GEとフォードが提携し5万台の人工呼吸器生産へ(2020/3)

はじめに

あまり株価の上下とは関係ないと思うが、この新型コロナウイルスの世界的な広がりの状況下で、自分の所有銘柄が通常とは違う対応をしている例としてGEとフォードの人工呼吸器生産のニュースをまとめておく。


フォード及びGEの発表など

以下は2020年3月30日のフォード社の発表より引用・抜粋。

  • Ford Motor Company, in collaboration with GE Healthcare, announced today it will begin producing in Michigan a third-party ventilator with the goal to produce 50,000 of the vitally needed units within 100 days and up to 30,000 a month thereafter as needed.
    Ford Motor CompanyはGEヘルスケアと共同で、本日ミシガン州でサードパーティ製人工呼吸器の生産を開始することを発表しました。目標は100日以内に非常に必要な5万台、その後は必要に応じて月間最大3万台を生産することです。
  • Ford will provide its manufacturing capabilities to quickly scale production, and GE Healthcare will provide its clinical expertise and will license the current ventilator design from Airon Corp. – a small, privately held company specializing in high-tech pneumatic life support products.
    Fordは製造を迅速に拡大する製造能力を提供し、GEヘルスケアは臨床専門知識を提供し、Airon Corp.(ハイテク空気圧生命維持製品を専門とする小規模の非公開企業)から現在の人工呼吸器設計をライセンスします。
  • “The Ford and GE Healthcare teams, working creatively and tirelessly, have found a way to produce this vitally needed ventilator quickly and in meaningful numbers,” said Jim Hackett, Ford’s president and CEO. “By producing this ventilator in Michigan, in strong partnership with the UAW, we can help health care workers save lives, and that’s our No. 1 priority.”
    フォードの社長兼CEOであるジム・ハケットは、 「この人工呼吸器をミシガンで生産することにより、UAW*との強力なパートナーシップにより、医療従事者の命を救うことができます。それが私たちの最優先事項です」と述べています。

*UAW:United Auto Workers(全米自動車労働組合)

上記の内容は3月24日にGEが発表した以下の前者の内容がより具体的になったものと思われる。

  • GE Healthcare and Ford collaborate to accelerate and scale ventilator production, supporting clinicians in the treatment of COVID-19 patients
    GEヘルスケアとFordが協力して人工呼吸器の生産を加速および拡大し、COVID-19患者の治療において臨床医をサポート

ちなみに後者の臨床サポートは

  • GE Healthcare provides information to clinicians who are considering the use of anesthesia systems to ventilate COVID-19 patients, following FDA guidance
    GEヘルスケアはFDAのガイダンスに従って、COVID-19患者の換気に麻酔システムの使用を検討している臨床医に情報を提供します

という対応。

ちなみにこういったアクションは他の米大手自動車メーカーも行っており、GMも日曜日にインディアナ州ココモの工場に人工呼吸器を建設する取り組みの写真を公開し、夏までに毎月10,000台の人工呼吸器を生産することを目指している。

ただし、GMはアクションが(特に)遅いとトランプ大統領に指摘され、27日の金曜日に初めて国防生産法Defense Production Act (DPA)の適用を受けてしまっている。

GMはまた、今週ミシガン州の工場でもサージカルマスクの生産を開始し、4月中​​旬までに1日あたり50,000の生産を見込んでいる。

また、トヨタモーターノースアメリカは、人工呼吸器の生産に向けて2つの医療機器企業と合意した。マスクを生産する準備もできており、現在フィルターのパートナーを探している。


まとめ

冒頭にもあげたように、こういった取り組みは株価への影響はほとんどないのだろう。例えば、この対応に関するGMのコメントは以下の様になっており、逆に持ち出しになる可能性が高い。

  • A GM spokesman said the company is doing the project “at cost” and will not make a profit.
    GMの広報担当者は、同社は「コストをかけて」プロジェクトを行っており、利益を上げないと述べた。
  • Johnson said the automaker is spending tens of millions on retooling costs and that if supplier retooling costs are factored in, total retooling costs were in the hundreds of millions of dollars.
    ジョンソン氏*は、自動車メーカーは数千万ドルを改修費用に費やしており、サプライヤーの改修費用を考慮に入れると、総改修費用は数億ドルになると述べた

*ジェラルド・ジョンソン氏はGMの製造責任者

軽々に是非を判断はしづらいが、こういった取り組みが国として出来るのがアメリカという国の強みの一つではあるのだろう。大統領制と、トランプ氏が共和党という点が大きいのかもしれない、と個人的には思う。

いずれにせよアメリカ株投資をやっている身としては、収束に向けての施策を矢継ぎ早に行っている効果が出て欲しいものだ。

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