デュポンの暫定決算発表と株価急落(2024/1)

はじめに

昨日2024年1月24日(水)は自分の所有銘柄であるデュポン・ドゥ・ヌムール(DD)が掲題の通り2023年第4四半期の暫定決算を急に発表し、その結果

14%を超える急落となっていた。

デュポンは正式な決算を2月に控えているのだが、今回の暫定決算内容を本決算前に確認し整理しておくことにする。


2024年1月24日のデュポン暫定2023年第4四半期決算内容

以下はデュポンの企業サイトより引用・抜粋。本決算は2024年2月6日に発表予定。

【会長兼最高経営責任者Ed Breen氏のコメント】

  • 2023年を終えて、当社のIndustrial事業内でさらなるチャネル在庫の在庫削減が見られたほか、中国での需要の低迷が続いています。当社では同様の傾向が続いており、これらの要因により、2024年第1四半期の連続売上高と利益は減少すると予想しています
  • 当社は昨年11月に発表したリストラ策の実行に迅速に取り組み、第1四半期後半には関連コストの削減が実現し始める予定です
  • 2024年通年の財務実績に関する当社の現在の予想には、売上高の連続的な改善と、第2 四半期の営業EBITDAが第1四半期から約10%増加することが含まれており、下半期には前年同期と同様の売上と利益の伸びが戻ります
  • 2月6日に開催される第4四半期決算発表及びカンファレンスコールにおいて、第4四半期と2023年通期の詳細、および2024年の見通しについて詳しく説明する予定です

【その他】

  • デュポンの第4四半期および2023年12月31日終了年度の決算手続きはまだ完了していません。最終結果が暫定結果と異なる可能性があり、現在から結果が確定するまでの間に当社の第1四半期の見通しが上記の当初見通しから変更される可能性があります
  • 2023年第4四半期にWater & Protection部門において現金支出を伴わないのれん代減損損失7億5000万ドルから8億5000万ドルを計上する予定です

市場予測との比較

今回の主な暫定決算内容と市場予想とを比べてみると、

  • 2023年第4四半期の暫定総売上(Net Sales)は~29億ドル、市場予想は30億ドル
  • 2023年第4四半期の暫定Non-GAAPベース調整後一株当たり利益(Adjusted EPS)は0.85~0.87ドル、市場予想は0.85ドル
  • 2024年第1四半期の暫定総売上(Net Sales)は約28億ドル、市場予想は30億4000万ドル
  • 2024年第1四半期の暫定Non-GAAPベース調整後一株当たり利益(Adjusted EPS)は0.63~0.65ドル、市場予想は0.88ドル

となっている。


まとめ

今回の暫定決算発表を受けてなぜこれ程デュポン株が大きく下落したかを考えると、2023年第4四半期の決算内容というよりは、2024年第1四半期の見通しが低調であることが主な原因だったようだ。

2024年第1四半期の暫定総売上及び調整後一株当たり利益が市場予想を下回っており、特に暫定の調整後一株当たり利益は市場予想を大きく下回っている。その要因として中国での需要低迷や在庫調整を挙げているが、これは前回の2023年第3四半期決算でも言及されていた悪材料であり、その改善が見られないことが市場により一層嫌忌されたのだろう。

実際の2月6日の本決算発表で最終的な結果がはっきりするが、大きく内容が変わることはないだろう(特に良い方に)。そして中国の需要低迷や在庫調整が課題として続いていることを考えるとデュポン株の今後にはしばらく期待は持てなさそうだ。

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