電子タバコと加熱式タバコの違いの再確認と所有米国タバコ株の今後

はじめに

最近、自分が所有しているタバコ銘柄のフィリップ・モリス(PM)とアルトリア・グループ(MO)株に関連して電子タバコに関して記述することが多いのだが、ここで電子タバコと加熱式タバコの違いについて自分なりに整理しておく。これはあくまで自分の整理/備忘録なので国やタイミング(これを書いているのは2019年9月)によって内容に誤りがある可能性もあるので注意。


電子タバコ

英語の記事ではe-cigarette/Vapeと呼ばれていることが多い。乾燥葉や液体を発熱により霧状化して吸引させる喫煙具と言われている。日本ではニコチンを含有する電子タバコ用の液体は、薬事法にて医薬品とされるため国内では市販されていない。

アメリカでは、アルトリア・グループ(MO)が35%出資しているジュール・ラブズが70~75%のシェアを占めていると言われている。ただしジュールをはじめとするすべての電子タバコ類(バイプ関連製品)を現状FDAは認可していない。

タバコ消費量が世界1位で3億人以上 の喫煙者がいる中国では、9月に入ってからジュール・ラブズが中国市場に参入したばかりだったのだが、17日に同社の製品が中国国内の電子商取引サイトで販売停止となったことを明らかにしている。

タバコ消費量が世界2位で1億人以上 の喫煙者がいるインドでは、先月電子タバコの規制が検討されているとまとめたが、9月18日に電子タバコの生産、販売、輸入を全面的に禁止すると発表している。


加熱式タバコ

英語の記事ではHTU(Heated tobacco units)やheat-not-burn productsと呼ばれていることが多い。燃焼させずに加熱して使用するタバコのこと。

日本で販売されているiQOSやプルーム・テック、グローなどは加熱式タバコに該当する。

アメリカでは、今年2019年5月まで米国食品医薬品局(FDA)が加熱式タバコの認可をしていなかったため販売されていない。ただし、2019年5月にフィリップ・ モリスの「IQOS」に対して米国における販売の許可を行なっている。

中国は2019年9月時点では電子タバコの規制を検討している状態。それに加熱式タバコも含まれているかは不明。

上に記載したインドでの電子タバコの規制には加熱式タバコも含まれている。


まとめ

上に書いた内容をまとめると以下の通り。電子タバコと加熱式タバコの違いを、アメリカの規制、喫煙者数12位の中国、インドの状況も交えてまとめてみた。

英語方式アメリカでの代表製品/メーカFDAの認可今後のアメリカでの規制中国インド
電子タバコe-cigarette/Vape発熱により霧状化して吸引ジュール・ラブズ(70~75%)されていないタバコの風味を含まないフレーバー付の電子タバコは承認を得るまで禁止の方向(施行はまだ)規制を検討2019年9月から禁止
加熱式タバコHTU(Heated tobacco units)/heat-not-burn products燃焼させずに加熱して使用販売されていない2019年5月にIQOSが認可左記の通り規制を検討2019年9月から禁止

そして昨日2019925日には、先月報じられたアルトリア・グループ(MO)とフィリップ・モリス(PM)の合併協議が終了したという報道がなされている。フィリップ・モリスによると、両社は合併の代わりに、米国内で独自の加熱式たばこ「iQOS(アイコス)」に注力する。原文は以下の通り。

André Calantzopoulos, CEO of PMI, said: “After much deliberation, the companies have agreed to focus on launching IQOS in the U.S. as part of their mutual interest to achieve a smoke-free future.”

また一方で、ジュール・ラブズのケビン・バーンズ最高経営責任者(CEO)が辞任している。

この報道を受けて、昨日フィリップ・モリス株は5.2%の上昇。

アルトリア株は0.42%のマイナス。

自分が保有しているフィリップ・モリス、アルトリア株の今後はどうなっていくのか。自分の投資額はフィリップ・モリスが1,270ドル、アルトリアが17,600ドルと、他の保有銘柄に比べて大きくはない。いずれもここ最近の株価下落傾向に伴い配当率が高くなっている(2019925日終値時点でPM6.54%MO8.24%(税引前))のは魅力なのだが、そもそも普通の紙巻きタバコ市場の縮小傾向に加えて、ここ最近の電子タバコに対する規制強化を考えると長期的な視点からは期待できない気もする。

20196月に追加購入したアルトリア株は電子タバコに期待したところもあったのだが、そこから状況は禁止へと急速に向かっている様に見受けられる。上の様にアルトリアはフィリップ・モリスとの協業で加熱式タバコを米国に展開する方向らしいが、それがどうなるかも不透明。今後しばらくはフィリップ・モリスとアルトリア株の購入は見送る方が無難なのかもしれない。

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