2023年12月発表の米消費者物価指数と市場(2023/12)

はじめに

米国時間2023年12月12日(火)に2023年11月の米消費者物価指数(CPI:Consumer Price Index)が米労働統計局から発表された。

前回11月発表のCPIは市場の予想を下回る数値で、株式市場はそれを景気として上昇傾向となっている。そんな流れを受けて今回のCPI結果、そしてそれを受けて市場はどう動いたのか。以下に確認して整理しておく。


2023年12月12日米労働省労働統計局(U.S. Bureau of Labor Statistics)発表の2023年11月消費者物価指数(CPI)

以下の情報は米労働省労働統計局の発表資料より引用・抜粋。

  • 2023年11月の前月比消費者物価指数(季節要因調整済)は0.1%の上昇、市場予想は横ばい

  • 2023年11月の前年比消費者物価指数(季節要因調整済)は全品目では3.1%上昇、市場予想も3.1%の上昇。変動の大きい食品及びエネルギーを除いたいわゆるコアCPIは前年比4.0%上昇、市場予想も4.0%の上昇

  • 家庭用食品(Food at home)は前年比1.7%上昇。2023年10月は前年比2.1%上昇
  • 電気代(Electricity)は前年比3.4%上昇。2023年10月は前年比2.4%上昇
  • 住居費(Shelter、主に家賃。サービス分野で最大の構成要素でCPI全体の約3分の1を占める)は前年比6.5%上昇。2023年10月は6.7%上昇

変動の大きい食品及びエネルギーを除いたいわゆるコアCPIは前月比0.3%の上昇で市場予想も0.3%の上昇となっている。


同日の市場の動き

米国市場

開場後いずれもややマイナスで始まったものの時間の経過と共に上昇。ただし上げ幅はそれ程ではなく取引を終えている。

CPIの結果がほぼ市場予想と同じであったことの安心感から市場は上昇したが、翌日のFOMCを控えているため上値は限定的だったのだろう。

米国10年債

米10年債の利回りは概ね時間の経過と共に低下。一見変動が大きい様に見えるのだが、縦軸の目盛り/スケールは小さく変動幅は小さい(前回のCPIでは0.2以上低下しているのに対して、今回は0.04程度)。株式市場と同様翌日のFOMCを控えて様子見模様が強かったのだろう。

ドル円為替

CPIの発表があった米ET8:30は上記ドル円チャートのBST1:30。そのタイミングでややドル高に振れたものの、やはり変動幅は株式市場や10年債と同様限定的で様子見感が強いことが伺える。


まとめ

今回のCPI結果は市場の予想とほぼ同じだったこともあり、前回のCPIを受けての流れを覆すようなことは無く、本日13日(水)のFOMC結果及びパウエル議長の会見を控えていることもあってか株式市場、債券市場、ドル円為替のいずれも大幅な変動はなかった。

それでも昨日の米国株式市場は11月のCPI結果を受けての好調を維持していずれも年初来最高値を更新しているのだが、FOMCを無難に乗り切ってその流れを維持してもらいたいところ。

事前の市場予想では利上げはなく、どちらかというと3月あるいは5月の利下げの確率、そしてFRB/パウエル議長の政策金利に関するメッセージにに焦点が当てられているようで、その内容次第では大きく市場が変動することもあり得るのだろう。

実際のFOMC/パウエル議長の会見がどうなるか、そして市場がどう動くかに要注目ということになる。何とかFOMC後も平穏な気持ちでその結果をまとめることが出来るといいのだが。

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