クラフト・ハインツのCAGNYでのアップデート(2021/2)

はじめに

2021年2月16日にクラフト・ハインツ(KHC)はCAGNY(Consumer Analyst Group Of New York)で講演を行った。

クラフト・ハインツは先日2021年2月11日に2020年第4四半期決算発表を行ったばかりで、大きなアップデートは無かったのだが、以下にその内容を簡単にまとめておくことにする。

CAGNYとは消費財産業向けの投資家、経営陣、メディアに対してプレゼンテーションやイベントを提供している非営利の団体のこと。


CAGNYでの発表について

2020年第4四半期決算発表時のアナリストとのカンファレンスコールでグローバルインベスターリレーションズの責任者であるChris Jakubik氏がCAGNYに関して言及しており、

  • I do want to highlight that we will provide greater details on our 2021 initiatives during our presentation at the CAGNY Conference
    CAGNYでのプレゼンテーション中に、2021年のイニシアチブについてさらに詳しく説明することを強調したいと思います

と述べ、アナリストに一つの質問に留めるようお願いしていた。従って基本的には新しい内容とではなく、四半期決算発表資料の詳細について補足するという形で、プレゼンテーションの流れは、全体、北米、インターナショナル、財務に分けてそれぞれ説明を行っていた。

以下気になったスライドをピックアップしてみる。

1でWe have built a strong foundation faster than anticipated(予想よりも早く強力な基盤を構築しました)としているのが目に付く。元々の計画では2020年はReset foundation(基盤のリセット)だったのでそれよりは踏み込んだ表現。決算発表資料ではこの表現は無かったはず。

マーケティングやR&D、設備投資については四半期決算では発表されておらずアナリストからの質問があった際に、CAGNYで説明する旨回答していた。恐らくこれがその説明。2019年との比較となっているのは、2020年はCOVID-19で特殊な状況であったため。

これは四半期決算発表の際にも言及された2020年9月15日に発表されたStrategic Planについてのスライド。数値目標自体は変わっていないのだが、左の説明でconfidently optimistic(自信をもって楽観的)という表現が追加されている。


まとめ

個人的には目新しいアップデートは無かったと思うのだが2月18日のクラフト・ハインツの株価は、

4.69%の大幅上昇。同日のダウ工業平均が0.29%の上昇、S&P 500が0.03%、NASDAQが0.58%下落していたのに比べると、クラフト・ハインツの株価上昇が際立つ。

CAGNYでのクラフト・ハインツの講演は現地時間2月16日の15:10からであり、その後クラフト・ハインツに関する目立ったニュースは無かったので、CAGNYでの2021年以降のポジティブな見通しが翌日2月17日の株価に反映されたのだと思う。

これで2年前の株価急落後の最高値を更新したのだが、

このまま株価・業績回復が続くのか。先日の決算発表時にはやや懐疑的だったのだが、CAGNYでの講演内容からするとある程度期待しても良い気もするのだがどうだろう。

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