マクドナルド(MCD)2021年第2四半期決算(2021/7)

はじめに

先月2021年7月28日には自分が所有しているマクドナルド(MCD)の2021年第2四半期決算発表があった。確認するのが遅れてしまったが、決算後の株価も含めて以下にその結果・内容を整理しておくことにする。


マクドナルド2021年第2四半期決算概要

以下の情報はマクドナルドの企業サイトより引用・抜粋。

  • 2021年第2四半期の総売上高(Total Revenues)は58億8790万ドルで、前年同期比57%増加
  • 2021年第2四半期の純利益(Net Income)は22億1930万ドルで、前年同期は4億8380万ドル
  • 2021年第2四半期の希薄化後1株当たり利益(Earnings per share-Diluted)は2.95ドルで、前年同期は0.65ドル。Non-GAAPベースでは2.37ドルで、前年同期は0.66ドル

2021年第2四半期の既存店売上は以下の通り。

今四半期の米国既存店売上は前年比25.9%増。世界全体で見ても40.5%増。これは前年同期がCOVID-19の影響があったため。

米国では注文サイズの拡大と価格の改訂が、国際市場では特にCOVIDの影響が大きかったイギリスとフランスが復調したことによることが大きいとしている。

COVID以前を含めた2年間でも米国が14.9%、国際市場が2.2%、日本や中国などのライセンス市場は0.3%いずれも売上成長となっている。

2021年通期の見通しは以下の様になっている。

この中で前回決算時と異なっているのは、

  • 2021 Systemwide sales growth(レストランを含む売上成長率):mid-to-high teens(10%半ばから後半)。前回はmid-teens(10%半ば)

と引き上げている点。ただし、Operating margin(営業利益率)はlow-to-mid 40% range(40%前半から半ば)と変わらず。


その他(Form8-Kより)

マクドナルドの四半期決算プレスリリースはあまり説明がないのだが、同時に米証券取引委員会(SEC)へ提出するForm8-Kの方には色々説明がある(上記2021年見通しもForm8-Kに記載)。

その中のRisk Factors and Cautionary Statement Regarding Forward-Looking Statements(今後の見通しに関するリスク要因と注意事項)でいくつか気になる事が言及されている。タイトルで抜粋すると

  • The COVID-19 pandemic has adversely affected and is expected to continue to adversely affect our financial results, condition and outlook.
    COVID-19のパンデミックは悪影響を及ぼしており、当社の業績、状況および見通しに悪影響を及ぼし続けると予想されます
  • Challenges with respect to labor, including availability and cost, could impact our business and results of operations
    可用性やコストなど労働に関する課題は、当社の事業および経営成績に影響を与える可能性があります

が気に掛かる。その他にもインフレやブランド戦略、競合など多数の要素が挙げられてはいるがこの2点は分かりやすくインパクトが大きいと思われる。


市場予測との比較

今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、

  • 2021年第2四半期の総売上高(Total Revenues)は58億8790万ドル、市場予想の56億2900万ドルを上回っている
  • 2021年第2四半期のNon-GAAPベース希薄化後1株当たり利益(Earnings per share-Diluted)は2.37ドル、市場予想の2.11ドルを上回っている
  • 2021年第2四半期の米国の既存店売上高は25.9%増、市場予想の23.8%増を上回っている
  • 2021年第2四半期の世界の既存店売上高は40.5%増、市場予想の39.8%増を上回っている

となっている。


まとめ

上記の様な決算内容を受けてマクドナルドの株価がどうなったかというと

決算内容が市場予想を上回る結果だったのにも関わらず1.86%の下落。同日のダウ工業平均が0.36%、S&P 500が0.02%それぞれ下落、NASDAQが0.70%の上昇だったのと比べてもマクドルドの下落は目立つ。

これはやはり8-Kに記載されていた今後の見通しに関するリスク要因と注意事項が影響したのだろう。アナリストとのカンファレンスコールでは特に労働力(コスト、確保)とインフレに関する質問が多かった様に思われる。

過去1ヶ月の株価の動きを見てみると

決算発表の28日の翌日は少し持ち直したものの、特に昨日、一昨日と市場に比べて大きな下落となっている。決算発表を受けて投資格付けは軒並み据え置きだったのだが(目標株価やアナリストコメントまでは確認していない)。

カンファレンスコールではあまり質問が上がらなかったCOVIDが、変異株の影響もありアメリカでも再び感染者数が増加に転じていることがこの下落の要因ではなく、下落傾向が一時的なものであれば良いのだが。

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