はじめに
自分の所有銘柄であるワーナーブラザース・ディスカバリー(WBD)は
ワーナー買収がネットフリックスからパラマウントへ(2026/2)
でまとめている様に、パラマウント・スカイダンス(PSKY)に買収されることとなっており、2026年5月の第1四半期決算のまとめ時点では@27ドル台での取引が中心となっていた(買収提示額が一株当たり31ドルであるのと乖離があるのは不可解だったが)。
その後は特に株価を気にしてはいなかったワーナーブラザース株なのだが、2026年7月20日(月)の米国市場では

3.76%の下落となり、25ドル台となってしまっていた。
調べてみると掲題の件が影響していたようだ。以下、前回2026年5月決算以降のワーナーブラザース買収に関する動きの概要と今回の差し止め命令について整理しておくことにする。
ワーナーブラザース2026年第1四半期決算以降のワーナー買収に関する主な動き概要
まず過去半年のワーナーブラザース株の推移を確認してみると

2026年6月に入ってからはそれまでの27ドル台から26ドル台に激しく上下動する局面もあったことが判る。これは以下の様な買収に関する当局の動き/報道があったためだろう。
- 2026年6月5日
- カリフォルニア州のRob Bonta司法長官がパラマウントによるワーナーブラザースの買収を阻止するための訴訟を起こすかどうか、まもなく決定するとロイターのインタビューで語る
- 米国の複数の州が、パラマウントによるワーナー買収を阻止するための訴訟を準備している、とのロイター報道
- 2026年6月9日
- 英国が情報収集プロセスの第1段階を終了し、パラマウントによるワーナー買収計画について正式に審査を開始したと発表
- 正式審査の第1段階の期限は8月7日
- 2026年6月10日
- 欧州委員会の提出書類によると、湾岸諸国の政府系ファンドが支援するパラマウントによるワーナーの買収案が、欧州連合(EU)の補助金審査の対象となる
- EUの競争法執行機関である欧州委員会は、7月14日までに、この取引を承認するか、90営業日間の本格的な調査を開始するかを決定する予定
- 2026年6月13日
- 米司法省反トラスト局は、パラマウントによるワーナーの買収計画を承認したと発表
- 同局は、この取引が競争や消費者に悪影響を及ぼす可能性は低いとした
- 2026年6月18日
- 情報筋の話として、中国の規制当局はパラマウントによるワーナーの買収を承認と報道される
- 2026年6月24日
- 関係者の話として、パラマウントはワーナーの買収をめぐるEUの独占禁止法上の懸念に対処するため、ユニバーサル・ピクチャーズとの映画配給合弁事業を売却する準備を進めている、との報道
- 2026年6月30日
- 英国のLisa Nandy文化相が「関係各社との協議および独立した調査を経て、本日、私の省は私の代理として、ワーナーブラザーズ・ディスカバリーの現所有者および買収予定者に対し、私が介入する意向であることを伝える書簡を送付した」との声明を発表
- 2026年7月1日
- パラマウントがEUの競争法上の懸念に対処するための是正措置を提示
- 2026年7月8日
- オレゴン州Dan Rayfieldの司法長官が、 パラマウント社がロビー活動に関する記録を隠蔽していたとして、 同社によるワーナーブラザーズの買収提案を60日間停止するよう裁判所に求める方針を示す
- カリフォルニア州とニューヨーク州もこの取引を調査中
- 2026年7月13日
- カリフォルニア州など12州が、パラマウントによるワーナー買収阻止を求めて提訴
- 2026年7月14日
- 全米脚本家組合 (WGA)が、パラマウントによるワーナーの買収を阻止するため提訴
2026年7月20日の米オークランド連邦地裁の買収差し止め命令(7月13日の12州の提訴に対し)
- Araceli Martinez-Olguin判事がパラマウントによるワーナーブラザースの買収計画について、少なくとも8月3日までの差し止めを命じる
- 12州はこの取引が違法に競争を減少させるという強力な立証を行ったと判断
- 各州が主張するように、合併後の企業が一般公開映画の配給市場で27%のシェアを占めることになる場合、この取引は独占禁止法に違反する可能性が高い
- 8月3日に開く審理で、訴訟が続く間は買収手続きを差し止めるべきか判断する
判決後のコメント
ニューヨーク州のLetitia James司法長官
- 本日の決定は、この合併によって被害を受けるすべての人々にとって重要な勝利であり、私はこの訴訟を引き続き戦っていくことを楽しみにしている
パラマウントの広報担当者
- 州司法長官らの独占禁止法に関する主張は、彼らが想定する市場や競争阻害効果の主張が現代の市場実態に全く根拠を持たないものであるため、証拠によってその主張に根拠がないことが示されると確信している
まとめ
以上、ここ2ヶ月程のパラマウント・スカイダンスによるワーナーブラザース買収関連の主な動きと、7月20日の米連邦地裁による買収差し止め命令について整理してみた。
報道によると今回の差し止め命令の最終判断には数ヶ月かかる可能性もあるとのことで、その場合には以前にまとめた合併契約にある、合併が9月30日を過ぎて遅延するごとに、パラマウントはワーナーブラザースの株主に対し、1株あたり0.25ドルDaily Ticking Feeを支払う義務を負うという項目が、パラマウントの財務や買収そのものに影響を与える可能性も出て来た。
事態がこの先どうなるかは極めて不透明だが、しばらくは買収関連の動きと、それに伴い自分が所有しているワーナーブラザース株がどう変動するかに細心の注意を払うことにしたい。