ゼネラルエレクトリック2021年第4四半期決算(2022/1)

はじめに

昨日2022年1月25日には自分の所有銘柄であるゼネラル・エレクトリック(GE)の2021年第4四半期決算発表があった。

2022年に入ってから

ゼネラル・エレクトリックの投資格付けアップデート(2022/1)

でまとめた様に投資格付け・目標株価が上方修正されたこともあって1月前半は上昇傾向にあったのだが、先週から市場の下落につられるようにGE株価も下落傾向にあった。

そんな中で今回の四半期決算そしてそれを受けてのGE株はどうだったのか。以下に決算の内容を確認し整理しておく。


2021年第4四半期決算概要

以下の内容は、ゼネラル・エレクトリックの企業サイトより引用・抜粋。

  • 2021年第4四半期の総売上高(Total Revenues)は203億300万ドル、前年同期は210億3300万ドルで前年同期比3%の減少
  • 2021年第4四半期の調整後一株あたり利益(Adjusted EPS)は0.82ドル、前年同期は0.49ドルで前年同期比67%の増加
  • 2021年第4四半期のフリーキャッシュフロー(純現金収支・Free Cash Flow)は37億800万ドル、前年同期は43億9200万ドルで前年同期比16%の減少

上図のタイトル下部に書いてある様に今四半期からレポートフォーマットが変わっており(new one-column reporting format)、それに伴い以前のフォーマット(three-column reporting format)でのものと提供数値が異なっている場合もある点には注意。以前との違いはInsurance(保険)が今回は含まれていない点。

例えば今回のフォーマットではAdjusted EPSは0.82ドルだが、以前のフォーマットの場合だと0.92ドルとなっている。

各事業部ごとの業績は以下の通り。

Aviation(航空機事業):

受注は77億500万ドルで前年同期比22%増加、売上は60億800万ドルで前年同期比4%増加。収益は12億1800万ドルで前年同期は5億6400万ドル。

Healthcare(ヘルスケア事業):

受注は53億300万ドルで前年同期比7%増加、売上は46億2500万ドルで前年同期比4%減少。収益は7億6200万ドルで前年同期比18%減少。

Renewable Energy(再生可能エネルギー事業):

受注は48億5100万ドルで前年同期比21%減少、売上は41億9200万ドルで前年同期比5%減少。収益は3億1200万ドルの損失で前年同期は8700万ドルの損失。

Power(電力事業):

受注は43億600万ドルで前年同期比21%減少、売上は46億6100万ドルで前年同期比10%減少。収益は3億900万ドルで前年同期比1%増加。

2022年の見通し

2022年の見通しは以下の通り。

  • Organic revenue growth(既存事業売上成長率):HSD(High Single Digit、一桁台前半)
  • Adjusted organic margin expansion(既存事業マージン増):150+ bps(basis points)
  • Adjusted EPS(調整後一株当たり利益):$2.80~$3.50
  • Free cash flow:$5.5B~$6.5B

フリーキャッシュフローに関してはアナリストとのカンファレンスコールでの説明で

  • For the first quarter, though, we expect free cash flow to be negative

と2022年第1四半期はマイナスになるとしている。


市場予測との比較

今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、

  • 2021年第4四半期の総売上高(Total Revenues)は203億300万ドル、市場予想の214億ドルを下回っている
  • 2021年第4四半期の調整後一株あたり利益(Adjusted EPS)は0.82ドル、市場予想の0.85ドルを下回っている
  • 2022年通年のAdjusted EPS(調整後一株当たり利益)見通しは2.80ドル~3.50ドル、FactSet予想の4.00ドルを下回っている

となっている。


まとめ

上記の様な決算結果を受けてGEの株価は

6%近い大幅下落。同日の米主要3市場も

いずれもマイナスではあったが、GEの下落幅はそれらと比べてもかなり大きい。売上及び2022年通年のAdjusted EPS(調整後一株当たり利益)見通しがが市場予想を大きく下回っている点が嫌気されたのだろうか。

ただ判断が難しいと思われるのは、先に挙げた様に今回からレポートフォーマットが変わっており単純に市場予想と比較して良いのか、という点。アナリストとのカンファレンスコールの中でもIR担当のVPであるSteven Eric Winoker氏が

  • Consensus is not comparable to our current numbers given the changes we’re about to walk through
    これから説明する変更を考慮すると、コンセンサスは現在の数値とは比較できません

としている。

とはいえ今回の大幅下落は素直に受け止めておき、今後アナリストが今回の四半期決算についてどう判断するかについて注意することにしておきたい。

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