デュポン(DD)2026年第2四半期決算(2026/8)

はじめに

2026年8月4日(火)には自分の所有銘柄であるデュポン・ドゥ・ヌムール(DD)の2026年第2四半期決算が発表された。

前回2026年5月の決算時には市場予想を上回る売上、EPSに加え、通期見通しを引き上げたことが評価され8.43%の大幅上昇。その際には

「今後のデュポン株だが、好調な決算結果と通期見通しの引き上げ、そして見通しに年末までの中東情勢の影響が含まれている(追加コスト9000万ドル)ことを考えると、堅調な株価推移が期待出来そうな気がする。懸念点としては見通し引き上げの前提となっているいくつかの事柄だが、それらが想定範囲内に収まって、悪くとも現在の株価水準から急落することが無い様に願いたい。」

と書いていた。

その後5月末には3株に付き1株への株式併合を発表しており、6月24日に予定通り株式併合が行われている。その際には

「現在の水準は5月5日の決算発表で8.43%の大幅上昇をした直前の水準となっており、自分の想定とは異なり堅調とは言えない株価推移となっている。何とかこれ以上の下落とは避けたいところだが、どうなるだろうか。」

とアップデートしていた。

今回の決算結果及びそれを受けてデュポン株はどうなったのか。以下決算内容と株価の動きを確認し整理しておく。


デュポン・ドゥ・ヌムール2026年第2四半期決算概要

以下の情報はデュポン・ドゥ・ヌムールの企業サイトより引用・抜粋。

  • 2026年第2四半期の総売上(Net Sales)は18億1900万ドル、前年同期は17億4900万ドルで前年同期比4%増
  • 2026年第2四半期のGAAPベース継続事業における希薄化後1株当たり利益(GAAP EPS from continuing operations)は1.37ドル、前年同期は0.17ドル
  • 2026年第2四半期のNon-GAAPベース調整後1株当たり利益(Adjusted EPS)は1.88ドル、前年同期は1.27ドルで前年同期比44%増

事業部別業績

【ヘルスケア&水処理技術(Healthcare & Water Technologies)】

  • Net sales(売上):8億5600万ドルで前年同期比5%増。事業の買収・売却や為替の影響を除いた既存事業売上高(Oragnic Sales)は4%増
  • 営業EBITDA:2億5800万ドルで前年同期比4%増
  • 営業EBITDAマージン:30.1%、前年同期は30.4%

【多角化産業(Diversified Industrials)】

  • Net sales(売上):9億6300万ドルで前年同期比3%増。事業の買収・売却や為替の影響を除いた既存事業売上高(Oragnic Sales)も3%増
  • 営業EBITDA:2億1300万ドルで前年同期比7%増
  • 営業EBITDAマージン:22.1%、前年同期は21.4%

2026年通期見通し

2026年通期及び2026年第下半期の見通しは以下の通り。

【2026年通期】

  • 総売上(Net Sales):71億6000万ドル~71億9000万ドル(前回の71億5500万ドル~72億1500万ドルから範囲を縮小)
  • 営業EBITDA(Operating EBITDA):17億5000万ドル~17億7000万ドル(前回の17億3000万ドル~17億6000万ドルから上方修正)
  • 調整後一株当たり利益(Adjusted EPS):7.17ドル~7.32ドル(前回の7.02ドル~7.16ドルから上方修正)

【2026年下半期】

  • 総売上(Net Sales):36億6000万ドル~36億9000万ドル
  • 営業EBITDA(Operating EBITDA):8億9000万ドル~9億1000万ドル
  • 調整後一株当たり利益(Adjusted EPS):3.65ドル~3.80ドル

