻繁にコンテンツにアクセスできるようになり、Disney+での体験をより充実させ、アプリの利用頻度を高めることになる
      • ユーザーの滞在時間が長くなるため、当然ながら、より多くのコンテンツが発見され、ディズニー・カンパニーとの関わりも深まるなど、エコシステム全体にメリットをもたらす
      • これは当社にとって非常に重要なことであり、ストリーミングに関する長期戦略にも合致している

補足:ウォルト・ディズニーとTikTokは同日グローバルな短尺動画コンテンツ共有パートナーシップを発表している。主なポイントは以下の3点。

  • プログラムに参加(オプトイン)したTikTokクリエイターは、ディズニーが持つ膨大なライブラリから、数百もの映画やシリーズに関連する写真、映像、キャラクター素材を公式に使用して動画を制作・投稿できるようになる
  • クリエイターがTikTokに投稿した動画の中から「厳選された質の高いコンテンツ」が、定期的に入れ替えられながらDisney+の縦型動画フィード機能Verts内にも配信・掲載される
  • 両社は共同で「ディズニー・クリエイター・アンバサダー・プログラム(Disney Creator Ambassador Program)」を設立し、優れた実績を残したトップクリエイターに対しては、知名度を上げるための露出サポート、非公開の限定イベントへの招待、キャリア開発支援、特別な報酬(インセンティブ)が段階的に提供される仕組み

まず米国にて数ヶ月以内にテスト運用が開始され、その後グローバルな各市場へ順次拡大していく計画。


市場予測との比較

今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、

  • 2026年第3四半期の売上高(Revenues)は252億4800万ドル、市場予想の254億300万ドルを下回っている
  • 2026年第3四半期の特定項目を除く一株当たり利益(Diluted EPS excluding certain items)は2.06ドル、市場予想の1.86ドルを上回っている

となっている。


まとめ

上記の様な決算内容を受けてウォルト・ディズニーの株価は

3.65%の上昇。同日の米国市場が

SpaceXと半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の下落からハイテク銘柄中心の下げとなったが、ウォルト・ディズニー株の上昇はかなり大きい。

売上は市場予想を下回ったものの、EPSが市場予想を上回り、Sportsを除いて好調な各部門の業績が評価されたということなのだろうか(やや上がり過ぎの気もするが)。

決算後数日を含めた年初来のディズニー株の推移を市場(S&P 500)と比べると

前回決算以降は冒頭に書いた印象の通り低調な株価推移。そして今回決算で上昇しその後も特に大きな反落はしていない状況で、決算含めて8営業日中6営業日上昇となっている(市場もそこそこ上昇しているが)。

今後のディズニー株だが、今回決算での上昇とその後のまずまずの株価推移を考えると、決算前までの低迷は脱したかもしれない。ただ一方で下落傾向の時期が長く続いていただけに、決算から1週間以上経過してまずまず堅調な株価推移とはいえ、今後上昇傾向が続くかという点については今一つ確信が持てないのも事実。前者の考えが当たっていて、このまま株価上昇が続いてくれればいいのだがどうなるのだろうか。

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