モンデリーズ(MDLZ)2026第2四半期決算(2026/7)

はじめに

2026年7月28日(火)の米国市場閉場後には自分の所有株の一つであるモンデリーズ・インターナショナル(MDLZ)の2026年第2四半期決算発表があった。

前回2026年第1四半期決算では市場予想を上回る売上、EPSに加え、中東情勢における追加コストについても管理下にあると発言したことが評価されたのが市場が下落する中4.26%の上昇。その際には

「今後のモンデリーズ株だが、今回決算を受けて上昇した株価はどうなるかは正直2営業日経過時点ではまだ判らない。ただ好調な決算内容、主力の米市場で下半期に段階的な改善が見込まれ、中東情勢に起因するコスト増も十分な備えがあるとしたことを考えると、まずまず堅調な株価が推移が期待出来そうな気がする。とはいえ中東情勢が市場全体に及ぼす影響次第では、モンデリーズが考えている前提自体が崩れる可能性もある点には注意が必要だろう。」

と書いていた。

その後は中東情勢の動きやインフレ懸念など不安定な状況もあり、6月上旬に年初来高値となって以降は、値動きが激しいが概ね下落傾向となっていた印象がある。

今回のモンデリーズ決算そして株価はどのような結果となったのか。以下に確認し整理しておく。


モンデリーズ2026年第2四半期決算概要

以下はモンデリーズ・インターナショナルの企業サイトより引用・抜粋。

  • 2026年第2四半期のレポートベース純売上高(Reported Net Revenues)は93億5500万ドルで前年同期比4.1%増

  • 2026年第2四半期の調整後希薄化1株当たり利益(Adjusted Diluted EPS)は0.73ドルで前年同期比ほぼ変わらず(恒常為替ベースでは2.7%減)

2026年通期見通し

2026年通期の見通しは以下の通り。

  • 既存事業純売上成長率(Organic Net Revenue growth):少なくとも2%(前回の0~2%から上方修正)
  • 調整後EPS成長率(恒常為替ベース):0~5%(前回と変わらず)
  • フリーキャッシュフロー:30億ドル(前回と変わらず)
  • 自社株買い:20億ドル(前回と変わらず)

