はじめに
先日ウォール・ストリート・ジャーナルが報道したAT&TのDirecTV売却報道をまとめたばかりなのだが、それ以外にもここ数日でAT&Tに関連する報道がなされている。基本的にAT&T株は自分の所有銘柄の中での割合(投資額・資産額)が大きいので、買い増しする可能性は小さいのだが、それでも判断材料として整理しておくことにする。
AT&Tに関連するここ数日の各種報道
広告部門の売却模索
以下は2020年9月1日(現地時間)のロイターの報道より引用・抜粋。
- AT&Tは広告部門「ザンダー(Xandr)」の売却を模索していることがわかった。事情に詳しい関係筋が明らかにした
- 売却交渉は初期の段階にあり、必ずしも売却に至るとは限らない。同関係筋は、AT&Tはアニメ配信サービス「クランチロール」は温存したい意向だとした。コンテンツ重視の戦略に沿うためという
- AT&Tは2018年、「ザンダー」の前身となるインターネット広告企業の「AppNexus」を16億ドルで買収。テレビ視聴データなどを活用した広告を手掛ける「ザンダー」を創業した
ワーナー・ブラザースのゲーム事業売却方針を撤回
2020年6月にも少し触れたワーナー・ブラザースのゲーム事業売却に関して、ブルームバーグが現地時間の9月1日にその方針を撤回したとの報道をしている。以下はブルームバーグの記事より引用・抜粋。
- AT&Tは傘下ワーナー・ブラザースのゲーム事業を、非中核資産の売却リストから外した。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。債務返済と合理化への取り組みを推進する過程で処分するには重大過ぎると判断したという
- ワーナー・ブラザース・インタラクティブ・エンターテインメントを巡り、CNBCは6月に、複数の大手企業が取得に関心を示しており売却価格は40億ドルに達する可能性を報じていた。ただ、AT&Tは同事業の成長の可能性に照らし、売却を思いとどまったと関係者が情報は非公開だとして匿名を条件に語った
ScotiabankがAT&Tを格下げ
以下はYahoo! FinanceよりAT&Tの最新の格付け情報。
詳細な分析までは確認できなかったが、上記の通り8月31日にScotiabankがAT&TをUnperformeに格下げしている。あわせて目標株価も34ドルから30ドルに引き下げている。
ちなみにDeutsch Bankは8月4日にBuyとしたものの目標株価は38ドルから37ドルに引き下げ、Morgan Stanleyも7月1日にOverweightとしたが目標株価は38ドルから36ドルに引き下げている。
まとめ
今回の各種情報を自分なりに整理すると、
- 実現するかしないかは別としてAT&Tの部門・資産の売却検討が活発化している
- ただしその動きは株価、格付けには反映されていない
という事になるだろうか。実際には資産売却が決定されないと株価に大きな動きは出ないのだろう。基本的にAT&Tには非中核事業・資産の売却によって少しずつでも負債の削減に努めて欲しいところだが、ワーナー・ブラザースのゲーム事業売却方針撤回の様に資産売却にも色々な見方・考え方・タイミングがあり、良い悪いの判断が難しい。
いずれにせよ今回整理した情報では、AT&Tの投資・資産割合が大きい自分にとっては、買い増しをする材料にはならない。気が付けば9月に入り定期追加購入タイミングが近づいてきたので、こういった自分の保有銘柄の細かい情報確認を進めていこう。