はじめに
ドル円為替は日本時間2026年9月1日(火)は1ドル=160円を超えていたのだが、週の取引が終わる9月5日(土)早朝には1ドル=156円台前半まで円高になっている。

以下に今回ドル円為替が大きく変動した流れについて整理しておくことにする。
2026年9月第1週のドル円為替大幅変動の流れ
時間はいずれも日本時間。
- 9月1日(火)午前
- 米財務省が、8月30日に実施されたベッセント米財務長官と日銀の植田総裁による対面会談の内容を公表
- 日本の円安是正に向けた市場・金融政策上の措置(リフレ政策からの脱却)を強く支持すると伝えていた
- ただこの時点ではドル円為替はほとんど反応せず
- 米財務省が、8月30日に実施されたベッセント米財務長官と日銀の植田総裁による対面会談の内容を公表
- 9月2日(水)14:00
- 日銀の高田審議委員の札幌での講演後の記者会見での発言
- 結果として局面が変わるなら連続利上げもあり得る(従来は半年に1度の想定)
- 利上げ幅も0.25%にこだわらない
- この発言を受けてそれまで1ドル=160円を超えていたドル円為替が1ドル=159円台へ
- 日銀の高田審議委員の札幌での講演後の記者会見での発言
- 9月2日(水)22:00
- ADP雇用統計が発表され、市場予想を大幅に下回る前月比3.8万人増にとどまったことを受けて、米国の景気後退・雇用減速が意識される
- このためそれまで1ドル=159円台後半だったドル円為替が、1ドル=158円台後半へと1円近く変動。ただその後は1ドル=158円台後半での推移が続く
- 9月3日(木)09:00~
- 米ブルームバーグ通信が年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が経営委員会を開催していたと報道
- これがGPIFが円資産への投資配分を引き上げるのではないかという憶測を呼ぶ
- 日本の長期金利(10年債)も一時1996年以来の水準となる3%台となる
- 三村財務官が夕方に記者団に対して以下の発言
- 今この時点で私自身は何も満足も安心もしていない
- 私自身も、引き続き臨戦態勢ということだ
- (レートチェックが実施されたか)答えることは決してない
- これら要因等により円高ドル安傾向が顕著となり1ドル=155円台後半となる
その後9月4日(金)はやや値を戻して1ドル=156円を挟んで方向感に欠ける動きとなり、1ドル=156円台前半で週の取引を終えている。
まとめ
以上2026年9月第1週のドル円為替大幅変動について整理してみた。
2026年に入ってからの主な為替大幅変動は以下のものがあったのだが
日本時間2026年1月23日、24日のドル円為替大幅変動について
2026年1月はレートチェック(為替介入の前兆と目される)、2026年4月末、7月末は後の情報開示で為替介入があったのだが、今回の変動はレートチェックや為替介入は無かった模様。またこれらの際には一気に為替が大きく変動するのだが、今回は時間をかけて緩やかに円高が進んだ点が異なっている。
気にかかるのは今後のドル円為替の動向だが、この水準での推移が続くのか、それとも更に円高になるのか、あるいはこれまでの様にドル高基調が続くのかは極めて不透明。為替関連のイベントとしては米現地時間2026年9月15日(火)~16日(水)の米連邦公開市場委員会(FOMC)、9月17日(木)~18日の日本銀行金融政策決定会合がある。これらの結果次第では更なる為替大幅変動もあり得るので、注意しておきたい。
いずれにせよ急激な為替変動ではなく、緩やかな為替調整となってくれると良いのだが、どうなるのだろうか。