その他

その他決算発表/アナリストとのカンファレンスコールで気になった点は以下の通り。決算発表説明は事前準備資料で行われ、カンファレンスコールでは質疑応答のみ。

  • 当社の第2四半期決算は、売上高の力強い拡大に加え、販売数量の増加、市場シェアの向上、そして収益性の改善が特徴となった
  • 新興国市場では引き続き好調な業績を維持し、北米事業においても力強い成長と優れた事業遂行力を発揮、欧州では市場シェアの動向に初期段階ながらも好ましい兆しが見えており、この進展をさらに発展させるための体制が整っていると考えている
  • 事業の勢いに手応えを感じており、今後長年にわたり持続的な業績を達成できるよう、卓越した事業遂行とブランドへの再投資に引き続き注力していく
  • 第2四半期業績
    • 売上高(トップライン)は2.2%増加
      • 実質的な数量・ミックス(underlying volume/mix)は0.7ポイントのプラスとなり、パッケージの小型化による影響を除くと約1.2ポイントのプラス
    • 当四半期の調整後EPS(1株当たり利益)は0.73ドル(為替変動の影響を除くと前年同期比2.7%減)だったが、堅調な売上総利益の伸びを背景に、ブランドへの再投資を2桁の伸び率で実施
  • 財務関連
    • 調な成長とキャッシュ・コンバージョン・サイクル(現金化サイクル)の良好な実績を背​​景に、上半期には約7億ドルのフリーキャッシュフローを創出
    • 6月末までに2億ドルの自己株式を取得し、さらに7月には3億ドルを追加取得したことで、年初来の取得総額は5億ドル
    • 四半期現金配当を1株当たり52セントへ4%引き上げることも発表
  • 通期見通し
    • 上半期の業績を踏まえ、売上高の成長見通しを「少なくとも2%増」へと引き上げ
    • EPSおよびフリー・キャッシュ・フローの見通しは据え置きくが、これは消費者や顧客のブランド・ロイヤルティ強化に向けた戦略的再投資を継続しつつ、中東情勢に関連するコスト増を相殺していく方針であるため
  • 2026年度の後半に向けても、実績のある「プレイブック(成功のための行動指針)」を着実に実行することに注力し続ける
    • 具体的には消費者への提案力の強化、新たな飲用・喫食機会の創出、販売チャネルおよび配荷網(数値的配荷)の拡大、そしてより大胆なイノベーションの推進を図るとともに、生産性向上やコスト削減に向けた戦略も継続して進めていく
  • 質疑応答
    • 好調な新興市場における下半期の見通しについて
      • 新興市場の消費者信頼感は、全体的に安定していてかなり良いと言える
      • インドは非常に好調、メキシコ、ブラジルの消費者は堅調で、中国はやや軟調ですが、全体的には徐々に改善していくと考えている
      • これを牽引している要因を考えると、流通網の拡大が間違いなくある
      • 新興市場は依然として市場浸透率が低く、消費者の消費量は日々増加しており、今後も成長の余地は大きいと言える
      • 当社は現在、数年にわたる持続的な再投資を行っており、グローバルブランドとローカルブランドの組み合わせは、この市場において当社にとってうまく機能しており、あらゆる価格帯に対応できている
      • これは非常に構造的な状況であり、景気循環的なものではないため、今後も新興市場で力強い成長が見込まれると考えている
    • 北米における状況について
      • 北米の消費者信頼感は底値から回復したと言えるだろうが、依然として非常に低調。インフレは依然として続いており、エネルギー価格も引き続き圧力をかけている
      • 購買力は向上しているが、消費者は依然として手頃な価格、経済見通し、雇用の安定性について非常に懸念している
      • 消費者は価格の低いバリューフォーマットやチャネルに向かう一方で、同時に健康に良いプレミアムオプションも好調で、K字型の成長が見られる
      • 当社は好調で純売上は力強く成長し、販売量構成もプラスだった。第1四半期と比較して前期比で加速しており、下半期もそれが続くと考えている
      • 我々は今後も再投資を続け、実際、下半期にはそれを加速させるため、この勢いは持続可能だと考えている
    • 売上高のガイダンスは引き上げたが、EPSは据え置いたことを踏まえての通期見通しについて
      • 売上高については好調
        • 新興市場では数量主導の力強い成長が続いており、この傾向は今後も続くと予想している
        • 北米では実行力が向上しており、消費が低迷しているにもかかわらず、北シェアと売上高の両方が引き続き成長すると予想している
        • ヨーロッパでは、数量の軌道が改善し、昨年の価格設定の一部が解消され始めていることから、改善の兆しが見られる
      • 売上高の成長はバランスが取れていると言え、残りの期間も同様のレベルの成長が見込まれる
      • EPSの観点からは見通しを維持
        • 上昇分はすべて再投資し、勢いのある分野に再投資するという方針は一貫している
        • 中東紛争による追加コストが発生しているが、これは管理し、消化されており、見通しに含まれている
      • 第3四半期と第4四半期のという観点からは、第4四半期が少し売上のラインの下方になると思うが、これは主にココア価格の影響によるもの
      • また第3四半期には利息や税金に関する特定の比較要因(前年同期との対比)がある
    • ヨーロッパにおける改善の兆しについて(猛暑も踏まえて)
      • ヨーロッパのチョコレート事業は販売量と構成比の両面で好調な推移を見せており、これはまさに今年後半に顕著に表れるだろう
      • 販売量は改善しており、特に前年同期比で価格が上昇し始めるにつれて、下半期もこの傾向が続くと見ている
      • 第2四半期は予想を下回ったが、率直に言って、これは主に猛暑の影響でチョコレートの消費が特に減少し、在庫を管理していたことが原因
      • ヨーロッパの下半期には楽観的で、売上高は大幅に改善すると思う
    • 最近のカカオ価格の変動について
      • 最近のカカオ価格の高騰にもかかわらず、市場は根本的に、2024年の危機を引き起こした状況とは全く異なる状況にあると思う
      • 現在のカカオ市場価格の反応は、主に以下の3つの要素によるものと見ている
        • カカオポッド(カカオの実)数が平均をやや下回っていること
          • 率直に言って、これは極めて豊作だったミッドクロップ(中間収穫期)の影響によるもの
        • ショートスクイーズが発生し、投機筋がポジションをカバーしたことで、再び価格が下支えられた
        • エルニーニョ現象の影響
      • しかし、ファンダメンタルズの観点から言えば、カカオの需給バランスにおける供給余剰が歴史的な高水準にあるという点を、我々は認識しておく必要があるだろう
      • 今年の供給過剰は少なくとも50万トンになると見込んでおり、これはカカオ総需要の10%に相当し、決して無視できない量
      • 業界の在庫カバー期間は10ヶ月分に達しており、わずか7ヶ月分にとどまった2024年の状況とは様相が大きく異なる
      • 初期の収穫量から判断すると、今年は豊作にはならないと思われるが、収穫量が回復して過去の水準に追いつく可能性はまだある
      • 投機筋のポジションについては、あくまで「いわゆる」という前提付きだが、20万トン未満の売り越し(ショート)となっており、市場はすでに一定の下落リスクを織り込んでいると言える
    • カカオ価格の2027年度への影響について
      • 単に2027年に向けてどの程度のリスクヘッジができているかといった議論に終始するつもりはない
      • 実のところ、以前にも何度か説明した通り、2027年の業績は堅調に推移すると見込んでいるし、率直に言って、少なくとも当社に関しては、2027年に向けて複数の施策を講じているためコモディティ価格の変動による業績への影響は抑えられている
      • 他社と比較しても、当社はボリューム・ミックス(販売数量と製品構成)の面でプラスの成果を上げ、差別化を図ることができると確信している
      • 2027年に向けたカカオ市場の不確実性を考慮に入れたとしても、カカオ事業の構造的な状況は2024年当時よりもはるかに良好だと考えている
      • 2027年に向けては非常に前向きな見通しを持っており、勢いを持って今年を終えることで、トップライン(売上高)とボトムライン(利益)の双方において、その好調な流れが2027年にも継続していくものと見ている
    • 2027年の見通しについて
      • 過去の決算で説明した以上のことを話すのは時期尚早
      • 売上は好調に推移し、商品価格の変動の影響をある程度受けない見込み
      • 新興市場では販売量構成がプラスで継続的な勢いを見せ、ヨーロッパの状況は安定し、北米では特に全面的にリニューアルする予定のオレオが北米の販売量構成に大きな影響を与えると考えている
      • これらの要素を総合的に考慮すると、2027年の業績は力強いものになると自信を持ってお伝えできる

