ゼネラルエレクトリック2021年第1四半期決算(2021/4)

はじめに

昨日2021年4月27日には自分の所有銘柄であるゼネラル・エレクトリック(GE)の2021年第1四半期決算発表があった。

自分の所有銘柄の中では投資額が4番目に大きい約6万ドルを投資しているが、現時点での資産額は6番目となっていることもあり、自分の中では注目銘柄となっている。

いつもは四半期決算の内容を確認してから株価の動きを確認する流れなのだが、今回のGEについてはまず先に決算後の株価を見ることにする。というのも昨日の決算を受けての終値は以下の様に

0.59%の下落で、ダウ工業平均が0.01%のプラス、S&P 500が0.02%のマイナス、NASDAQが0.34%のマイナスだったとの比べるとやや悪いぐらいで済んでいるのだが、これが腑に落ちない。

というのも自分が就寝する前に確認した米国市場開場後しばらくは4%前後のマイナスであったため。

特に市場(S&P500)に大きな変動があった訳でもなく、決算発表及びアナリストとのカンファレンスコールは米国市場開場前にあったので不可解である。

GEの決算資料とそれに関連する報道・情報を確認して、昨日のGE株の動きについての納得のいく説明が出来るようにしたい。ただ何となく株価の整合性については説明がつかない気もするのだが・・・。


2021年第1四半期決算概要

以下の内容は、ゼネラル・エレクトリックの企業サイトより引用・抜粋。

  • 2021年第1四半期の総売上高(Total Revenues)は171億1800万ドル、前年同期は194億9000万ドルで前年同期比11%の減少
  • 2021年第1四半期の調整後一株あたり利益(Adjusted EPS)は0.03ドル、前年同期は0.02ドルで前年同期比50%の増加
  • 2021年第1四半期のインダストリアル事業のフリーキャッシュフロー(純現金収支・GE Industrial Free Cash Flows)はマイナス8億4500万ドル、前年同期はマイナス22億700万ドルで前年同期比62%の改善

2四半期続いたインダストリアル事業のフリーキャッシュフローがマイナス(流出)になっているのが目に付くが、これはある程度予想通り。元々

2021年2月16日講演でのGEキャッシュフローへの言及と株価

で述べていた様に第1四半期(1~3月)は季節的要因のせいかキャッシュフローがソフトになる時期であるため。実際今回はマイナスではあるものの前年同期比で62%改善している。

各事業部は以下の様になっている。今四半期からスライドの並び順が変わったのには何か意味があるのだろうか。前四半期までは左からAviation、Healthcare、Power、Renewable Energyだった。

Power(電力事業):

受注は36億3300万ドルで前年比12%減、売上は39億2100万ドルで前年比3%減。収益は8700万ドルの損失で前年比34%改善。

Renewable Energy(再生可能エネルギー事業):

受注は35億1500万ドルで前年比15%増、売上は32億4800万ドルで前年比2%増。収益は2億3400万ドルの損失で前年比28%改善。

Aviation(航空機事業):

受注は54億9100万ドルで前年比26%減、売上は49億9200万ドルで前年比28%減。収益は6億4100万ドルで前年比36%減。

Healthcare(ヘルスケア事業):

受注は44億7200万ドルで前年比15%減、売上は43億800万ドルで前年比9%減。収益は6億9800万ドルで前年比19%減。

フリーキャッシュフローは以下の様になっている。

2021年第1四半期のGE Industrial FCFが前年比マイナスになっているのが目に付くが、これはBioPhama売却(17億ドル分)が除外されているため。

2021年の見通しについては以下の通り。

これは前回決算から変わりなし。


市場予測との比較

今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、

  • 2021年第1四半期の総売上高(Total Revenues)は171億1800万ドル、市場予想の175億7600万ドルを下回っている
  • 2021年第1四半期の調整後一株あたり利益(Adjusted EPS)は0.03ドル、市場予想の0.02ドルを上回っている
  • 2021年第4四半期のインダストリアル事業のフリーキャッシュフロー(純現金収支)はマイナス8億4500万ドル、市場予想は調べた限り2つあり、どちらをベースとするかで判断が分かれる。
    • Bloombergの報道では市場予想はマイナス6億6390万ドル
    • ロイター報道では市場予想はマイナス13億ドル

となっている。


GE株の1日の変動について

上記の様な決算内容を受けてGE株は冒頭の様に最終的には0.59%の下落となっている。この下落は売上が市場予想に届かなかったことやAviation部門の不調もあり、ある程度納得は出来るのだが、そもそも何故一時4%近くまで下落したのかがよく分からない。

調べてみても原因ははっきりしなかったし、1日のGE株の動きを見ても序盤の下落から徐々に上昇しているので、何かこれといった原因があって急上昇したわけでもない。

考えられるのは序盤に決算に対するアナリストのコメントを受けて下落したものの、決算内容をよく見てみるとそれ程悪くないのでは、という感じで徐々に持ち直したのではないだろうか。

調べた限りでは昨日GEに対してコメントしたのは以下の2人。情報は断片的で限られているが整理しておく。

【JPMorganのアナリストStephen Tusa氏】

投資格付け:Holdを維持

目標株価:5ドルに設定(以前は目標株価無し。2020年8月31日に株式価値を5ドル以下としていた)

以下はTusa氏のコメント。

  • 単一のバランスシートへの移行とインダストリアルFCFの新しい定義を「歓迎(applauds)」する
  • 決算の結果は自分のコンセンサスより低い見方(below consensus view)と一致している
  • ポジティブなFCFの見出し(Headline)は私たちがネガティブになりすぎないようにします。しかしながら詳細を見ると根底には弱いFCFが続いており、FCFは持続不可能であると考えている

Tusa氏の言う、単一のバランスシートへの移行とインダストリアルFCFの新しい定義について決算資料を見てみたが自分には残念ながら分からなかった。

【Merrill LynchのアナリストAndrew Obin氏】

投資格付け:Buyを維持

目標株価:15ドルを維持

2021年第2四半期のEPS見通し:0.28ドル


まとめ

昨夜はGEの決算内容を確認せずに株価だけを見てから寝たので、決算内容が悪かったのだろう、朝起きたらどこまで株価が下がっているのか、と思いつつ寝たのだが、決算内容は上記の様に必ずしも悪くなく、終値も想像以上に持ち直して個人的にはまずまず良かったと思っている。

ここ数日でアナリストの詳細な決算内容分析後のアップデートにより株価が変動する可能性はあるが、とりあえずは上手く乗り切ってくれた感が強い。

年初来のGEの株価は

最近やや落ち着いてきた感があるが、市場と比べて悪いわけではない。

このまま株価は市場と変わらないぐらいで推移して、次の四半期決算にはTusa氏の予想を裏切ってFCFが持続して改善されることを期待したい。後は本日4月28日に決算発表のあるボーイング(BA)次第ではAviation(航空機事業)の業績に影響があるため、その点についても注意は必要だろう。

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