はじめに
2023年3月10日(金)の米国市場は
いずれも1%を超える下落だった。これで3月第2週はS&P 500が4.6%、ダウ工業平均が4.4%、NASDAQ総合が4.7%いずれも下落となった。
そんな冴えない状況の中で昨日は自分の所有するボーイング株(BA)が
市場に比べてそこそこ上昇していたのが気になった。そこで日中の動きを見てみたところ
14時過ぎまでは市場と大差ない動きをして前日比マイナスだったのだが、14時20分ぐらいに大きく上昇してそのままプラス圏内で取引を終えていた。
調べてみると掲題の787 Dreamlinerの件が報道されたのがその時間だったようだ。以下報道内容について確認し整理しておくことにする。
ボーイング787ドリームライナーの納入再開報道
以下は主にロイター通信の報道より引用・抜粋。ロイターが初報を報じた模様。
【事前の動き】
- 2023年2月23日、FAA(米連邦航空局)はボーイングが787 Dreamlinerの前方圧力隔壁に関連するサプライヤーの解析ミスをを通知し、787 Dreamlinerの納入を一時停止したと発表
- その時点でFAAは以下の様にコメント
- 就航中の機体に安全性や飛行の面で差し迫った懸念はない
- ボーイングと協力し最近納入された機体に必要になるかもしれない対策を判断する
- 問題への対処が完了したとFAAが認めるまで納入が再開されることはない
【3月10日の報道】
- FAAは来週耐空証明書の発行を再開する可能性がある(The FAA may resume issuing airworthiness certificates next week)とコメント
- ボーイングによると、航空機が要件を満たしていることを確認するために必要な分析を完了し、FAAの基準を満たすため更なるアクションを必要としないとのこと
- またボーイングによると、FAAは787の納入再開時期を決定する予定であり、納入のタイミングについては顧客と協力しているとコメント
まとめ
年初来のボーイング株と市場(S&P 500)の動きを確認してみると
確かに787 Dreamlinerの納入一時停止報道があった2月23日にボーイング株は市場に比べて大きく下落していた(見逃していたらしい)。
しかし年初来で見ると1月初めの上昇に助けられて、この787 Dreamlinerの納入一時停止がありながらも現在まではS&P 500がほぼフラットなのに対して6.6%の上昇とまずまずの結果となっている。
787 Dreamlinerの納入再開を機に更なる株価上昇を望みたいのだが、冒頭に書いた様に今週も含めた2月半ば以降からの米国市場が低調なことを考えるとそれは難しいだろう。何とか市場なり程度のパフォーマンスを維持してくれると良いのだが。