2022年7月のOPECプラス会合結果(2022/7)

はじめに

2022年6月30日には8月の生産量を決定するOPECプラスの閣僚級会合が行われた。

OPECプラスは既に6月2日の閣僚級会合で、7月と8月の増産枠をそれぞれ日量64万8000バレルに引き上げることで合意しているが実際の会合結果はどうだったのか。

以下内容を確認し整理しておく。


2022年6月30日のOPECプラス会合まとめ

以下は主にロイター、ブルームバーグ、ウォール・ストリート・ジャーナルの報道より引用・抜粋。

【会合前】

  • 関係筋によると大きな政策変更が行われる可能性は低い
  • OPECプラス関係者によると、今回の会合は8月の生産方針の確認に重点が置かれ9月の方針については議論されない
  • 8月以降の生産に関する問題が浮上する可能性はあるが、どのような措置が講じられるかは不明
  • 関係者によると29日のOPEC閣僚のみが参加する会合では行政上の問題が議論され、大きな決定がないまま終了

【会合結果】

  • OPECプラスは30日の閣僚級会合で8月の増産枠を日量64万8000バレルに維持することで合意
  • 9月以降の方針を巡る討議は先送り
  • OPECプラスの次回会合は8月3日予定

【その他】

  • ここ数ヶ月のOPECプラスの供給量は表明された計画を大きく下回り、原油相場の抑制にはほとんど寄与していない
  • 市場ではサウジやアラブ首長国連邦(UAE)が残る余剰生産能力をどれだけ活用するのかに関心が強まっており、バイデン米大統領が7月に予定するサウジ訪問がそれを左右する可能性がある

まとめ

2022年7月のOPECプラス会合(実際には6月末だが)は事前に報道されていた通りの結果となった。

それでもOPECプラス会合を受けてニューヨーク原油先物はそれなりに下落。

ただ翌日には反発してOPECプラス会合結果発表前に近い水準にまで値を戻しているので、今回のOPECプラス会合結果が原油先物価格に及ぼした影響はさほど無かったようにも思える。

直近1ヶ月では

6月6日の終値ベースでの1バレル=122.11ドルからは下落傾向にも見えるが、年初来で見れば

依然高い水準であることには変わりなく、最近の米国のインフレ関連の目安である米個人消費支出(PCE:Personal Consumption Expenditure)及び米消費者物価指数(CPI:Consumer Price Index)でも石油/エネルギーのインフレ振りが目立っている。先にも挙げた様にOPECプラスの供給量は表明された計画を下回っているのが実状なので、今後のOPECプラス会合には引き続き注意が必要だろう。

最後に自分が所有しているエクソン・モービル(XOM)株と市場(S&P 500)、ニューヨーク原油先物の過去1ヶ月の推移を見てみると

多少ブレはあるものの引き続きニューヨーク原油先物とほぼ同じ様な動き。年初来では

40%上昇と市場に比べて高パフォーマンスではあるが、6月上旬からはやや下落し後半は方向感が今一つ掴めないのが気に掛かる。エクソンは7月29日に2022年第2四半期の決算発表が予定されているので、そこでの発表で今後の株価にある程度の方向感が見られることを期待したい。

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