2021年3月のOPECプラス会合とエクソン株(2021/3)

はじめに

2021年3月に入ってから

エクソン(XOM)が著名アクティビストを取締役に(2021/3)

エクソン2021 INVESTOR DAYまとめ(2021/3)

と既にエクソン・モービル株に関連するまとめを2回しているのだが、今回はそこでも触れた掲題の2021年3月のOPECプラス結果について整理しておくことにする。

エクソン株にはこれまで約9万ドル投資してきており、2020年には一時取得価額の@76.77ドルの半値以下になったことや2021年3月5日終値の時点でも取得価額比マイナス20%となっているので、どうしても気になってしまう。


2021年3月OPECプラス会合まとめ

以下は各種報道(主にロイター、ブルームバーク)より引用。

  • OPECプラスはロシアとカザフスタンに若干の増産を認めながら、協調減産を4月まで1ヶ月延長することで合意
  • 原油価格はこのところ上昇しているものの、新型コロナウイルス感染拡大を受けた需要減からの回復はまだ脆弱と判断
  • 2021年3月のは3日量705万バレルの減産体制
  • サウジアラビアは日量100万バレルの自主減産を4月まで1ヶ月延長すると表明。これはOPECプラスの合意とは別枠
  • ロシアとカザフスタンにはそれぞれ日量13万バレル、2万バレルの減産縮小を季節要因を理由に認める
  • 2月にロシアはOPECプラスによって許可されたにもかかわらず、悪天候により生産量を増やせなかった
  • 事前には4月の減産幅を50万バレル縮小するとの観測があった

以下はサウジのAbdulazizエネルギー相(Princeでもある)、ロシアのAlexander Novak副首相のコメント。この2人が現在のOPECプラスのキーマン。

【Abdulaziz bin Salman氏】

  • “Everybody is going to maintain the freeze”
    「誰もが(減産幅縮小の)凍結を維持しようとしている」
  • サウジアラビアは「私たちの都合の良いときに(at our time, at our convenience)」100万バレル/日の自主的削減を段階的に廃止する時期を今後数ヶ月以内に決定する
  • “We are not in a hurry to bring it forward”
    「我々は(日量100万バレルの自主的減産の終了を)急いではいない」

【Alexander Novak氏】

  • モスクワは国内の需要回復に対応するため追加のバレルが必要
  • OPECプラスは市場の過熱を避けるため慎重に踏み出さなければならない

2月の原油価格上昇を受けて事前には減産幅を縮小との報道もあったが、ロシアとカザフスタンの例外を除いてほぼ現状維持(両国を併せても事前の減産幅縮小よりも少ない)。またサウジアラビアの自主的削減は今後もしばらく続きそうでもある。


まとめ

上記のような2021年3月のOPECプラス会合を踏まえて、過去3ヶ月の原油価格(ニューヨーク原油先物)を見てみると以下の様になる。

2021年1月5日にOPECプラス会合ではサウジアラビアの自主的削減が発表され、2月の会合では減産幅据え置きと株式市場が堅調だったことから原油価格は年初から概ね上昇を続けていたのだが、今回のOPECプラス会合を受けて更に一段高となった。

これにエクソン・モービル株の動きを重ねてみると以下の様になる。

日々のエクソン株の動きは必ずしも原油価格と連動している訳ではないが、やはりこの3ヶ月という期間で見ると概ね原油価格の上昇にエクソンの株価も沿った動きをしていると言えるだろう。

過去3ヶ月のデータを見ると、ではエクソン株を見るうえでは原油価格だけ気にしておけば良いのか、と思わなくもないが過去5年のデータでは、

と必ずしも明確な連動性が見られる訳ではないので、エクソン株に投資をしている身としては横着せずに原油価格以外の企業情報も確認しておくべきだろう。

それにしてもこうしてみると過去5年のエクソン株のパフォーマンスは今一つ。この辺りがここ最近ヘッジファンド/投資家グループから色々と要求されている原因の一つでもあるのだろう。

エクソン株が自分の取得価額を上回る日は来るのだろうか。

【2019年9月25日の最後のエクソン株購入直後】

【2020年3月24日のCOVID-19後市場が底にあった時】

【2020年10月28日に再びCOVID-19後の株価に近付く】

【2021年3月5日米国市場閉場後】

こうして自分が最後にエクソン株を購入してからのエクソンの株価をポイントでピックアップしてみるとガッカリする。しかも最後に買い足しをしてから取得価額比プラスになった事はない。やれやれ。

とはいえ株価は取得価額比マイナスだが、四半期配当はこの期間ずっと一株当たり@0.87ドルを維持してくれているので良しとすべきだろう。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメントの入力は終了しました。