はじめに
一昨日の2021年9月20日(月)は
恒大集団デフォルト可能性と2021年9月20日の市場下落に関して
でまとめた様に米国市場が大きく下落したのだが、昨日9月21日(火)はダウ工業平均が0.15%、S&P 500が0.08%それぞれマイナスでNASDAQが0.02%プラスと2日続けて市場全体が大きく下落という事態にはとりあえず陥らなかった。
そんな中自分のポートフォリオを確認したところウォルト・ディズニー(DIS)株が
4.17%の大幅下落となっていた。以下にその原因を確認しまとめておくことにする。
Goldman Sachs 30th Annual Communacopia Conferenceでの最高経営責任者(CEO)Bob Chapek氏の発言要旨
9月21日にはウォルト・ディズニーの最高経営責任者(CEO)Bob Chapek氏がGoldman Sachs 30th Annual Communacopia Conferenceでヴァーチャル形式のQAセッションに参加しており、そこでの発言が昨日のディズニー株の下落につながったようだ。
以下主要(と思われる)発言を引用してみる。
- COVIDとデルタの復活が制作に影響を与えたたため第4四2021年半期(7~9月)の作品は予想よりも少なくなる(we’ve got a lighter product quarter in Q4 than we might have expected)
- 2021年第4四半期のディズニーのストリーミングサービス有料加入者は「1桁100万台前半(low single-digit millions)」の増加を想定
- 第3四半期(4~6月)には予想を上回り1240万人の新規顧客を獲得したが、第4四半期は「逆風に見舞われた(hit some headwinds)」
- 依然として長期的なサブスクリプションの成長について「非常に強気で自信を持っている(very bullish and confident)」と述べたが、予想よりも「少し騒がしい(a little bit more noise)」可能性がある
- ディズニーが配当を復活させたり、自社株買いを再開したりする即時の計画はないとコメント
- 2021年11月12日にDisney+ Dayを開催
- Disney+ Day当日に9月頭公開の「Shang-Chi and the Legend of the Ten Rings(邦題:シャン・チー/テン・リングスの伝説)」をディズニー・プラスでも公開
まとめ
上記の様に11月のDisney+ Day以外はネガティブな情報が多く、4%の下落は仕方のないことだったのかもしれない。
特に第4四半期のストリーミングサービス有料加入者が「1桁100万台前半(low single-digit millions)」増加に留まるというのは、第3四半期が1000万を超える加入者増だったのと比べると半分以下に落ち込むということになる。これはかなりの急ブレーキではないだろうか。
9月に入ってから市場が下げ基調の中以下の様に
ディズニー株は持ちこたえていた感もあるのだが、昨日のカンファレンス(米東部時間14時過ぎ)直後に一気に急落しているのがよく分かる。なまじ9月は市場よりは良いパフォーマンスだっただけに、昨日のBob Chapek氏の発言内容が一層マイナスに受け止められたのだろう。
この急落に対する一時的なリバウンドはあるのかもしれないが、昨日のカンファレンスの情報を見る限りではディズニー株が短期的に上昇する可能性は難しくなったように思われる。可能性があるとしたらもう一つのテーマパーク部門で何らかのポジティブなニュースが出ること等だがその可能性は低いだろう。
2021年11月12日のDisney+ Dayと前後して行われるであろうウォルト・ディズニーの2021年第4四半期決算発表の内容が少しでもいいものであることを願いたいが昨日のカンファレンスでの内容からすると厳しいものになりそうだし、それまでもディズニー株は厳しい状況が続きそうな気がする。