UBSのアナリストがGE目標株価アップデート(2021/4)

はじめに

先週の金曜日2021年4月9日に、掲題の通りUBSのアナリストMarkus Mittermaier氏がゼネラル・エレクトリック(GE)の目標株価をアップデートしていた。

先月3月前半はGEの航空機リース事業の売却報道、2021 GE Investor Outlook(ここで正式に売却発表)があり、それもあってか以下の様にGEに関して自分がまとめたものも多かった。

UBSのアナリストがGE目標株価引き上げ(2021/3)

GEの航空機リース事業売却報道について(2021/3)

GEの航空機リース事業売却発表及び株式併合案、他(2021/3)

Tusa氏を含むGEの投資格付け複数アップデート(2021/3)

GE株のアナリスト評価アップデート(2021/3/16)

Mittermaier氏は売却報道の前に目標株価を引き上げ、2021 GE Investor Outlookの後に投資格付け、目標株価を共に維持する見解を示していたのだが、そこから約1ヶ月で何が変化したのか。以下に確認しておくことにする。


UBSのアナリストMarkus Mittermaier氏のGE目標株価引き上げ

投資格付け:Buyを維持

目標株価:15ドルから17ドルに上方修正

以下はMittermaier氏の目標株価引き上げの要旨。

  • “The 2021 Outlook Meeting was an important step toward articulating the creation of a simpler GE with significantly fewer ‘legacy overhangs’ and improved strategic optionality medium and long term”
    「2021年のOutlook Meetingは、「レガシーオーバーハング(過剰な過去の遺産)」を大幅に減少し、中長期的に戦略的オプション性が改善されたことで、よりシンプルなGEの創造を明確にする重要なステップでした」

先月割と細かい分析で目標株価を引き上げたためか、今回はGEの戦略面から目標株価の引き上げをしたようだ。ただし目標株価を引き上げた一方で最新の分析に基づきEPS見通しなどを以下の様に修正している。

  • 第1四半期一株当たり利益(first-quarter earnings-per-share)見通し:0.03ドルから0.02ドルへ引き下げ
  • 2021年のEPS見通し(2021 EPS outlook):0.29ドルから0.26ドルへ引き下げ
  • 2022年のEPS見通し(2022 EPS outlook):0.76ドルから0.65ドルへ引き下げ

いずれも下方修正となっているのが気に掛かる。


まとめ

目標株価を引き上げた割には明確な理由が乏しいMittermaier氏の見解だった気がする。最も全ての情報を確認できているわけではないのだが。

この情報を受けて4月9日(金)のGE株は、

1.12%の上昇。ただこの日はダウ工業平均が0.77%、S&P 500が0.89%、NASDAQが0.51%いずれも上昇しているので、それを考えるとそれ程大きな上昇では無かった。

1日のGE株の動きを確認してみると

開場直後は前日比2%を超える局面もあったのだがその後は上昇分を消して市場並みの上昇。先に書いた様に目標株価は上方修正されたものの、EPSなどの見通しは下方修正していたためかもしれない。

3月からのGE株を見てみると、

3月上旬はアナリストの目標株価上方修正や航空機リース事業の売却報道などで上昇基調だったのだが、3月10日の2021 GE Investor Outlook、11日のTusa氏のコメントを受けて2日で12%も下落(14.00ドル⇒13.25ドル⇒12.27ドル)。その後は一時持ち直したものの中旬以降やや下落。そして3月末からは再び概ね上昇基調という感じ。

4月27日には2021年第1四半期の決算発表を控えているので、そこまではあまり大きな動きはないと思うのだがどうだろう。そしてその決算内容とアナリストとのカンファレンスコールでのTusa氏とのやり取りに要注目。GEをカバーしているアナリストではTusa氏だけが弱気な見解を崩していないので、そこでTusa氏の懸念(フリーキャッシュフローだけではなくEBITDAと組み合わせた純負債の変化)を払拭するような事になれば、もう少しGE株に自信が持てる。昨年10月末の決算発表以来の上昇基調がまだ続く様な結果となって欲しいものだ。

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