はじめに
2021年9月1日の米国市場開場前には9月のOPECプラス会合が開催された。
前回7月の会合はアラブ首長国連邦(UAE)との調整が長引き月初ではなく月中で合意されるという結果だったので、今回は素直にまとまったかどうなったのかが気になるところ。以下にその内容について確認しておくことにする。
2021年9月1日のOPECプラス合意内容
以下は主にロイターの報道より引用・抜粋。
- 協調減産を毎月日量40万バレルずつ縮小する前回会合の合意方針の維持を合意
- 今回の決定に基づき10月も9月と同様に減産縮小規模は日量40万バレルとなる
- OPECプラスの関係筋によると、OPECプラスの合同専門委員会(JTC:Joint OPEC-Non-OPEC Technical Committee)は、2022年の石油需要予測を日量328万バレル増から日量420万バレル増に上方修正
- JTCは8月31日、2021~22年の石油市場に関する新たな報告書を提出。報告書は公表されていないが、OPECプラス筋が31日に明らかにしたところによると、2021年は世界の需要が回復し日量90万バレルの供給不足になると予測している。
- 2022年の石油需要予測を上方修正したにもかかわらず、OPECプラスは一段の増産は見送り
- OPECプラスは声明で「新型コロナウイルスによるパンデミック(世界的大流行)の影響は引き続き不透明だが、市場のファンダメンタルズが力強くなったほか、景気回復が加速する中、経済協力開発機構(OECD)加盟国の原油在庫は継続的に減少している」と発表
この会合はオンラインで行われたのだが、報道を見ると1時間程度とこれまでの会合に比べて短時間で終了したとのこと。前回7月の会合が当初の予定通りに進まず延期/延長されたことや、最近のデルタ変異株の広がりなどもあって今回も揉める可能性があるのでは、と個人的には思っていたので、内容はひとまず置いてすんなりと合意に達したのは良かったと思える。
会合を受けての所有エクソン株の動き
上記の様な9月1日米国市場開場前のOPECプラスの合意を受けて自分の所有株のエクソン・モービル(XOM)株は
【9月1日】
ダウ工業平均:0.14%マイナス、S&P 500:0.03%プラス、NASDAQ:0.33%プラス
【9月2日】
ダウ工業平均:0.37%プラス、S&P 500:0.28%プラス、NASDAQ:0.14%プラス
とそれなりの幅で上下動して方向感が定まらない感じ。
1日は前述の様に石油需要が高まる予測をしているにもかかわらず、増産の見送りを発表となったためか9月1日の原油先物価格は下落し、2日は米国でのハリケーン「アイダ」の直撃を受けたルイジアナ州の製油所が停電や給水停止に直面して操業再開まで数週間を要し、備蓄在庫が減少しているとの報道もあって原油先物価格が上昇したことがエクソン株の1、2日の上下動につながったのだろう。
まとめ
個人的には本当にOPECプラスが予測するほど石油需要が高まるのかは疑問。最近のコロナ変異株が不透明であるとしながら「景気回復が加速する中」と表現しているが、自分の実感では景気回復が加速しているとは思えないのだが。これは自分のポートフォリオ資産が市場に比べて低パフォーマンスとなっているため、特にそう感じられるのかもしれない。
ただOPECプラスが石油需要予測を上方修正したことは、長期的に見れば原油価格の上昇につながるのではないかと少し期待も持てる様な気がするのだがどうだろう。
エクソン株はどうもここ2ヶ月位市場に比べてパフォーマンスが悪いので何とか株価回復傾向に転じて欲しいのだが、1日、2日の株価の動きを見る限りでは方向感が定まらない神経質な動きが続きそうでまだまだ先は長そうだ。
追記
これは2021年9月3日(金)にまとめ終わっていたのだが、公開を忘れていたので9月3日の情報も追記するとエクソンの株価と市場は
【9月3日】
ダウ工業平均:0.21%マイナス、S&P 500:0.03%マイナス、NASDAQ:0.21%プラス
1、2日が1%を超える上下動だったのだが3日のエクソン株は市場よりやや悪い程度の下落に落ち着いた。このまま大きな変動がなく緩やかにエクソン株が上昇してくれるのが個人的には一番望ましいのだが、週末にはサウジアラムコ(サウジアラビアの国有石油会社)が10月に出荷するアジア向け原油の価格を引き下げた(欧米向けは据え置き)というニュースがあったのでその影響も気になるところ。しばらくは先週時点で書いた
「方向感が定まらない神経質な動きが続きそうでまだまだ先は長そうだ。」
という状況がやはり続きそうな気がする。