はじめに
2021年2月19日(金)の米国市場はダウ工業平均がほぼ変わらず、S&P 500が0.19%の下落、NASDAQが0.07%の上昇と全体的にフラットだったのだが、自分の所有しているダウ・インク(DOW)は、
4.92%上昇と大幅な上昇。その原因は掲題の報道があったためと思われる。以下、その内容を整理してみたのでまとめておく。
2021年2月18日のロイター報道
以下はロイターの報道より引用・抜粋。
- U.S. chemicals maker Dow Inc has put German infrastructure assets up for sale in a potential 800 million euro ($966 million) deal as it seeks cash for investment elsewhere, sources close to the matter told Reuters.
米国の化学メーカーであるダウ・インクは、他の場所への投資のための現金を求めているため、ドイツのインフラストラクチャ資産を8億ユーロ(9億6600万ドル)の取引で売りに出したと、関係筋はロイターに語った - While Dow would sell the infrastructure at petrochemicals sites in Stade, Schkopau and Boehlen, it would continue to produce plastics and intermediates there, paying usage fees to the new owner. Dow is the main user but not the only one operating in the three chemical parks.
ダウは、シュターデ、シュコオウ、ベーレンにある石油化学サイトにあるインフラストラクチャを販売しますが、新しい所有者に使用料を支払い、そこでプラスチックと中間体を生産し続けます。ダウがメインユーザーですが、3つのケミカルパークでオペレーションを行うのはダウだけではありません - “Dow has informed employees in Germany that it is exploring opportunities related to certain site infrastructure assets and services at its Stade, Schkopau and Boehlen sites, but no final decision has been made”, a company spokesman said.
「ダウはドイツの従業員に、シュターデ、シュコオウ、ベーレンの特定サイトのインフラストラクチャ資産とサービスに関連する機会を模索していることを通知しましたが、最終的な決定はなされていません」と同社のスポークスマンは述べています - Dow is working with Morgan Stanley on the divestiture the sources said.
ダウはモルガン・スタンレーと共同で売却に取り組んでいると情報筋は語った
ここで言っているインフラストラクチャはダウ・インクの事業部の一つである「Industrial intermediate and Infrastructure」の事だろう。
まとめ
上記に挙げた以外にも入札予定者(具体的な企業名あり)に情報パッケージを送付したと情報筋が語っていたりして、かなり具体的な内容であるのでこの売却報道の確度は高そうだ。それも相まってダウ・インクの株価が上昇したのだろう。
これはまた2021年1月28日の2020年第4四半期決算発表時のアナリストとのカンファレンスコールの際に最高経営責任者(CEO)のJames R. Fitterling氏が、キャッシュフローと資産売却に関する質問を受けた際の一つとして
- where there are infrastructure companies out there today that value those and can use those as a growth platform and liberating those from our balance sheet, we’ll continue to do that.
それら(資産)を評価し、成長のプラットフォームとして使用しバランスシートから解放できるインフラストラクチャ企業が今日存在する場合、私たちはそれ(売却)を継続します
と語っていたのと整合性も取れている。
ダウ・インクの過去1年の株価を振り返ってみると、
1月中旬から2月上旬にかけて一時的な下落傾向があったものの全体としてみれば概ね右肩上がりで、COVID-19の影響下にある事を考えると悪くない。このまま堅調に株価が推移してくれればいいのだが。