はじめに
昨日2020年1月29日は掲題の通り、自分の所有銘柄以下6社の決算発表が重なった。
- ボーイング(BA)
- ゼネラル・エレクトリック(GE)
- ダウ・インク(DOW)
- マクドナルド(MCD)
- モンデリーズ・インターナショナル(MDLZ)
- AT&T(T)
個別の具体的な考察は別途整理するとしても時間がかかるため、とりあえず何か問題がないか各社の決算概要を確認し整理しておくことにする。
2020/1/29所有株決算概要まとめ
個別銘柄の決算を確認する前に、市場全体の動きはどうだったか。
市場全体
取引時間内にそれなりの上下動があったが、S&P 500が前日比0.09%のマイナス、ダウ工業平均が前日比0.04%のプラスとほぼフラット。
いずれも開場時は前日を大きく上回ってスタートしたもののすぐに下落、現地時間10時過ぎから再度上昇したものの、閉場にかけては下落で前日とほぼ変わらずという動き。
これは恐らく28日閉場後のアップルの決算、29日開場前のGEの決算が良かったため開場時は上昇、その後は低調な米国の住宅関連指標のため下落、そしてトランプ大統領が北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定のUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)もあって緩やかに上昇、また米連邦公開市場委員会(FOMC)が市場の予想通りフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を1.50~1.75%に据え置くことを決定している。その後のパウエル連邦準備理事会(FRB)議長の会見で、パウエル議長が見通しは引き続き不透明と指摘し、中国を中心とした新型コロナウイルスの感染拡大に言及したことを受けて徐々に値を消す展開となったようだ。
この中で気になるのはパウエル議長の発言の影響。パウエル議長の発言は現地時間14:30以降だっのだが、その辺りからS&P 500もダウ工業平均も下落傾向が留まらず。これは下手をすると市場全体の下落傾向が続く可能性がありそうだ。
個別株
ボーイング(BA)決算概要
前日比1.72%の上昇。決算発表の主な内容は以下。
- 2019年通期決算は6億3600万ドルの赤字に転落。赤字転落は1997年以来22年ぶり
- 737MAXの運航停止に伴う費用は通期で146億ドルに上り、当初の見込みである80億ドルを大幅に超えている(これには墜落事故の訴訟で発生し得る和解金や補償金などは含まれていない)
なぜこのような状況でボーイングの株価が上昇したのは不可解だが、どうも737MAXの運航停止に伴う費用が一部の市場予想よりも膨らまなかったことが株価上昇に寄与したらしい。
ゼネラル・エレクトリック(GE)決算概要
前日比10.32%の上昇。決算発表の主な内容は以下。
- 第4四半期決算(12月31日まで)は利益とキャッシュフローがアナリスト予想を上回った
- GEの利益およびキャッシュフローが市場予想を上回るのは4四半期連続
- 一方で2020年の1株当たり利益見通しは0.50~0.60ドルと、アナリスト予想の0.66ドルを下回った
10%は個人的には上がり過ぎな気がする。これほど大きく上がったのはキャッシュフローが市場予想を上回ったことが大きいようだ。
ダウ・インク(DOW)決算概要
前日比5.32%の上昇。決算発表の主な内容は以下。
- 総売上高、一時項目を除く1株当たりの営業利益が市場予測を上回る
- 2020年は1億4000万ドルのコスト削減を実施すると表明
これも上がり過ぎな気がする。市場予測は上回っているものの総売上高は減少しているし、第1四半期の見通しも市場より低くなっている。
マクドナルド(MCD)決算概要
前日比1.92%の上昇。決算発表の主な内容は以下。
- 第4四半期および2019年通年の世界既存店売上高はともに5.9%増で市場予想を上回る
- 2019年11月に就任したクリス・ケンプチンスキー最高経営責任者(CEO)によると、通年では過去約10年で最も高い伸び
- 来客数は米国では減少、世界全体では1%の伸びにとどまる
新型コロナウイルスの影響としては湖北省(武漢のある省)の数百店舗の営業をすべて停止。同省以外の中国にある約3000店舗は営業を続けているとのこと。
モンデリーズ・インターナショナル(MDLZ)決算概要
前日比0.53%の下落。決算発表の主な内容は以下。
- 売上高、一時項目を除く1株当たりの営業利益が市場予測を上回る
モンデリーズの決算発表は米国市場閉場後になされている。29日の時間外取引では2.64%の上昇(現地時間19:53時点)。
AT&T(T)決算概要
前日比3.97%の下落。決算発表の主な内容は以下。
- 総営業売上高は前年同期から減少、市場予想も下回る
- 調整後利益は市場予想を上回る
- 第4四半期の衛星放送有料契約者数が94万5000人減少。アナリストの予想は64万1000人減
- ディレクTVなどを含むエンターテインメント部門の売上高は前年比6.1%減
これは個人的には予想外に悪い結果。そのためこの下落は仕方がない印象。昨年はアップルTVプラスやディズニー・プラスなど新たなストリーミングサービスが始まり、AT&Tの衛星放送から顧客が移った可能性が大きい。AT&Tは今年5月に開始予定のHBOマックスがどうなるかがさらに重要になってきた印象。また、エンターテインメント部門の売上高が伸びないことは、巨額で買収したワーナー・メディアの効果が出ていないということにもなり、それも株価下落につながった気がする。
まとめ
以上2020年1月29日に決算発表をした自分の所有銘柄の決算概要をまとめてみた。
個別の決算内容のまとめは別途行うつもりだが、この中ではやはりGEの株価が10%超上昇したことが気にかかる。継続的な株価上昇を期待できるのかどうか、より詳しく決算内容を確認しておきたい。
ちなみに1月29日という観点で自分の米国株ポートフォリオを見てみると、
とマイナス13,435.34ドル、マイナス1.04%となってしまい市場を大きく下回っている。自分が所有している銘柄で資産価値の大きい方から4銘柄がいずれもマイナスだったので仕方がない。
ただこういう日は凹むなあ。ここしばらくは新型コロナウイルスが市場に及ぼす影響が大きいと思われるので、自分の資産の減少にあまりがっかりしないようにしつつ、決算発表の整理には新型コロナウイルスの影響に関する注意も必要になってくる点に留意したい。
最後に記事をまとめていて思ったのが、一口に「前日比変わらず」などと言っても、29日の様に結構色々な事象/出来事が含まれている場合もある点には注意が必要と再認識した。事細かに確認/認識する必要はない(その時間も能力もない)のだが、大きな事柄で見落としのないよう日々の情報整理に勤しむとしよう。