はじめに
現地時間2024年1月5日(金)には
1月5日のボーイング737MAXトラブル続報(2024/1)
でまとめた様にアラスカ航空のボーイング737MAX9型機のパネル/プラグが飛行中に吹っ飛び緊急着陸するというトラブルが発生していた。
このトラブルは1月5日の米国株式市場取引が終わってからのことであり、昨日2024年1月8日(月)のトラブル後初めての取引でボーイング株がどこまで下がるか戦々恐々としていた。
以下、その結果と新たな続報についても確認しておくことにする。
2024年1月8日(月)のトラブル後初めての取引でボーイング株価
結局ボーイング株は
前日比8.03%の下落。これは1月5日のボーイング737MAXトラブル続報(2024/1)をまとめた時点での時間前取引の下落振りとほぼ変わらずで、自分が寝ている間に更に下落幅が広がるという事態にならなかったのは良かった。
ちなみに自分は所有していないが、ボーイング737型機の胴体を製造し、情報筋によるとスピリット社が噴出したプラグの製造と取り付けを行っていたとされるスピリット・エアロシステムズ(SPR)株は
11%を超える下落となっている。
前回まとめ時点以降の続報
前回まとめ
1月5日のボーイング737MAXトラブル続報(2024/1)
以降の続報は以下の通り。
- 1月8日、ボーイングが737MAX9の検査指示を航空会社と共有
- ボーイング商用航空機代表のStanley A. Deal氏の従業員宛メール
- 我々は、影響を受けた航空機と同じ構成の737MAX9航空機の即時検査を要求するというFAAの決定に同意し、これを全面的に支持する
- 我々のチームは、FAAの徹底的なレビューを受けながら、必要な検査に関する包括的かつ技術的な指示を運航会社に提供するため、真摯に取り組んできた
- 今朝、我々のチームはマルチ・オペレーター・メッセージを通じて(航空会社に)指示を出した
- マルチ・オペレーター・メッセージは、航空会社がFAAの指示に準拠した検査を完了または実施したことを証明するための重要なステップ
- ボーイング商用航空機代表のStanley A. Deal氏の従業員宛メール
- 1月8日、ユナイテッド航空がボーイング737MAX9の複数機でボルトの緩みが見つかったと発表
- 6日に予備点検を開始し、ボルトの緩みなどドアプラグの取り付けに関連する問題とみられる事例が見つかった
- 関係筋がロイターに語ったところでは、ユナイテッド航空は現在ボルトが緩んでいる機体を10機近く発見しており、さらに増える可能性がある
- 1月8日、アラスカ航空は同社の技術者がボーイング737MAX9の一部機体のドアプラグ部分に緩んだ金具を発見したと発表
- 1月8日、米運輸安全委員会(NTSB)ボーイング737MAX9のパネルが飛行中に吹き飛んだ事故を巡り、事故機にパネルが適切に取り付けられていたかまだ判断できないとの認識を示す
- パネルを固定していた4本のボルトはまだ回収されておらず、ボルトが存在したかどうかも確認できていない
- 事故機に焦点を当てているが、調査が進んで必要と判断すればより広範な安全勧告を行うことをためらわない
ユナイテッド航空、アラスカ航空がボルトの緩みを発表したのは取引時間内。15時過ぎに一段下落したのは恐らくこれらの発表が原因だろう。
まとめ
未だ事故の原因特定には至っていないが、複数の航空会社の検査で複数機にボルトの緩みが発見されたことを考えると、それが原因なのだろうか。
そしてもしボルトの緩みが原因だとして、それが単純なものなのか、それともより広い検査や修正が必要なものかによって、ボーイング株は更に大きく下落する可能性もあるだろう。
これを書いている1月9日(火)米国市場開場2時間程前の時間外取引でボーイング株は前日比約0.6%程度下落しているのだが、本日の取引はどうなるのだろうか。昨日の下落である程度下げ止まってくれると嬉しいのだが。