はじめに
一昨日2019年10月31日は、アルトリア・グループ(MO)の2019年第3四半期決算の発表があった。決算の発表を受けての株価は、
と2.55%のマイナス。
先に言ってしまうと、最近何かと話題になり気にもかかっていた、アルトリア・グループが投資をしている電子タバコメーカーJUULに関連して45億ドルの評価損を計上したのが主な下落の原因。その内容も含めて第3四半期決算の結果について整理しておく。
ここ最近まとめた電子タバコ関連の情報は以下の通り。
2019年6月:電子タバコに対する最近の米FDA対応
2019年6月:ジュール/JUUL本拠で電子タバコ販売禁止条例
2019年9月:米国フレーバー付電子タバコの販売禁止方針
2019年9月:電子タバコと加熱式タバコの違い
2019年第3四半期決算概要
以下の内容はアルトリア・グループの企業サイトより引用・抜粋。
- 2019年第3四半期の売上高(Net Revenues)は68億5600万ドル、前年同期は63億3700万ドルで0.3%増加
- 2019年第3四半期の1株当たりの調整後利益(Adjusted diluted EPS)は1.19ドル、前年同期は1.08ドルで12%増加
- 2019年第3四半期の純利益/損失(Net earnings/Loss)は26億ドルの損失、前年同期は19億4400万ドルの利益
- 2019年通期の1株当たりの調整後利益(Adjusted diluted EPS)は4.19ドル~4.27ドルに上方修正(前回は4.15ドル~4.27ドル)
まとめ
1株当たりの調整後利益(Adjusted diluted EPS)を市場予測と比較すると、第3四半期の1株当たりの調整後利益(Adjusted diluted EPS)は市場予測では1.15ドルだったのだが実際には1.19ドルと上回り、通期の1株当たりの調整後利益(Adjusted diluted EPS)は4.19ドル~4.27ドルのレンジであり、アナリストの平均は4.19ドルでレンジの下限となっている。JUULに45億ドルの評価損を計上したにも関わらず、思ったよりも株価が下がってはいなかったのはこのおかげもあったのだろうか。
何度か触れたJUULに関しては以下のスライドにまとめられている。
簡単に言うと、電子タバコを取り巻く規制、市場環境等が変わったので、出荷予想を見直し、45億ドルの損失を計上した。ただ、引き続きJUULには注力していく、という事だろう。
また、今回の決算発表では同時に2020年~2022年の調整後利益(Adjusted diluted EPS)の成長目標を発表している。
In light of these considerations, we announce a compounded annual adjusted diluted EPS growth objective of 5% to 8% for the years 2020 through 2022.
今回発表したしたこの5~8%の成長目標を今後、どういう風に達成していくのか。紙巻タバコの出荷量の減少、それを補完する電子タバコ・加熱式タバコを取り巻く環境/規制などを考えると、この目標達成は個人的には難しいと思うのだがなあ。