はじめに
2025年7月11日(金)の米国株式市場は
トランプ政権の新たな相互関税内容まとめ(2025/7/12時点)
でまとめた、その週から始まった新たに8月1日から開始としている相互関税を各国に通知する動きを睨んで
と前日比やや下落の動き。そんな中で自分が所有しているクラフト・ハインツ(KHC)株は
市場の動きとは異なり前日比2.53%の上昇。調べてみると掲題の件が材料視された模様。
以下、クラフト・ハインツの分社化の動きについて確認しておく。
2025年7月11日のクラフト・ハインツの分社化に関する報道
以下は主にウォール・ストリート・ジャーナル誌が報じた内容(WSJが初報)より引用・抜粋。
- 事情に詳しい複数の関係者によると、同社は多くの「クラフト」ブランドを含む食品事業の大部分を新会社としてスピンオフ(分離・独立)することを検討中
- 新会社の時価総額は最大200億ドルに上る可能性がある
- 残るもう1社は「ハインツ」ブランドのケチャップや「グレープポン」ブランドのマスタードなど、ソースやスプレッドを手掛ける予定
- クラフト・ハインツは分割についてなお詳細を詰めている段階で、分割は数週間以内に発表される可能性もある
以下は報道を受けてのクラフト・ハインツ広報担当者のコメント。
- 5月に発表した通り、クラフト・ハインツは株主価値を引き出すための戦略的取引の可能性について検討している
まとめ
以上、クラフト・ハインツ分社化に関する報道をまとめた。正式な発表ではなく内部関係者の情報を元にしているため内容は割と薄かった。それでも日中のクラフト・ハインツ株の動きを見てみると
報道のあった現地時間13:30過ぎに急上昇していることから、この報道は割と市場に好感されたという事だろう。
クラフト・ハインツは著名な投資家であるウォーレン・バフェット氏(バークシャー・バークシャー・ハサウェイ)が所有及び2025年のクラフト社/ハインツ社の合併に関与していることでよく知られているのだが、その株価は
2017年の高値から約3分の1以下に落ち込んでおり、2019年にバフェット氏はCNBCのインタビューで「われわれはクラフトに払い過ぎた」、「クラフト・ハインツを巡り、いくつかの点で判断を誤った」と語っている。
上記チャートと市場(S&P 500)の推移を比べてみると
2017年からのクラフト・ハインツ株の低調ぶりがよく判る。
今回の報道は先述の通り内容も詳細ではなく、正式にどういう形での発表がなされるか(あるいはなされないか)も不明であるため過度な期待は禁物なのだが、過去5年以上停滞していたクラフト・ハインツ株のポジティブな契機となってくれることを願いたい。7月30日に予定されている2025年第2四半期決算発表の場で、何らかの言及があるのかにも注意が必要だろう。