その他

その決算発表資料及びアナリストとのカンファレンスコールで気になった点は以下の通り。

  • 第2四半期概要
    • 第2四半期は卓越性と生産性の向上に継続的に注力した結果、以前にお伝えしたガイダンスを再び上回るものとなった
      • 売上高が4%増加、利益率が80ベーシスポイント拡大、調整後EPSが2桁成長、フリーキャッシュフロー転換率が堅調に推移
    • この第2四半期の業績を受け、2026年度通期の売上高成長率、営業EBITDA、調整後EPSのガイダンスを再度上方修正する。フリーキャッシュフロー転換率は、目標の90%を上回る見込み
    • 第3四半期には2億5000万ドルの自社株買いを実施する予定であることも発表
    • 以前お知らせした当社の主要業績指標を同業他社の指標に合わせることを目的とした株式併合も完了
  • 7月31日より当社のGICSコード(Global Industry Classification Standard:世界産業分類基準)分類がIndustrialsセクターのCapital Goodsに変更された(以前はBasic MaterialsセクターのSpecialty Chemicals)
    • この新しい分類は、当社の工業ポートフォリオと、今後見込まれる長期的な価値創造の機会をより適切に反映している
  • 戦略的優先事項について

    • 目標は単純明快で、持続的な業績を実現するために必要な経営文化を強化し、成長、利益率の拡大、および長期にわたる株主価値を促進する再現可能な能力を構築すること
    • 重要なのは、イノベーション、商業的卓越性、業務的卓越性、そして80/20の法則が孤立した取り組みではないということで、最も価値の高い機会を優先し、より厳格に実行し、組織全体で効果的なものを拡張するのに役立つ単一のオペレーティングシステムを通じてますます結びついてる
    • まず多角化産業(Diversified Industrials)部門の4つの事業において、このアプローチを試験的に導入している
  • 第2四半期業績
    • 純売上高は18億ドルで前年同期比4%増、既存事業売上高成長率は4%
      • ヘルスケア、航空宇宙、工業用水、半導体市場の好調が継続し、住宅および非住宅エンドマーケットの好調により、ビルディングテクノロジー事業も前年比で成長
    • 営業EBITDAは4億4800万ドルで、既存事業売上高の成長と生産性の向上により、前年同期比で8%増加
    • その結果、当四半期の営業EBITDAマージンは24.6%となり、前年同期比で80ベーシスポイント上昇
      • これには、価格とコストの変動による30ベーシスポイントの逆風が含まれている
    • 調整後のフリーキャッシュフローは3億2600万ドル、コンバージョン率は127%
    • 調整後EPSは1.88ドルとなり、前年同期比21%増
  • 通期見通し
    • 主要エンドマーケットの大部分で引き続き好調なため、既存事業成長率は4%をわずかに上回ると想定
    • 売上高の中間値を71億7500万ドルに修正したのは、米ドル高が続くと予想され為替メリットが減少するため
    • 営業EBITDAマージンの中間値は24.5%で、石油・ガス価格の上昇による30ベーシスポイントの逆風が含まれている
  • 下半期見通し
    • 売上高は下半期の中間値で推定36億7500万ドル
      • ヘルスケア、工業用水、航空宇宙のエンドマーケットの継続的な好調と、既に実施済みの措置による価格により、前年比約6%の既存事業成長を想定
    • 営業EBITDAは9億ドルと予想
    • 石油・ガス価格の上昇による50ベーシスポイントの逆風を含め、営業EBITDAマージンは24.5%と想定
    • 中間値での調整後EPSは1株当たり3.73ドルと予想
  • 第3四半期見通し
    • 2026年第3四半期は、前年のQnity分離に先立つシステム切り替え活動により、売上に約3000万ドルのタイミングの恩恵を受けている
    • 2026年第3四半期の純売上高は18億3500万ドル
      • 前年同期のタイミングのずれを調整した場合、前年同期比で約5%の既存事業成長見込み
    • 営業EBITDAは4億4800万ドル
    • 営業EBITDAマージンは24.4%
      • 原油・ガス価格の高騰による50ベーシスポイントの逆風が含まれる
    • 調整後EPSは1株当たり1.80ドル~1.90ドルの範囲になると予想
    • 想定する第3四半期の業績には、既に実施済みの価格改定による第2四半期からの売上高5000万ドルの増加と、第2四半期と同水準の営業EBITDAが含まれる
  • 質疑応答
    • 戦略的優先事項のイノベーションに関する詳細
      • イノベーションに関してはvitality index(会社の総売上高のうち、新製品が占める割合)約35%という非常に強固な基盤をすでに有しており、今後もこれをさらに強化していく方針
      • その強固な基盤を維持すること、35%を構成する要素のうち、置き換えよりも成長に重点を置くようにシフトすることが我々の焦点
      • フロントエンドパイプラインの改善、新製品を市場に投入しフロントエンドパイプラインを生成するサイクルスピードの短縮といったメリットが見られる
      • イノベーションに関しての数値メリットはまだ正確には把握しないが、実際、ここまでの数字を見ると、既存事業成長、マージン拡大、EPS成長など、すべての指標が目標通りか上回っている
    • 石油・ガス価格高騰による逆風は、価格とコストのドルベースでの中立性(price cost dollar neutrality)を反映したものなのか
      • 価格とコストのドルベースでの中立性が反映されたもの
      • 前回の決算発表でも申し上げた通り、通年ベースでは約9000万ドルの追加コストが織り込まれており、その大部分は下半期に計上される予定で、それによってドルベースでの価格・コストの中立性が維持される
    • 中東における最新状況について
      • 中東における下半期の業績見通しは、依然として同じ水準
      • 下半期は上半期に比べて中東の業績が改善すると見込んでおり、これは主に既に受注済みのプロジェクトによるもの
      • これらのプロジェクトについては依然として見通しが立っており、当社の帳簿に計上されている(They’re still on our books)
      • これらの売上の大部分は、第3四半期ではなく第4四半期に計上されると引き続き予想
    • 80/20プログラムの見通しについて
      • 2026年に80/20の取り組みから期待している数百万ドルの初期効果は、実際には利益率の向上に重点が置かれるだろう
      • つまり、組織設計とオペレーションモデルを見直し、収益率の改善を推進し、リソースを80%に集中させ、20%から移行することで利益率の向上を図るということ
      • 成長に関しては、市場に関する専門知識の向上、商業的卓越性の強化、成長を促進するさらなる事業開発活動にもチャンスがあると見ており、これらは収益化に向けた取り組みよりも実現までに少し時間がかかる
      • 長期的には80%の事業に内在する価値創造の機会にリソースを集中させ、そこに注力することで、売上高にプラスの効果をもたらすだろう
    • 自社株買いと中規模M&Aの両方に対応できる体制を整えている点について
      • 引き続き良好なM&Aパイプラインを維持しており、資本配分についてもバランスの取れたアプローチをとっている
      • ご指摘のとおり、今四半期(第3四半期)中に実施する2億5000万ドルの自社株買いを発表する一方、M&Aを行うための資金もまだ十分に確保しており、M&Aに投入できる資金は10億ドルをはるかに超えている

