ドル円為替レートが1ドル120円を超える(2022/3)

はじめに

2022年2月末時には1ドル=115~116円程度だったドル円為替レートが、2022年3月半ばから以下の様に急激にドル高となり1ドル=120円を超える水準となっている。

自分は米国株式投資をする上で為替レートは気にしない(気にしても対処のしようがない)ものとしているのだが、流石にこれは急激に上がり過ぎだろうということで以下にドル高が進行した理由を整理しておくことにする。


2022年3月半ばからのドル高進行について

以下の情報は各種報道を整理したもの。

【3月14日】

まず土日明けの3月14日(月)にドル高が大きく進行しているのが目に付く。これは該当週にあるFOMC(米連邦公開市場委員会)会合を受けてFRB(連邦準備制度理事会)の利上げが見込まれるため。

【3月15、16日】

3月15、16日に開催されたFOMCでは政策金利の誘導目標を0.25%引き上げることを決定。これは概ね市場予想の通りだったようで、それ程大きくドル高は進展せず。またFOMC参加者の予測中央値によれば、年内に0.25ポイントの利上げをさらに6回実施することが示唆された。

【3月21日】

FRBのパウエル議長が全米企業エコノミスト協会(NABE:National Association for Business Economics)会合の講演で以下の様に発言。

  • 労働市場は極めて力強くインフレは高すぎる
  • 物価安定の回復に必要なら金融政策スタンスをより中立的な水準に戻し、その後より制約的な水準に移行するために迅速に動く必要があるのは明らかだ
  • 1回の会合、もしくは複数の会合で、フェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標を25ベーシスポイント(bp)以上引き上げ一段と積極的に対応することが適切と結論付けられればそのように行動する
  • 講演後の質疑応答で「5月FOMC会合での0.5ポイント利上げを妨げる要素はあるか」との質問に対し、「妨げるものなどあるだろうか。何もない」と発言

これにより3月15、16日のFOMC会合の予測中央値が年内に0.25ポイントの利上げをさらに6回実施するという内容よりも更に利上げが加速する可能性が示唆されたため、一段のドル高となったようだ。


まとめ

基本的に今回のドル高は、金利の低い円を売って金利が高いドルを買う動きが強まったという事になる。何もしなくても金利分の資産増が見込めるドルを買い進めるのは理にかなっている。また調べた限りではウクライナ情勢がどれ程為替に影響を与えたのかは不明。個人的にはウクライナ情勢はもっと直接的に為替に影響を与える可能性があると思っていたのだが。

自分は今月自分の所有米国株のドル配当を円に変換して生活費に充当したのだが、3月14日の夜に注文しており(約定は翌日)その際の為替レートは117.93円。FOMC会合を経てどう為替が変動するかが不安だったのでFOMC会合前にドル売りをしたのだが、結果的にはFOMC会合後の様子をみてからドル売りした方が良かったことになる。

自分が売却したドルは9000ドルなので単純に計算すると

1ドル=118円の場合:106万2000円

1ドル=120円の場合:108万円

10日余りで1万8000円(1.7%)の違いが出たことになる。残念だが仕方がない。

気になるのは今後の為替動向だが自分に為替の動向を読む能力が無いのを承知で書くと、先日のFOMCでウクライナ情勢もかかわらず年内に0.25ポイントの利上げをさらに6回実施する可能性が高いことやパウエル議長が利上げの加速を示唆したことを考えると、ドル円為替はドルが強含みで推移する様な気がする。

この見込みが当たってくれると日々の生活での物価上昇分をある程度カバーしてくれるのでドル高が長続きする事を期待したいが、自分が米国株投資を始めた2001年7月以来の月末ドル円為替レートを振り返ってみると(2022年3月は便宜上1ドル=120円としている)

ここ1、2年は確かにドル高傾向にあるが、過去20年では1ドル=75円近くまでドル安になったこともあれば1ドル=135円のドル高だったこともあり、急激にドル高あるいはドル安になったこともあるので、この3月に急激なドル高も過度には捉えずにおきたい。

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