ゼネラル・エレクトリック2019年第4四半期決算(2020/1)

はじめに

2020年1月29日には自分が気にかけているゼネラル・エレクトリック(GE)の2019年第4四半期決算の発表があった。以下にその内容を整理してまとめておく。


2019年第4四半期、通期決算概要

以下の内容は、ゼネラル・エレクトリックの企業サイトより引用・抜粋。

  • 2019年第4四半期の総売上高(Total Revenues)は262億3800万ドル、前年同期は264億9900万ドルで前年同期比1%の減少(アナリスト予想の253億ドルを上回った)
  • 2019年第4四半期の調整後一株あたり利益(Adjusted EPS)は0.21ドル、前年同期は0.14ドルで前年同期比50%の増加(アナリスト予想の0.17ドルを上回った)
  • 2019年第4四半期の継続事業の1株当たり利益(Continuing EPS)は0.07ドルと、前年同期の0.06ドルから17%増加

2019年通期のインダストリアル事業フリーキャッシュフロー(Industrial Free Cash Flow)の結果は23億ドル。前四半期の見通し0~プラス20億ドルを上回り、市場予想の13億ドルも上回った。

通期の事業別では、

となっており、

電力部門で通期の売上高が16%減、受注が25%減と低調だった。2019年は大型受注が繰り返し発生しなかったことが主たる原因としている。

売上高でGE最大の航空機部門は、ボーイングの737MAX機の運行停止があったにもかかわらず通期の受注が3%増、売上高が8%増と堅調だった。


2020年通期予想

  • 1株当たり利益見通し(EPS)は0.50~0.60ドル。市場予想は0.66ドル
  • 2020年のインダストリアル事業フリーキャッシュフローは最大で40億ドルとしており、市場予想の22億ドルを上回っている

ちなみにLSDはLow Single Digit(s)の略で、1桁台前半の意味。


アナリストとのカンファレンスコール

以下は四半期決算後のアナリストとのカンファレンスコールから気になったところを抜粋。ちなみにこのカンファレンスコールには、何度かこのブログでそのコメントを引用させてもらっているJoshua Pokrzywinski氏Charles Stephen Tusa氏Markus Mittermaier氏などが出席している。

  • In Aviation, the business was able to grow free cash flow versus prior year despite the $1.4 billion of cash headwind from the Boeing 737 MAX grounding.
    航空機部門はボーイング737MAXの運航停止による14億ドルの逆風にもかかわらず、前年に比べてフリーキャッシュフローを成長させることができました
  • our plan is dependent on the 737 MAX’s return to service, which we are planning for mid-2020, in line with Boeing’s commentary. That said, the situation remains fluid.
    私たちの計画は、ボーイングの発表によれば2020年半ばに計画されている737MAXのサービス再開に依存しています。 とはいえ、状況は依然として流動的です。
  • We are planning to provide you a detailed 2020 outlook by segment on our March 4 investor call.
    3月4日のinvestor callでセグメントごとの詳細な見通しについて明らかにします

具体的にボーイング737MAXの影響が14億ドルという数値で示されたことと、3月4日に詳細な事業ごとの見通しを発表するという点は気に留めておくべきだろう。


まとめ

こういった情報を受けて決算発表後のGEの株価は、

と10.32%の上昇。時間内取引の最高値は13.00ドルだったようで、株価が13ドル台に届いたのは2018年10月以来のこととなる。GEの利益およびキャッシュフローが市場予想を上回るのは4四半期連続となったことが株価の大幅上昇に寄与したのだろう。とはいえちょっと上がり過ぎな気がする。

これを受けてどう考えるかなのだが、個人的にはまだGEの行く先に確信が持てないのが正直なところ。ボーイングの737MAX機の生産停止がどのような影響を及ぼすのかが気になる(昨年は737MAX機の影響にも関わらず航空機部門GE Aviationは好調だったようだが)。

カンファレンスコールで3月4日のinvestor callでセグメントごとの詳細な見通しについて明らかにする、と発言しているのでそれを待った方が無難な気がする。自分の定期的な投資タイミングが3、6、9、12月であり、良いタイミングでの情報提供がされることになるので、その情報を3月の購入検討材料として有効活用できるようにしたい。

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