市場予測との比較

今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、

  • 2026年第2四半期の総売上(Net Sales)は18億1900万ドル、市場予想の18億1300万ドルをやや上回っている
  • 2026年第2四半期のNon-GAAPベース調整後一株当たり利益(Adjusted EPS)は1.88ドル、市場予想の1.76ドルを上回っている

となっている。


まとめ

上記の様な決算を受けてデュポン・ドゥ・ヌムールの株価は

前日比1.17%の上昇。同日の米国市場が

中東情勢鎮静化への期待から大きく上昇しているのと比べると、デュポン株は上昇して終えたとはいえ、やや見劣りがする。日中の動きを詳しく見てみると

開場直後は8%近い下落で始まり、すぐに持ち直したものの1%以上の下落水準がほとんどの時間続いていた。それを考えると取引終了1時間前からやや上昇して最終的に前日比プラスとなったものの、今回のデュポン決算はあまり市場に評価されなかったようだ。

売上、EPSともに市場予想を上回り、通期見通しも引き上げたのだが、Healthcare & Water Technologies事業のマージン低下や中東情勢に起因するコスト高、為替の逆風への懸念が市場に重要視されたのかもしれない。

決算後数日を含めた年初来のデュポン株の推移を市場(S&P 500)と比べると

前四半期決算以降は上下動が激しく方向感が掴めない動きが続いており、今回決算では上昇したもののその後はやはり方向感に乏しい動きとなっている。

今後のデュポン株だが、決算内容自体は良かったものの、決算直後の上昇幅や決算後数日の株価の動きを見ると、中東情勢に起因するコスト高からここ数ヶ月続いている方向感に欠ける不安定な株価推移になりそうな気がしている。中東情勢が安定すれば株価も上向きになるかもしれないが、状況からしてそれに期待するのはやめておいた方がいいだろう。しばらく我慢の時が続きそうだ。

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