はじめに
先月2021年2月11日の米国市場閉場後には自分の所有株であるケマーズ(CC)の2020年第4四半期決算発表があった。
ケマーズ株は自分の所有株の中では、旧デュポンから株式分割された銘柄であり40株しかなく市場価値が少ないので重要度が高くないため、2020年第3四半期の決算結果も確認し忘れているのだが、今回は遅ればせながらその決算内容について確認しておく。
事業部門変更
ケマーズは決算発表と同じタイミングで事業部門の変更をアナウンスしている。具体的には、
Fluoroproducts事業を
- Thermal & Specialized Solutions (“TSS”、旧称Fluorochemicals)
- Advanced Performance Materials (“APM”、旧称Fluoropolymers)
の2つに分割している。理由は以下の様に特に目新しいものでもない。
This change will enable an enhanced customer centered approach, management focus and decision-making, strengthened resource allocation, and increased transparency and accountability.
この変更により、顧客中心のアプローチの強化、管理の焦点と意思決定、リソース割り当ての強化、透明性と説明責任の強化が可能になります。
2020年第4四半期決算概要
以下の情報はケマーズの企業サイトより引用・抜粋。
- 2020年第4四半期の売上高(Net Sales)は13億3700万ドル、前年同期は13億5300万ドルで前年同期比約1%の減少
- 2020年第4四半期の調整後一株当たり利益(Adjusted EPS)は0.61ドル、前年同期は0.56ドルで前年同期比8.9%の増加
概ねCOVID-19の影響がなかった2019年度と同等レベルまで回復している。
事業部ごとの詳細は以下の通り。
Titanium Technologies事業:
6億9100万ドルの売上で前年比で約13%増加。建築用塗料、ラミネート、プラスチック市場の需要回復により販売量は前年比で17%増加し、世界の平均販売価格は前年比で6%下落。
Thermal & Specialized Solutions事業(旧称Fluoroproducts):
2億7200万ドルの売上で前年比で約6%減少。販売量は前年とほぼ変わらずだったが、世界の平均販売価格は前年比で7%下落。
Advanced Performance Materials事業(旧称Fluoropolymers):
2億7900万ドルの売上で前年比で約14%減少。販売量は前年比約10%減少し、世界の平均販売価格は前年比で6%下落。パンデミックによる需要減が顕著に表れた。
Chemical Solutions事業:
9500万ドルの売上で前年比で約26%減少。販売量、平均価格双方前年比で減少。また前年の事業売却が21%影響を及ぼしている。
2021年の通期見通しは以下の通り。
調整後EBITDA:10〜11.5億ドル
調整後1株当たり利益:~2.40ー3.12ドル
設備投資:~3億5000万ドル
フリーキャッシュフロー:3億5000万ドル以上
市場予測との比較
今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、
- 2020年第4四半期の売上高(Net Sales)は13億3700万ドル、市場予想の12億5000万ドルを上回っている
- 2020年第4四半期の調整後一株当たり利益(Adjusted EPS)は0.61ドル、市場予想の0.36ドルを上回っている
となっている。
まとめ
上記の様な決算結果を受けてケマーズの株価は、
4.91%の下落。同日のダウ工業平均が0.09%、S&P 500が0.47%、NASDAQが0.50%それぞれ上昇したのに比べるとかなり大幅な下落となった。決算内容と市場予想からすると上昇してもおかしくないと思われるのだが。
実際に開場直後は前日比で上昇していたのだが、その後に値を下げている。
書いていて、この株価の動きは同じく2月11日の閉場後に決算発表があったウォルト・ディズニー(DIS)と似ている気がした。ディズニーも決算内容、市場予測との比較からすると悪くなかったが株価は下落していた。
ケマーズも決算を受けて、過去1年の株価は右肩上がりだったこともあり、利益確定の動きが優勢だったのかもしれない。
最後にケマーズは決算発表の前日2月10日に四半期配当を発表しており、一株あたり@0.25ドルの四半期配当で11四半期連続で同じ配当。