通常と異なる2015年3月のAT&T株1,000万円購入について

はじめに

2015年3月の振り返りの際に記述したが、この月にはAT&T株を約1,000万円購入していた。それまで数年間続いた四半期ごとに100万円ずつ買い足す、という自分のスタイルとは大きく異なるので、その購入に至った経緯を整理しておくことにする。


まず2015年3月に1,000万円投資をした主要因

定額預金が満期解約になったこと

上記の画面はジャパンネット銀行の履歴からの画像なのだが、たまたまネット定期が2015年3月27日の解約になっている。

自分の投資額が四半期ごとに100万円ずつになって以来、投資、生活防衛資金とは別に使わずにいられた資金を6ヶ月ごとの定額預金にして、半年ごとにまた資金に余裕があれば定額預金に加えていく、というスタイルでコツコツと貯めたもの。それが2015年3月に満期となっていた。

定額預金の金利が低かった

以下は上記定額預金の金利の画像。

0.097%との金利。2019年5月現在ではこれより更に低い金利になっているのだが、やはり1%を切る金利では、米国株式から入ってくる税引後の配当と比較するとどうしても見劣りがしたのが正直なところ。

定額預金を取り崩すことが無かった

既述の様に生活防衛資金とは別に、定額預金をしていたのだが、実際には数年間それが増えることはあっても減ることは無かった。つまり、特に使い道のない余剰資金だったことになる。使わない可能性が高いのであれば、万が一の時のための生活防衛資金もあることだし、金利の低い定額預金ではなく投資に回した方がいいのでは、と考えた。

区切りの良い1,000万円という金額にした

実際には定額預金だけでは1,000万円に満たないので、生活防衛資金の一部を取り崩して1,000万円に充当していた。これは今思うとOUTだろう。定額預金は余剰資金であったので、まあ投資に回すというのはアリだと思うが、生活防衛資金は万が一の時のためのものであるべきなので、これに手を付けたのは良くない判断だったと思う。

年齢

2015年3月に46歳と40代後半になったことも、1,000万円の投資に踏み切った理由であっただろう。40代後半になるとさすがに結婚といった大きな生活の変化、出費があるとは考えにくい(判断が遅すぎるかもしれないが…)と考えたのだと思う。

AT&Tを購入した理由

自分が知っている銘柄であったこと

AT&Tは言わずと知れた世界で有名かつ大きなテレコミュニケーション企業の一つであった。ただし、購入をする直前の2015年3月18日取引終了後にはダウ工業株平均から外れていたのだよなあ(代わりにAppleが組み入れられた)。

配当率が高かったこと

当時のAT&Tの税引前配当率は5%以上であり、税引後でも1,000万円の投資をすれば年間40万円弱の配当受取が見込めたこと。

直近15年で配当停止/減配が無かったこと

自分が投資を始めた2001年からのAT&Tの配当をチェックしたが、2015年まで世界金融危機の頃も含めて、1年ごとに増配をしており減配/配当停止が無かったこと。

新たなセクターへの投資を考慮したこと

上記3点では必ずしもAT&Tではなく、自分の保有銘柄であるアルトリア・グループ(MO)やフィリップ・モリス(PM)も条件に該当していたと思うが、自分が保有していなかった「電気通信サービス」セクターであるAT&Tを選択している。

ただし、この後2018年9月に世界産業分類(GICS)の改定があったため「電気通信サービス」セクターは「通信サービス」セクターへと変更になり、アルファベット(GOOGL)、フェイスブック(FB)などと同じセクターになってしまっているのだよなあ…。これは想定外。


まとめ

「2015年3月に1,000万円投資」をして「AT&T株を購入した」理由について簡単にまとめてみた。4年が経過した2019年5月の時点で、その結果を振り返ってみるとどうだろう。

■良い点

  • 配当は購入後も減配/配当停止になることはなく、1年ごとに増配してくれている。これはそのまま定額預金で保有しているのとはけた違いの現金が入ってきたことになる
  • 幸いにもその後生活防衛資金に手を付けるような事態は発生せず、何とか元の生活防衛資金のレベルまで回復できた

■良くない点

  • バイアンドホールド/長期投資なのであまり気にしないことにしてはいるが、AT&Tの株価は購入当時よりも下落している。その後AT&Tを買い足しているので一概には言えないのだが、2019年5月時点で取得価額比マイナス10%近くになっている
  • 「電気通信サービス」セクターのAT&Tに投資をしたのだが、その後タイム・ワーナーを買収し(タイム・ワーナーはそもそも保有していた…)、「通信サービス」セクターへと変わってしまった。今のところセクターが変わった直接の影響は出ていないと思うのだが、想定からは外れてしまった

どちらかと言うと良い点の方が大きいので、今後どうなるかは分からないが、今のところは2015年に1,000万円の投資をAT&Tにしたことは間違いでは無かったような気がする。

今後似たような状況があった場合には、ここで整理した要素を考慮して判断することにしよう。特に大きいのは年齢と配当/現預金のバランスだろうか。一点確実に守らなければいけないのは「生活防衛資金には手を付けないこと」だな。


追記

記事を投稿した後で付け加えることを思い出したので、追記しておく。

この時の1,000万円の投資は、「投資のタイミングの分散」という観点からも、あまり褒められた投資では無かったかもしれない。自分のスタイルである長期投資のメリットの一つは投資タイミングの分散と言う点にもあるのだから。

ただ言い訳としては、この当時は楽天証券の米国株式購入手数料の体系が今とは異なっていたのだよなあ。

当時(2015年3月):

  • 1,000株まで、25米ドル
  • 1,000株を超えた分は、1株ごとに2セント追加

これを踏まえて当時は一括して購入した方が手数料が安くなる、という点を重視したのだろう。ちなみに今だと更に手数料が安くなっている。

現在(2019年5月):

  • 約定代金の0.45%
  • 下限5ドル、上限20ドル

繰り返しになるが、確実な手数料の低減という点を、投資タイミングの分散よりも評価した結果であったが、1,000万円の投入はもう少し検討の余地はあったのかもしれない。

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