はじめに
2024年2月1日(木)には自分が所有しているアルトリア・グループ(MO)の2023年第4四半期決算発表があった。
前回2023年第3四半期決算では、市場予想を下回る決算結果に加え通期見通しを下方修正したこともあって8%を超える大幅下落となり、
「今後のアルトリア株だが、決算を受けての大幅下落を考えるとしばらくはまだ低迷が続くのだろう。」
と、その後の株価上昇に期待していなかったが実際の決算結果及び株価はどうだったのか。以下に決算内容を確認し情報を整理しておく。
アルトリア・グループ2023年第4四半期決算概要
以下の内容はアルトリア・グループの企業サイトより引用・抜粋。
- 2023年第4四半期の売上高(Net Revenues)は59億7500万ドル、前年同期比2.2%減
- 2023年第4四半期の物品税控除後の売上高(Revenues net of excise taxes)は50億2400万ドル、前年同期比1.2%減
- 2023年第4四半期の1株当たりの調整後利益(Adjusted diluted EPS)は1.18ドル、前年同期と変わらず
- 2023年第4四半期のタバコ製品の出荷量は前年同期比7.5%の減少
- 2023年第4四半期の売上高(Net Revenues)に占める割合
- タバコ製品(紙巻きタバコ、葉巻):88.27%
- オーラルタバコ製品(電子タバコ、経口タバコなど):11.28%
- その他:0.45%
- 2023年第4四半期の事業会社損益(Operating Companies Income(Loss))に占める割合
- タバコ製品(紙巻きタバコ、葉巻):88.02%
- オーラルタバコ製品(電子タバコ、嗅ぎタバコなど):13.93%
- その他:‐1.95%
2024年通期見通し
2024年通期の見通しは以下の通り。
- 2024年通期の調整済み希薄化後EPS見通し:5.00~5.15ドル
- 2023年実績(4.95ドル)比成長率:1%~4%の成長率
その他
その他決算発表及びアナリストとのカンファレンスコールで気になった点は以下の通り。
- 2023年第4四半期に2億6900万ドルの自社株買いを実施。これで2023年末までの自社株買戻し枠10億ドルが完了
- 新たに2024年末までに10億ドルの自社株買い戻しプログラムが承認
- 紙巻きタバコの販売量は昨年推定8%減少。これは主に以下の要因によるもの
- 歴史的な長期減少率
- 違法なe-vaporの増加
- 喫煙者に対するマクロ経済的圧力の継続
- 当社は業界のニコチン換算総量は、違法フレーバー付き使い捨てe-vapor製品の増加により、年間約3%、過去5年間複利ベースで約1%増加したと推定しており、これは過去数年間のニコチン総量の減少が1桁台前半であるという以前の推定値から変更
- 2023年に買収した電子タバコNJOYの出荷量は、前四半期の750万ポッドから1110万ポッドに増加
- 違法フレーバー付き使い捨てe-vapor製品については引き続き関係当局と連携しながら対処
- 例:昨年12月にFDA(米食品医薬品局)が約140万個の無許可e-vapor製品を押収
- 引き続き2025年上半期に加熱式タバコ製品PloomのPMTA(Premarket Tobacco Application:市販前タバコ製品申請)を目指す
- 2月後半のCAGNYで非ニコチン及び国際ニコチン市場の開拓について説明予定
市場予測との比較
今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、
- 2023年第4四半期の物品税控除後の売上高(Revenues net of excise taxes)は50億2400万ドル、市場予想の50億6000万ドルをやや下回っている
- 2023年第4四半期の1株当たりの調整後利益(Adjusted diluted EPS)は1.18ドル、市場予想の1.17ドルをやや上回っている
- 2024年通期の調整済み希薄化後EPS見通しは5.00~5.15ドル、市場予想は0.58ドル
となっている。
まとめ
上記の様な決算発表を受けてアルトリア・グループの株価は
前日比5.55%の上昇。同日の米国市場も
まずまずの上昇率だったが、アルトリア株の上昇はそれと比べてもかなり大きくなっている。
売上は市場予想を下回ったものの、タバコ製品の出荷量減少が続く中で1株当たりの調整後利益が僅かながら市場予想を上回り、加えて2024年に10億ドルの自社株買い戻しを発表したことが市場に評価された様だ。
前回四半期から今回決算翌日を含めたアルトリア株の推移を見てみると
上下動はそこそこあるものの方向感に乏しく、結局のところ前四半期後の決算後の株価とほぼ変わらず。また今回の決算を受けて上昇したものの、その翌日は市場が上昇しているにもかかわらずアルトリア株は下落していることを考えると、今後の株価にはそれ程の期待は持てそうにない。2月に開催されるCAGNYで何らかのポジティブな動きがあるといいのだが。