はじめに
2021年10月27日には自分が所有しているボーイング(BA)の2021年第3四半期決算発表があった。
ボーイングに関しては10日程前の10月17日に
ボーイング787型機の部品に新たな問題が確認(2021/10)
でまとめた際に
「10月27日にボーイングの四半期決算発表が予定されているのだがあまり期待せずにいた方がよさそうだ。配当再開は一体いつの事になるのやら。」
と書いていたのだが実際の決算内容はどうだったのか。以下にその内容を確認しまとめておく。
2021年第3四半期決算発表
以下の内容はボーイングの企業サイトより引用・抜粋。
- 2021年第3四半期の売上高(Revenues)は152億7800万ドルで、前年同期比8%増加
- 2021年第3四半期の純損失(Net Loss)は1億3200万ドルの損失、前年同期は4億6600万ドルの損失
- 2021年第3四半期の一株当たり損失(Loss Per Share)は0.19ドルの損失、前年同期は0.79ドルの損失
- 2021年第3四半期の調整後中核事業一株当たり損失(Core Loss Per Share)は0.60ドルの損失、前年同期は1.39ドルの損失
- 2021年第3四半期のフリーキャッシュフローはマイナス5億700万ドル、前年同期はマイナス50億8100万ドル
- 2021年第3四半期の財務状況は総債務が624億ドル、前四半期から12億ドル減少
事業部ごとの業績は以下の通り。
【Commercial Airplanes(商用機部門)】
- 2021年第3四半期の商用機の引き渡しは85件、前年同期は28件で204%の増加
- 売上は44億5900万ドルで前年同期比24%増加。主に737MAX型機の納入の増加が787の納入減を相殺したとしている(第3四半期の787の納入は0)
- 損失は6億9300万ドル、前年同期は13億6900万ドルの損失(787は検査や修理のために約10億ドル(第3四半期では1億8300万ドル)の費用が発生)
- 受注残は4100機以上で2900億ドル
【Defense, Space & Security(防衛・宇宙・セキュリティ部門)】
- 売上は66億1700万ドルで前年同期比3%減
- 利益は4億3600万ドルで前年同期比31%減
- 受注残は580億ドル。うち33%は海外からの注文
【Global Services(グローバル・サービス部門)】
- 売上は42億2100万ドルで前年同期比14%増
- 利益は6億4400万ドルで前年同期比138%増
2021年の見通しについては今回も提示されず。
市場予測との比較
今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、
- 2021年第3四半期の売上高(Revenues)は152億7800万ドル、市場予想の163億6000万ドルを下回っている
- 2021年第3四半期の調整後中核事業一株当たり損失(Core Loss Per Share)は0.60ドルの損失、市場予想の0.17ドルの損失よりも悪い
- 2021年第3四半期のフリーキャッシュフローはマイナス5億700万ドル、市場予想のマイナス18億6000万ドルよりは良い
となっている。
まとめ
上記の様な決算内容を受けてボーイングの株価は
1.53%のマイナス。同日のダウ工業平均が0.74%、S&P 500が0.51%下落、NASDAQが横ばいだったことを考えるとそこそこの下落振り。ただ上記の様に決算内容、市場予想との比較では悪い項目が多かったので、個人的には正直よくこの下落幅で収まったという感じがする。
とはいえ直近1ヶ月のボーイング株を振り返ってみると
787型機の問題が報じられた14日以降は市場がそれなりに上昇しているにもかかわらず、ボーイング株は20日を除いてすべて下落となっているので、決算を受けての下落幅が思ったよりも小さかったと安心することは全くできない。
現在米企業の決算でよく触れられるサプライチェーンに関する問題にも影響されるだろうし、少なくとも787の問題が解決され納入再開されるまではボーイング株に期待できそうにない。まだしばらくは我慢の時が続きそうだ。