2021年2月16日講演でのGEキャッシュフローへの言及と株価

はじめに

昨日2021年2月16日のBarclays Industrial Select Conferenceにおいて、ゼネラル・エレクトリック(GE)の最高経営責任者(CEO)Lawrence Culp氏の講演があったのだが、その内容に気になる点があった。

というのもロイター通信の報道タイトルが

  • General Electric expects negative cash flow in Q1 2021: CEO
    ゼネラル・エレクトリックは2021年第1四半期にマイナスのキャッシュフローを見込んでいます:CEO

というものだった。以下にその内容をまとめておくことにする。


2021年2月16日Barclays Industrial Select ConferenceでのLawrence Culp氏発言要旨

以下はロイター通信の報道より引用・抜粋。

  • Culp said the first three months of the year tends to be the industrial conglomerate’s “softest” quarter.
    Culp氏によると、年度最初の3ヶ月は産業コングロマリットの「最もソフトな」四半期となる傾向がある
  • Culp said he expects a “pronounced” recovery this year in the aviation services business, which tends to be more profitable.
    Culp氏は、今年はより収益性の高い航空サービス事業の「顕著な」回復を期待していると語った
  • Analysts surveyed by Refinitiv, on average, expect the Boston-based company to report a cash outflow of $671.7 million in the quarter through March.
    Refinitivが調査したアナリストによると、ボストンを拠点とする会社(GEのこと)は3月までの四半期に6億7170万ドルの現金流出となると予想しています

報道の内容を確認してみたところ、自分の英語力が足りないためか実際に最高経営責任者(CEO)Lawrence Culp氏が第1四半期のキャッシュフローがマイナスになると述べた訳ではない様に取れるのだが。

とはいえ、Culp氏の発言とアナリストの予想からすると、第1四半期のキャッシュフローがマイナスになる可能性は高いのだろう。

先月のGEの2020年第4四半期決算では、2021年通年のキャッシュフロー見込は発表されており、年間で25億~45億ドルのフリーキャッシュフローを見込んでいるとしていた。

2020年のGEのフリーキャッシュフローは、

2020年第1四半期:22億700万ドルの赤字

2020年第2四半期:20億6700万ドルの赤字

2020年第3四半期:5億1400万ドル

2020年第4四半期:43億6700万ドル

となっていたので個人的には何となくプラスの状況が続くのかと思っていたのだが、確かに年間の見込が25億~45億ドルであるので、第1四半期がそれ程振るわなくても不思議ではないのか。


まとめ

この様な発表を受けて昨日のGEの株価は、

となぜか上昇していた。

この講演は米東部時間の11時半~12時に行われたのだが、GEの株価の動きは以下の様になっている。

講演の内容が株価への影響を全く与えていない事がよく分かる。個人的には第1四半期のキャッシュフローがマイナスになる可能性があるのは、ネガティブな影響を与えると思ったのだが、先に述べた様に既に市場(アナリスト)はそれを織り込み済みだったのだろう。

それはそれとして何故GEの株価が上昇したかが今一つ得心がいかなかったので調べてみると、ボーイング(BA)が上昇していたことに関連があるのではないかと思う。

ボーイングも昨日は2.94%となかなかの上昇をしていたのだが、

その日中の動きをGEと比較してみると、

と類似しているような気がする。講演でも触れられているようにGEの航空機事業(Aviation)は利益率が高いのだが、先の決算発表でも分かるように前年比で大幅マイナスになっている。

これはGEがエンジンを提供しているボーイングが737MAX機の墜落問題や、COVID-19の影響による旅客需要の落ち込みにより低調だったことが大きい。そのためボーイングの株価が上がるとGEの航空機事業の業績が上がることが連想されて、GEの株価が上昇したのではないかと思う(間違っている可能性もあるが)。

最後に先日2月13日にゼネラル・エレクトリックは最新の四半期配当を発表しており、10四半期連続で一株あたり@0.01ドルの配当。一時期よりはキャッシュフローが改善してきたとはいえ、まだまだ配当で株主に還元できるまでには至っていないようだ。

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