ケラノバ(K)2023年第4四半期決算発表(2024/2)

はじめに

2024年2月8日(木)には自分の所有しているケラノバ(K)の2023年第4四半期決算発表があった。

ケラノバは2023年10月にケロッグが北米シリアル事業のWKケロッグ(KLG)とそれ以外のケラノバ(K)に分割された企業で、分割後初めての決算は無難に乗り切ったものの

「今後のケラノバ株だが、決算は無難に乗り切ったもののその後2日の株価はパッとしておらずあまり上昇は見込めない気がする。カンファレンスコールでは販売量の回復も2024年となりそうであり、来年にケラノバ単体の決算結果や通年見通しが明らかになるまでは我慢の時が続きそうな気がする。」

と書いてあまり期待していなかったのだが今回の決算はどうなったのか。

以下ケラノバの決算内容及び株価について確認・整理しておく。


ケラノバ2023年第4四半期決算概要

以下の情報はケラノバの企業サイトより引用・抜粋。

  • 2023年第4四半期の総売上高(Reported Net Sales)は31億7400万ドル、前年同期は31億6400万ドルで前年同期比0.3%増加
  • 2023年第4四半期の一時項目を除く調整後1株あたり利益(Adjusted Diluted EPS)は0.78ドル(恒常為替ベースでは0.76ドル)、前年同期は0.64ドルで前年同期比21.9%増加(恒常為替ベースでは0.64ドルで18.8%増加)

2024年通期見通し

2024年通期見通しは以下の通り。分割前の2023年8月の投資家向けイベントの説明とほぼ変わらず(Net Salesが134~136億ドルの見通しだった)。

  • Net Sales(売上):既存事業ベースで2023年比+3%超
  • Operating Profit(営業利益、調整後ベース):18億5000万~19億ドル
  • Earnings Per Share(EPS、調整後ベース):3.55~3.65ドル
  • Free Cash Flow:~10億ドル

ただし上記には以下の事業/ポートフォリオ再編、ネットワーク最適化、所得税の影響は含まれていない。

ネットワーク最適化は北米の冷凍サプライチェーンネットワーク、欧州のシリアルサプライチェーンネットワークを再編するもの。

その他

その他決算発表及びアナリストとのカンファレンスコールで気になった点は以下の通り。

  • 2023年第4四半期中に製品価格は8.1%上昇、出荷量は1.2%減少
  • 2023年第4四半期は、純売上高、営業利益、EPSのいずれも11月に提供したガイダンス範囲を上回る結果を達成
  • 業界のマイナス傾向(コスト高騰、サプライチェーン問題)が弱まるまでには数四半期かかる可能性があるが、年が進むにつれて徐々に安定化し販売量が向上すると確信している
  • 2024年第4四半期の粗利益率は34%で、ケロッグ時代の利益率よりも高く引き続き当社の予想を上回る利益を上げ続けており、2024年も引き続き粗利益率が改善すると想定

市場予測との比較

今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、

  • 2023年第4四半期の総売上高(Reported Net Sales)は31億7400ドル、市場予想の30億8000万ドルを上回っている
  • 2023年第4四半期の一時項目を除く1株あたり利益(Adjusted Diluted EPS)は0.78ドル、市場予想の0.74ドルを上回っている

となっている。


まとめ

上記の様な決算内容を受けてのケラノバの株価は

前日比2.33%の上昇。同日の米国市場が

前日よりやや上昇だったのと比べるとケラノバの株価上昇はそれなりに高い。第4四半期決算が市場予想を上回ったことや、2023年8月の投資家向けイベント時の通期見通しが堅持されたことが市場に評価されたのだろう。

前回決算及び今回決算発表翌日を含めたケラノバの株価推移を見てみると

冒頭の想定とは異なり2023年は堅調な株価推移。1月に入ってから軟調な時期が続いたものの大崩れはせずに決算を迎えたが、決算翌日にはその上昇幅を打ち消す下落となっている(理由は不明だが、セクター全体が低調ではあった)。

今後のケラノバ株だが今回の決算自体は無難に乗り切ったが、まだ2023年のコスト高やサプライチェーンの混乱からの回復途上であり、大きな株価上昇は見込めないだろう。また、決算翌日のケラノバ株下落の原因を確認する際に同業他社の株価推移も確認してみたのだが、同じような株価推移をしており、業界全体の動きで株価が左右される傾向にもあるようだ。あまり期待はせずに、下半期の本格回復を期待することにしよう。

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