はじめに
2022年7月26日には自分の所有銘柄であるゼネラル・エレクトリック(GE)の2022年第2四半期決算発表があった。
GE株は前回の決算発表で10%超のマイナスとなり、それ以降もサプライチェーンの問題やインフレなども相まって冴えないパフォーマンスが続いているのは気が付いていた。
そんな状況の中今回の決算はどうだったのか。以下に決算の内容を確認し、GEの業績・株価を整理しておくことにする。
2022年第2四半期決算概要
以下の内容は、ゼネラル・エレクトリックの企業サイトより引用・抜粋。
- 2022年第2四半期の総売上高(Total Revenues)は186億4600万ドル、前年同期は182億5300万ドルで前年同期比2%の増加
- 2022年第2四半期の調整後一株あたり利益(Adjusted EPS)は0.78ドル、前年同期は0.22ドル
- 2022年第2四半期のフリーキャッシュフロー(純現金収支・Free Cash Flow)は1億6200万ドル、前年同期は1億9900万ドルで前年同期比19%の減少
事業部別業績
2022年7月18日にAviation(航空機事業)部門をAerospace(航空)部門へ変更する事を発表している。事業内容については特に変更はない模様。
【Aerospace(航空)】
受注は69億1800万ドルで前年同期比26%増加、売上は61億2700万ドルで前年同期比27%増加、収益は11億4800万ドルで前年同期は1億7600万ドル、マージンは18.7%で前年同期は3.6%
【Healthcare(ヘルスケア事業)】
受注は48億700万ドルで前年同期比1%減少、売上は45億1900万ドルで前年同期比1%増加、収益は6億5100万ドルで前年同期比19%減少、マージンは14.4%で前年同期比3.6%減少
【Renewable Energy(再生可能エネルギー事業)】
受注は31億900万ドルで前年同期比3%減少、売上は30億9900万ドルで前年同期比23%減少、収益は4億1900万ドルの損失で前年同期は9900万ドルの損失、マージンはマイナス13.5%で前年同期はマイナス2.4%
【Power(電力事業)】
受注は40億4700万ドルで前年同期比16%減少、売上は42億200万ドルで前年同期比2%減少、収益は3200万ドルで前年同期比7%増加、マージンは7.6%で前年同期は7.0%
2022年通期見通し
2022年の通期見通しは以下の通りでプレゼンテーションスライドの提供は無し。
簡単にまとめると
- 通期業績はフリーキャッシュフローを除いて予想の下限
- フリーキャッシュフローはサプライチェーンや再生可能エネルギー事業の要因から見通しを10億ドル引き下げ
という事になる。参考として前四半期の通期見通しスライドも掲載しておく。
市場予測との比較
今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、
- 2022年第2四半期の総売上高(Total Revenues)は186億4600万ドル、市場予想の180億ドルを上回っている
- 2022年第2四半期の調整後一株あたり利益(Adjusted EPS)は0.78ドル、市場予想の0.38ドルを上回っている
となっている。
まとめ
上記の様な決算結果を受けてGEの株価は
4.61%の上昇。同日の米国市場が
いずれもそれなりに下落している事を考えると、GEの決算結果はかなり市場に評価されたようだ。今回決算からAviation⇒Aerospaceと名称が変わった航空部門が予想外に売上、利益共に好調だったため、EPSも市場平均を大幅に上回った事が原因だろう。
一方でフリーキャッシュフローの通期見通しを10億ドル引き下げているのが気に掛かるが、アナリストとのカンファレンスコールでは10億ドルの内3分の2が(売掛金の)タイミング(it’s really two-thirds that is timing)であるとし、色々説明していたが
- So, overall, we still expect a significant improvement on profit, as well as free cash flow for 2023.
したがって全体として2023年の利益及びフリーキャッシュフローの大幅な改善を見込んでいます
とまとめていたこともあってかあまり問題視はされなかったのかもしれない。
年初来のGE株を市場(S&P 500)と比べてみると
冒頭に書いた印象の通り第1四半期以降は市場に比べて低調なパフォーマンスが続いていたのだが、直近ではなぜか上昇を続けており(8営業日連続上昇)昨日の決算を受けてまた一段上昇している。決算を受けてアナリストのアップデートもあるだろうが、この直近の上昇傾向が続くのかどうか注意しておきたい。何とか上昇基調が続いてくれるといいのだがなあ。