2022年2月18日のGEの投資家向けアップデートまとめ

はじめに

ここ最近はウクライナ情勢の動向によって市場が左右される日々が続いており、昨日の米国市場は

いずれも下落基調だったのだが、自分の所有銘柄であるゼネラル・エレクトリック(GE)株は

市場を大幅に上回る5.86%の下落となっていた。

1日のGE株を見てみたところ

現地時間の10時過ぎから急落していることが判る。こういったケースは何らかのニュースが影響していることが多いので調べてみたところ掲題の件が影響していたようだ。

以下その内容について確認しておく。


2022年2月18日のGEのSEC(米証券取引委員会)への提出資料

以下はGEが2022年2月18日にSECへ提出したForm 8-K Current Reportより引用・抜粋。同じ内容はGE企業ページのRecent business highlights and commentaryにもInvestorへのアップデートとして掲載されている。

【各部門のアップデート】

  • Aviation部門:
    • GE9Xエンジンのカタール航空とGE9XおよびGE90-115Bエンジンとサービス契約を含め68億ドル以上の新規契約
    • ボーイングと提携しGEのハイブリッド電気推進システムの飛行試験をサポート
  • Healthcare部門:
    • 英国最大の独立系ヘルスケアプロバイダーであるCircle Health Groupと、インテリジェントデバイス、データ分析、アプリケーションおよびサービスを、50を超える病院の国内ネットワークに提供するための10年間パートナーシップ契約を締結
  • Renewable Energy部門:
    • 2月7日にインドのVallamに新しいRenewableHybrids工場を開設
  • Power部門:
    • 米国エネルギー省がGE GasPowerに炭素排出量の95%削減を達成することを目的とした炭素回収技術統合プロジェクトのため570万ドルを供与

【その他】

  • we continue to see supply chain pressure across most of our businesses as material and labor availability and inflation are affecting Healthcare, Renewable Energy and Aviation
    原材料と労働力の利用可能性に起因するサプライチェーンの圧力がほとんどの事業で引き続き見られ、インフレがHealthcare、Renewable Energy、Aviation部門に影響を及ぼしている
  • we expect these challenges to persist at least through the first half of the year
    これらの課題は少なくとも前半期は継続すると見込んでいる
  • While these pressures are included within the annual guidance we have provided, the magnitude of these challenges likely present pressure to overall growth, profit and FCF through the first quarter and the first half, beyond typically expected seasonality
    これらの圧力は提供した年次ガイダンスに含まれているが、これら課題の影響は通常予想される季節性を超えて、第1四半期および上半期の全体的な成長、利益、およびFCFに圧力をかける可能性がある
  • As a result, supply chain headwinds may continue to partially mask the significant progress we are making across our businesses
    その結果、サプライチェーンの逆風が当社の事業全体で達成している重要な進歩を部分的に覆い隠し続ける可能性がある

まとめ

部門のアップデートに関しては2022年第1四半期これまでに達成したことであり、特にマイナス要因とはならない。従って業績以外のサプライチェーン、インフレ圧力に関する部分がGE株の大幅下落に影響したものと思われる。

特に前回四半期決算発表があった1月25日からひと月経たないうちに、部門アップデート以外に見通しについて以下の補足説明

  • 通常予想される季節性を超えて、第1四半期および上半期の全体的な成長、利益、およびFCFに圧力をかける可能性がある
  • サプライチェーンの逆風が当社の事業全体で達成している重要な進歩を部分的に覆い隠し続ける可能性がある

を行ったことは、サプライチェーン、インフレ圧力の影響は既に先日の四半期決算で発表された通年見通しに含まれていて見通し自体も変更はしていないものの、前回発表からの期間が短いために四半期決算時から大きな変化があったことが想起され、見通しが達成されるとしてもその下限、あるいは見通しを未達するのではないかという懸念が市場に認識されたのではないだろうか。

今回の警告により2022年第1四半期の業績が堅調であることがはっきりするまでGE株は軟調な推移が続くような気がする。ただ四半期決算発表前の2月23日にはBarclays and Citi Industrial Conferences、3月10日にはGEの2022 Investor Dayが予定されており、そこで今回のアップデートのフォローアップが行われる可能性もゼロではない。それらで何かしらのポジティブな内容があってくれるといいのだが。

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