はじめに
昨日は自分がそれなりに投資(約6.2万ドル)しているゼネラル・エレクトリック(GE)の2019年第2四半期決算の発表があった。
ただ、昨日は連邦準備理事会(FRB)が10年半ぶりの利下げを決定したことや、パウエル議長が連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見で、今回の利下げが長期の利下げ局面の開始ではないと明言したことが、市場全体に大きな影響を与えていると思うので、昨日のゼネラル・エレクトリックの株価が2019年第2四半期決算の内容をどれほど反映しているものかは疑ってかかった方がいいかもしれない。
実際の昨日の閉場後のゼネラル・エレクトリックの株価は、
と0.67%のマイナス。S&P 500が1.09%、ダウ工業平均が1.23%、ナスダックが1.19%とそれぞれマイナスになっているのに比べればマシではあった。
昨日の株価は上の様にあまり気にせずに、第2四半期決算の内容を可能な限り客観的にまとめてみることにする。
2019年第2四半期決算概要
以下の内容は、ゼネラル・エレクトリックの企業サイトより引用・抜粋。
- 2019年第2四半期の総売上高は288億ドル、前年同期は291億ドルで前年同期比1%の減少
- 2019年第2四半期の純一株あたり利益(Net EPS)はマイナス0.01ドル、前年同期は0.07ドル
- 2019年第2四半期の調整後一株あたり利益(Adjusted EPS)は0.17ドル、前年同期は0.18ドルで前年同期比6%の減少(リフィニティブのまとめたアナリスト予想の0.12ドルを上回った)
- 2019年通期のインダストリアル事業フリーキャッシュフロー(Adjusted Industrial Free Cash Flows)見通しはマイナス10億~プラス10億ドルに上方修正。従来はマイナス20億ドル~0
- 2019年通期の調整後1株利益(Adjusted EPS)見通しは0.55~0.65ドルに上方修正。従来は0.50~0.60ドル
まとめ
上記の様な数字を見ると順調に業績回復をしている様に見受けられるのだが、一方で中国の関税やボーイング737MAX型機の運航停止が前四半期から新たに不確定要素として加わってきた。それが株価の上昇抑制につながったのかもしれない。また、ジェイミー・ミラー最高財務責任者(CFO)が後任が決まり次第退任すると発表している。
個人的には前四半期からのフリーキャッシュフロー見通し改善などポジティブな感じがするのだが、記事によっては「ボーイング737MAX機運航停止に絡み、10億ドルを超える費用が発生する可能性があるとの見通しを示した」との報道もあった(自分が見たゼネラル・エレクトリック発表の資料及びアナリストとのカンファレンスコールでは、数値化された影響は見つけられなかった。単なる見落としかもしれない)。中国との関税に関しては、And how that plays out for our book of business in China, how it plays out more broadly for all of us is a bit unclear. I think we’ve tried to take in some of that pressure into account in the back half here,と述べており、2019年下半期への影響が懸念される。
また発表資料で2019年見通し部分のタイトルが「2019 outlook … better, but still a reset year」となっており、このタイトルは自分にとっては腹落ちする感じがした。
このタイトルに代表されるように、やはり2019年はまだ色々な面でGEは我慢の時なのだろうと個人的には思う。そしてこの期間に2020年以降の回復を見込んでGE株を購入するか、それともより状況がはっきりするまで待つかは難しいところ。現時点では中国関税、ボーイングの影響が新たに懸念として追加されたので、それがはっきりするまでは購入を検討するのを待った方がいいのだろうなあ。それを待たずに投資するのは少し危険な気がする。