FRBが27年振りの0.75bp大幅利上げ(2022/6)

はじめに

直近1週間は先日

米労働統計局発表の2022年5月消費者物価指数(2022/6)

S&P 500が弱気相場入り(2022/6/14)

でまとめた様に最新の消費者物価指数(CPI:Consumer Price Index)が市場予想を上回る上昇で、5月に発表された4月の個人消費支出(PCE:Personal Consumption Expenditures)指数で和らいだかと思われたインフレ圧力が未だ根強いことが示唆され米国市場は大きく下落していた。

そういった状況のため上記S&P 500弱気相場入りまとめの中で

「下落傾向が続く可能性が高まった気がする。6月14日、15日に予定されている米連邦公開市場委員会(FOMC)で提供される材料によってまた市場は動くのだろう。」

と書き非常に気になっていた米連邦準備制度理事会(FRB)の会合である米連邦公開市場委員会(FOMC)が行われた。

結果掲題の通り0.75bpの大幅利上げとなった訳だが、その発表及びそれに応じて市場等がどう動いたかについて確認しておくことにする。


2022年6月14、15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果

FOMC会合結果

以下は米連邦準備制度理事会(FRB)のサイトで現地時間14時に公開されたFederal Reserve issues FOMC statement(FOMC声明)より引用・抜粋。

  • Overall economic activity appears to have picked up after edging down in the first quarter. Job gains have been robust in recent months, and the unemployment rate has remained low. Inflation remains elevated, reflecting supply and demand imbalances related to the pandemic, higher energy prices, and broader price pressures.
    全体的な経済活動は第1四半期に落ち込んだ後回復したように見えます。ここ数ヶ月の雇用増加は堅調であり失業率は低いままです。パンデミック、エネルギー価格の上昇、価格圧力の拡大に関連する需給の不均衡を反映してインフレは引き続き上昇しています
  • The invasion of Ukraine by Russia is causing tremendous human and economic hardship. The invasion and related events are creating additional upward pressure on inflation and are weighing on global economic activity. In addition, COVID-related lockdowns in China are likely to exacerbate supply chain disruptions. The Committee is highly attentive to inflation risks.
    ロシアによるウクライナ侵攻は人的、経済的に多大な困難を引き起こしています。侵攻とそれに関連する出来事は、インフレにさらなる上向きの圧力を生み出し世界経済活動を圧迫しています。さらに中国でのCOVID関連のロックダウンはサプライチェーンの混乱を悪化させる可能性があります。FOMCはインフレリスクに多大な注意を払っています
  • The Committee seeks to achieve maximum employment and inflation at the rate of 2 percent over the longer run. In support of these goals, the Committee decided to raise the target range for the federal funds rate to 1‑1/2 to 1-3/4 percent and anticipates that ongoing increases in the target range will be appropriate. In addition, the Committee will continue reducing its holdings of Treasury securities and agency debt and agency mortgage-backed securities, as described in the Plans for Reducing the Size of the Federal Reserve’s Balance Sheet that were issued in May. The Committee is strongly committed to returning inflation to its 2 percent objective.
    委員会は最大の雇用と長期的には2パーセントの割合でのインフレを達成しようとしています。これらの目標を支援するため、委員会はフェデラルファンド金利の目標範囲を1.50~1.75%に引き上げることを決定し、目標範囲の継続的な引き上げが適切であると予測しています。さらに委員会は5月に発行した連邦準備制度のバランスシート規模を縮小するための計画に記載されているように、財務省証券、政府系機関債、不動産担保証券の保有を引き続き削減します。委員会はインフレを2パーセントの目標に戻すことを強く約束します

14時30分からのパウエルFRB議長の会見では「75bp引き上げが異例に大きな幅であることは明らかでありこの幅が普通になるとは見込んでいない」としながらも「次回FOMCでは75bpか50bpのいずれかが適用される可能性が高い」という旨の発言をしている。

市場の動き

同日の米国主要3市場は

と上昇幅に差はあるものの概ね似たような動き。もっと詳しくて見てみると

14時のFOMC声明及び経済予測公開後の30分は下落、上昇、下落と不安定な下げ基調の動きになり前日終値と同程度になったが、14時30分のパウエル議長会見後は不安定な動きながらもFOMC声明後の下落を回復し、やはり不安定な動きながらも前日比プラスで終える形となっている。

ということはパウエル議長の会見での何らかの発言が市場に好感されたと思われ、次回のFOMCでも場合によっては75bpの大幅利上げをする可能性を排除せずインフレ抑制の姿勢を明確にしたことが一応評価された様に思われる。


まとめ

気になっていたFOMC結果は1994年以来27年振りの0.75bp利上げとなり、市場は取り合えずは前日比プラスとなった。同日の終値ベースでは自分が懸念していた程の大きな悪影響は無かったことになる。

ただ気になるのは、先述の様にFOMC声明及びパウエル議長会見を受けて終値ベースで前日比プラスとなったものの必ずしも市場は安定した動きをしていない点。結果的に昨日のFOMC結果は最近の市場の下げ基調を加速させることは無かったが、今後米国市場が内容を消化するにつれてどうなるかは未だ不透明。取り合えず無難にFOMCを乗り切りはしたが、今後も神経質な市場の動きが続きそうな気がする。

そしてこれを書いている6月16日米国市場開場前には、ほとんどのアナリストが据え置きを予想していたスイス国立銀行(中央銀行)がインフレに対処するため2007年9月以来15年ぶりに政策金利を0.5%引き上げてマイナス0.25%としたことが影響して、パウエル議長会見の結果少しドル安に振れたドル円為替レート(British Summer Time(BST)の7:30PM)は

と急速にドル安が進行(スイス国立銀の発表はBST9:00AM)。これが米国市場にどのような影響を与えるかにも注意したい。

それにしても最近報道されるニュースは市場にマイナスの影響を与えるものが多い気がする。しばらくはこの冴えない状況が続く可能性が高いことを頭に入れて精神的なショックを和らげることにしよう。

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