オプジーボとヤーボイの肺癌への併用療法が承認(2020/5)

はじめに

先日のブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMY)の四半期決算発表まとめでも言及したが、掲題の通りオプジーボとヤーボイの肺癌への併用療法が承認されたのでその内容を整理しておく。


2020年5月15日のブリストルの発表

以下はブリストル・マイヤーズ スクイブの企業ページより引用・抜粋。

  • U.S. Food and Drug Administration Approves Opdivo® (nivolumab) + Yervoy® (ipilimumab) as First-Line Treatment of Patients with Metastatic Non-Small Cell Lung Cancer Whose Tumors Express PD-L1*≥1%
    米国食品医薬品局は、腫瘍がPD-L1≥1%を発現する転移性非小細胞肺癌患者の第一選択治療としてOpdivo®+Yervoy®を承認

*PD-L1:Programmed cell death ligand 1

この後、詳しい説明が続いているのだが自分には翻訳も内容も難しいので省略。上の英語も正しく翻訳できているかは甚だ怪しいので注意。

自分の中では、

  • 今回、病気の進行した段階の肺癌患者への治療オプションとして、オプジーボとヤーボイの併用療法がFDAに承認された
  • オプジーボとヤーボイの併用療法は既に非小細胞肺癌患者(NSCLC)の治療には承認されている

という2点が抑えられていれば良いだろう。


オプジーボと競合薬キイトルーダ

上で挙げている非小細胞肺癌(NSCLC)は肺癌症例の約85%を占め、現在メルクのキイトルーダが有利な市場になっている。

2019年のオプジーボ売上高は年間約72億ドルに対し、キイトルーダの売上高は年間約111億ドル(前年比55%増)。2020年第1四半期のオプジーボの売上高も前年同期と比べて2%減少しており、この減少傾向は続いている。


まとめ

この発表を受けてブリストルの株価がどうだったかというと、

0.50%上昇に留まっている。ダウ工業平均が0.25%、S&P 500が0.39%それぞれ上昇していることを考えるとほぼ変わらずと言ってもよい。

思ったよりも株価が上昇していない理由は定かではないが、少なくともFDAに承認されなかっった場合は大きく株価を下げていたことだろうから、それよりはマシだろう。

現時点ではオプジーボはブリストルで3番目に大きな収益源ではあるが、最近はキイトルーダに売上も勢いも逆転されてしまっているので、この承認が2020年下半期から業績・株価に好影響を与えてくれるといいのだが。

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