ブリストル・マイヤーズ(BMY)の最新臨床試験(2019/12)

はじめに

12月5日にブリストル・マイヤーズ スクイブの配当増発表があったばかりだが、その後米国市場が閉場した6日の金曜日、そして7日土曜日に表題の通り臨床試験の結果が2つ続いて発表されていたので、BMYのまとめが続いてしまったがその内容を整理しておく。


12月6日の発表

以下は現地時間16:16に発表された企業サイトのニュースタイトル。

  • Bristol-Myers Squibb and bluebird bio Announce Positive Top-line Results from the Pivotal Phase 2 KarMMa Study of Ide-cel in Relapsed and Refractory Multiple Myeloma
    ブリストル・マイヤーズ スクイブとブルーバードバイオは、再発および難治性多発性骨髄腫におけるIde-celの第2フェーズKarMMa研究の主要なトップライン結果を発表

記載されている内容は専門的な用語が多いので、自分なりに非常に簡略化して要約してみると、「多発性骨髄腫に対する実験的治療が中間段階の研究の主な目標を達成した」ということらしい。


12月7日の発表

以下は現地時間14:00に発表された企業サイトのニュースタイトル。

  • Bristol-Myers Squibb Announces Liso-Cel Met Primary and Secondary Endpoints in TRANSCEND NHL 001 Study
    ブリストル・マイヤーズスクイブ社は、トランセンドNHL 001試験でLiso-Celがプライマリおよびセカンダリエンドポイントを満たしたと発表

こちらも専門的な用語が多いのだが、Liso-Celとはlisocabtagene maraleucelの略でキメラ抗原受容体T細胞療法(CAR-T細胞療法)として知られる新しいタイプの免疫療法のこと。そしてこれは先日買収したセルジーンが開発していたものでもある。

  • Based on results from TRANSCEND NHL 001, Bristol-Myers Squibb expects to complete the submission of a Biologics License Application to the U.S. FDA by the end of the year.
    トランセンドNHL 001試験の結果に基づき、ブリストル・マイヤーズ スクイブは、年末までに米国FDAへの生物製剤ライセンス申請の提出を完了する予定です。
  • Liso-cel is not approved for any use in any country.
    Liso-celは、どの国でも使用が承認されていません。

まとめ

製薬会社の試験結果は、その内容がポジティブなものであっても、必ずしも株価が上昇するとは限らない(試験のフェーズ、想定に満たない、競合薬の有無、市場全体が下落、など)。

7日に発表された内容は、元々市場が買収効果に必ずしも肯定的でなかったセルジーンの研究に基づくものであり、BMYの買収の正当性を強化するニュースと受け取ることもできる。ただ、Liso-Celは上に書いた様にまだ承認されてもおらず、CAR-T細胞療法ではNovartisのKymriah(tisagenlecleucel)は既に承認されていることも考えると、週明けのブリストル・マイヤーズの株価がどうなるかに注目しておきたい。

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