市場予測との比較

今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、

  • 2026年第2四半期の純売上高(Reported Net Revenues)は93億5500ドル、市場予想の92億ドルを上回っている
  • 2026年第2四半期の調整後希薄化1株当たり利益(Adjusted Diluted EPS)は0.73ドル、市場予想の0.68ドルを上回っている

となっている。


まとめ

上記の様な決算内容を受けてモンデリーズ・インターナショナルの株価は

前日比4.02%の上昇。同日の米国市場が 

米国市場開場前にトランプ大統領がFOXニュースとのインタビューで「(イランを)激しく攻撃するつもりだ」などと発言したことで下落し、更にFOMC後のウォーシュ議長の会見が進むにつれて下げ幅を拡大していたのと比べると、モンデリーズ株の上昇幅はかなり大きい。インフレの懸念がある中で、市場予想を上回る売上、EPS、更に既存事業成長率も下限を引き上げたことが市場に評価されたのだろう。

決算後数日を含めた年初来のモンデリーズ株の推移を市場(S&P 500)と比べると

前四半期決算以降は冒頭に挙げていた印象とはやや異なり、横ばいが続いた後6月半ばに一瞬年初来高値を更新し、その後下落傾向となったものの7月中旬からはやや上昇傾向。そして迎えた今回決算でも上昇となって再び年初来高値を更新している。ただ決算翌日からは3営業日続落している(4営業日目は上昇)。

今後のモンデリーズ株だが、決算内容は市場予想を上回り上昇したが、その後3営業日続落して上昇分をほぼ帳消しにしていることが気にかかる。堅調な決算を受けて売上高の見通しは引き上げたが、EPSは据え置いたことが重しとなっているのかもしれない。決算後の下落が一過性のものなのか、それともこのまま下落の流れが続いてしまうのかに注意したい。決算内容からすると下半期もある程度堅調な業績が期待出来そうなため、このまま下落傾向が続くことは無いと信じたいのだが・・・。

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