はじめに
2023年10月30日(月)には自分が所有しているマクドナルド(MCD)の2023年第3四半期決算発表があった。
「今後のマクドナルド株だが、決算後は市場全体が低迷したのと同様にマクドナルドも下落傾向となっているため判断が難しい。決算内容からすると売り上げは引き続き堅調を維持してくれそうだが、高インフレによるマージンへの影響がどの程度になるのかが懸念される。」
と書いていたのだが、今回の2023年第3四半期決算はどうだったか。以下にその結果・内容を整理しておく。
マクドナルド2023年第3四半期決算概要
以下の情報はマクドナルドの企業サイトより引用・抜粋。
- 2023年第3四半期の総売上高(Total Revenues)は66億9220万ドルで、前年同期比17%増加
- 2023年第3四半期の純利益(Net Income)は23億1710万ドルで、前年同期比17%増加
- 2023年第3四半期のTotal operating costs and expenses(総営業コスト及び経費)は34億8390万ドルで、前年同期比12%増加
- 2023年第3四半期のGAAPベース希薄化後1株当たり利益(Earnings per share-Diluted)は3.17ドルで前年同期比18%増加(恒常為替ベースでは15%増加)。Non-GAAPベースでは3.19ドルで、前年同期比19%増加(恒常為替ベースでは16%増加)
既存店売上
2023年第3四半期の既存店売上は以下の通り。
今四半期の米国既存店売上は前年比8.1%増。世界全体では8.8%増。
2023年通期見通し
2023年通期の見通しは以下の通り。
- 営業利益率(Operating margin):約46%、リストラ費用を除くと47%(前回は約45%、リストラ費用を除くと46%)
- 資本的支出(Capital Expenditure):22~24億ドル(前回から変わらず)
その他
その他決算及びカンファレンスコールで気になった点は以下の通り。
- 予想通り今四半期も厳しいマクロダイナミクスが続き、個人消費は依然として圧力を受けている
- 営業利益率は継続的なコスト上昇により引き続き圧迫されており、こうしたマクロ的な逆風は第4四半期も続くと予想している
- インフレ水準が低下し続ければ価格もそれに合わせて低下するため、売上高は緩やかになるだろう
- 我々は値上げをどのように実行するかについて選択し、規律を持って行動しようと努めており、今後も価格に見合った価値を追求していく。その方法は市場によって異なるため、どのようにアプローチするかについて一般化して述べることはしない
- 売上高の堅調な成長が牽引し、年初から現在までの調整後営業利益率は47.5%で、通期では約47%になると予想している
- 10月初旬に取締役会で承認された増配は2年連続の年間10%増額となり、47回連続の増配となる
- 12月6日(水)の投資家向けアップデートで長期的な成長に対する当社の取り組みに関する詳しい情報を提供する予定
市場予測との比較
今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、
- 2023年第3四半期の総売上高(Total Revenues)は66億9220万ドル、市場予想の65億7400万ドルを上回っている
- 2023年第3四半期のNon-GAAPベース希薄化後1株当たり利益(Earnings per share-Diluted)は3.19ドル、市場予想の3.00ドルを上回っている
- 2023年第3四半期の世界の既存店売上高は8.8%増、市場予想の7.36%増を上回っている
となっている。
まとめ
上記の様な決算内容を受けてマクドナルドの株価は
前日比1.72%の上昇。同日の米国市場が
前週の下落傾向からの反発もあってかいずれも1%を超える上昇だったのと比べても、まずまずの上昇率。マクロ経済が不安定な中、市場予想を上回る決算内容が評価されたのだろう。
過去3ヶ月のマクドナルド株の推移を見てみると
9月下旬から10月半ばに市場より低いパフォーマンスだったのが響いて、市場の9.1%下落に対して11.5%の下落とやや見劣りがする。
年初来の株価推移を見てみると
5月までは市場と同程度に推移していたものの、6月以降の低調ぶりが目立っている。
今後のマクドナルド株だが、決算内容は悪くなかったものの最近の市場低迷や経済への懸念を払しょくする程ではない気がするので、市場が低迷している限りはそれに引きずられる動きが続く気がする。まあ10%を超える増配をしてくれたことを有難いと思って、しばらくは我慢することにしよう。