はじめに
2022年4月21日には自分の所有銘柄であるダウ・インク(DOW)の2022年第1四半期決算発表があった。
以下にその決算内容を確認し整理しておく。
ダウ・インク2022年第1四半期決算概要
以下の情報はダウ・インクの企業サイトより引用・抜粋。
- 2022年第1四半期の総売上(Net Sales)は152億6400万ドル、前年同期は118億8200万ドルで前年同期比28%増
- 2022年第1四半期の一時項目を除く一株当たり利益(Operating Earnings Per Share)は2.34ドル、前年同期は1.36ドル
事業部別業績は以下の通り。
包装・特殊プラスチックの売上高は25%増の76億2700万ドル。価格(Local Price)が需要増に伴って24%上昇したのが寄与している。
素材・インフラストラクチャの売上高は前年比25%増の45億2400万ドル。強い需要に支えられ価格(Local Price)が29%上昇していることが大きい。
パフォーマンスマテリアル・コーティングの売上高は前年同期比44%増の30億4900万ドル。価格(Local Price)が39%上昇し、出荷量も8%増加しているのが大きい。
2022年通期見通し
2022年通期の考慮要因(FY2022 MODELING CONSIDERATIONS)は以下の通りで、主要な項目に関するアップデートは無し。
2022年第2四半期の見通しは以下の通り。
各事業部のトップラインがいずれも前四半期比フラットからプラスを見込んでおり、2022年第2四半期も堅調な業績が期待出来そうではある。
市場予測との比較
今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、
- 2022年第1四半期の総売上(Net Sales)は152億6400万ドル、市場予想の145億ドルを上回っている
- 2022年第1四半期の一時項目を除く一株当たり利益(Operating Earnings Per Share)は2.34ドルで、市場予想の2.02ドルを上回っている
となっている。
まとめ
上記の様な決算内容を受けてのダウ・インクの株価は
2.92%の上昇。
同日の米国市場は米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が、国際通貨基金(IMF)の会合でインフレ率がFRBの目標である2%の約3倍に達していることを受けて「もう少し迅速に動くことが適切だ」、「50bp(の利上げ)は5月会合で検討されるだろう」と語ったため、利上げによる今後の成長鈍化が警戒され
開場直後の上昇から下げに転じて終わっている。それを踏まえるとダウ・インクの約3%近い株価上昇は決算内容がかなり評価されたと言えるだろう。
個人的には売上原価(Cost of sales)が気になるのだが確認してみると
絶対額では増えているものの売上に対する割合は減少している。ここ1年でインフレが進行し、各種コストが増加しているのを考えるとダウ・インクはかなり上手く対応していることが伺える。
年初来で見ても市場(S&P 500)を上回るパフォーマンスを維持しており、決算以降を含めると年初来で約20%の上昇となっており、市場の約10%近い下落と比べるとここ最近の上昇もあって力強さが目立つ。
配当率も税引前で4%を超えており、もし自分がまだ完全リタイアをせず米国株購入を続けていたとしたらダウ・インクは有力な購入候補となったかもしれない。この調子を維持してくれるといいのだが。