はじめに
昨日2023年9月12日(火)の米国市場は
オラクル(ORCL)が前日時間外後の決算発表で市場予想を下回る9~11月期の見通しだったため前日比13.5%の急落だったこともあってか、ハイテク銘柄を中心に低調となっていた。
そんな中自分の所有するエクソン・モービル(XOM)株は
市場に反して3%近い上昇。調べてみると掲題の件がエクソンの株価上昇を後押ししたらしい。以下その内容について確認しておく。
2023年9月12日発表のOPEC月例石油市場報告書の概要
以下はOPECのサイトに掲載のOPEC月例石油市場報告書(OPEC Monthly Oil Market Report)より引用・抜粋。なお表紙等を含めてPDFで90ページ超あるので重要と思われる部分のみ。
【世界全体の経済成長予測】
- 2023年が2.7%、2024年が2.6%で変わらず
【世界の石油需要伸び予測】
- 2023年が日量244万バレル、2024年が日量225万バレルで変わらず
【需要と供給のバランス】
- 2023年第3四半期から需要は増加する見込み
まとめ
上記の様に2023年第3四半期のOPEC生産量が増加しないと需要に供給が追い付かない見込みなのだが、実際には予想外にサウジアラビアが日量100万バレルの自主減産を12月まで継続することを9月5日に発表しているため、OPEC月例石油市場報告書のデータ/仮定が正しいとすると2023年第3四半期、第4四半期は原油供給不足に陥ることになる。
その影響でニューヨーク原油先物価格は
9月12日に1バレルあたり2ドル近く上昇しており、これが冒頭のエクソン株の上昇につながったと思われる。
ちなみに年初来のニューヨーク原油先物価格は
8月下旬から先に挙げたサウジアラビアの減産継続の憶測が高まって上昇傾向にあり年初来高値を更新している。
ニューヨーク原油先物価格の推移にエクソン株をマッピングしてみると
となっている。
8月のOPEC会合まとめの際には
「昨年はエクソン株はニューヨーク原油先物との連動性が高かったイメージがあるが、ここ最近はエクソンの2023年第2四半期決算でも思ったが天然ガス価格が原油価格よりもエクソンの株価に色濃く反映されている気がする(天然ガス価格が前四半期に比べて40%下落したこともありエクソンの決算は振るわなかった)。」
と書いていたのだが8月半ばぐらいからニューヨーク原油先物価格とエクソン株の連動性は高まっている様に見える。
このままエクソン株が上昇することを期待したいが、原油先物価格が上昇し過ぎると他の銘柄には悪影響を及ぼす可能性が高いし、そもそもOPECのデータが正しいとも限らない(中国が本当に2023年5.2%経済成長するのか?など)。エクソン株がそこそこ堅調で、他銘柄に悪影響を及ぼさない程度の需給調整をOPECが行ってくれるといいのだが。